事例紹介



少子高齢化社会の暮らしの中で、ペットの存在は益々大きくなっていきそうです。
そんな中で、ペットがもはや家族の一員として扱われるのも当然の流れでしょう。
しかし、お互いが過度に依存し合う事による新たな問題も色々と増えています。
もう少し、お互いの人格や?格を尊重し、自然なコミュニケーションを持てれば。
「まるで赤子のように肌身離さず一緒にいたい!」といった考えもあるでしょう。
でも、そうではなくて、「癒されるつもりが振り回されて、逆にストレスに〜!」
そうなる一つの要因に、住まいの作り(構造)があるのではないでしょうか?
一般の住まいの作りは、ペットとの暮らしについては考慮されていません!
これは、至極当たり前の事!特に、室内で猫や犬と暮らすとなると‥‥‥

 

可愛いガーデンハウスに作られたペット出入り口

自由に出入り出来るから、中でお昼寝したり庭でボール遊びしたり
自分一人で思うがままに暮らせて、最高に気持ちがイイ〜♪

扉は、軽くてスムーズで自動で閉まるから、蚊も入らないし〜
しっかりした扉は、プライバシーも守れるし隙間風も無いんだよ〜!


ガーデンハウスは、ペットと楽しく遊ぶコンセプトで建てられた、とってもスペシャルな犬小屋〜?
だけど、遊ぶ為だけの異空間という事では、普段の暮らしが自由自在ってわけじゃないから。
ご主人と暮らす本宅?の出入りの時には、大きなドアを開けてもらわないと出来ません。
だから、人より先に出たり入ったり出来ないし‥‥躾けって観点があるらしい〜(笑)
本宅?にも専用の出入り口が有れば、100%思うがままの暮らしが出来る〜♪
い〜え、家から出るのは自由!でも、入る時は足と体を綺麗に拭いてから〜
綺麗にしない限りは、玄関土間が待合室って条件なら考えてみても‥‥‥
とは言え、住宅に作るとなると防犯面とか難しいハードルも見えてくる〜

 


注)文中の下線部は、サイト内の解説又は関連情報に別ウインドウでリンクしています。


テーマ
写真 内容
 
 ペットの出入り口

 (ガラスブロック施工例)
現状は、玄関ドアを開け閉めして出入りしています。

『ちょうどイイ開き加減〜』
 開いたまま? もちろん、ドアストッパーで少し開けたまま〜

これじゃあ、風通しが良いとしても、夏なら蚊が入るし冬は寒くて‥‥‥

そこで、ペット専用の出入り口を作る事にしました〜!
普通ならドアのパネル部分に設けるでしょ?
ところが、ドア横の部分がFIXガラス(はめ殺し)という美点?があり、自然とその部分を改修する事になりました。
しかも、そのガラスにヒビ割れが入ってたんです〜

『クンクンこの辺りに‥‥オ○ッコの匂いが』
 
 これが素材!

素材の選定では、先に手配したガラスブロックを持って、あれでもないこれでもないと店から店へ〜
結局、従来からある焼過ぎレンガがベストの結論
 
現状のFIXは、割れているから論外としても、断熱性という点で居住性にはマイナスです。

ただ、建物中心に位置する玄関ホールが明るい点については、暮らしにとって大きなプラス!
その為、この大きなFIX部分を腰壁に変更するのには抵抗があります。

その結果、生まれた案がガラスブロック
しかも、このデザインが有ったから〜!!
200ミリ規格品(実寸190ミリ)で80ミリの厚み。
ブロンズカラーでストライプが裏表で90度ずらしてある為、一見クロスパターンに見えます。
小さいサイズは、見た目や施工性で劣ると判断し、このサイズでデザインや割付を検討します。
という事で、200ミリ角として寸法の割付をすると、高さに半個分程の半端が残ります。
そこで、ベースにタイルと同系色の焼過ぎレンガを組合せる事で上手く納めるプランとなりました。
ちょうど、左写真の様な形が出来上がりイメージ。
 
 この厚みが魅力〜

断面が白くマスクされている為、
接合部の色が影響する事はありません。
このガラスブロックは、ネットで探した優れもので「アンドレ」という商品です。

”侮れない品質”から由来する名前らしく、精度も質感も充分な上にとってもリーズナブル!
しかも、サイト上で充分な情報が得られる為、安心してワゴンにクリック〜!
興味のある方は、検索してみて下さい。

ガラスブロックは、一時期、HCでも販売していたけど、辛抱が出来ないんでしょうかね〜?(悲)
今の時点では、多くが撤退、或いは、処分段階に〜
それにしても、ネット販売に頼る機会が、今後益々増えそうです。
少し話がそれましたが、本筋に戻します。

ガラスブロックは、このタイプでは80ミリもの厚みがあります。
その為、遮音性、断熱性、そして、単品での剛性に加え組立後のパネルの剛性も期待出来ます。
ただし、重量もそれなりとなりますので、しっかりとした施工を必要とします。
今回は、建築的に使用しますので、当然と言えば当然の事ではあります。
 
 ベースのデザインを検討

あたかも、元からそうであったかのような
最小限度で自然な改修がコンセプト!
 
既に説明どおり。高さ調整の意味も含めて、ベースに焼過ぎレンガを1段積む事にしています。

ただ、その際、単純に並べてしまうか、変化を付けたデザイン処理をするか?
ガラスブロックの積み方は、変化の付け様が無いところですが、ここは検討の余地が有る部分です。
ことは慎重に運ぶべし!

何でも、急いでやれば良いというものではありません〜

その結果、ドア開口部付近では、出幅を少なくし、出入りの際に邪魔とならないように。
又、壁寄りの部分は、逆に大きく出して、現状同様に傘立てを置けるように。
こうして、他に無い独自のデザインが生まれます。
 
 現状細部の様子 レンガを積む部分には、サッシの下枠がポーチ土間に埋設されています。

その為、タイル土間は壊す必要があります。
また、タイルの上にレンガを積むような工法は採れません。
そこで、最小範囲に土間も解体撤去する事とします。
 ワイヤーメッシュで!

カットし終わった2枚のワイヤーメッシュ
1枡は100ミリ角から200ミリ角に加工している
 
ガラスブロックを積む場合、専用のスペーサーを用いて接着剤等で接合する乾式工法とモルタルで積む湿式工法があります。

今回は、外壁面である事と出入り口による変則構造である点が検討条件としてあります。
そこで、より剛性の期待出来るワイヤー補強入りモルタル積みとします。
しかし、丸棒を1本1本配置したり結束するのは、事前にしろ積みながらにしろ大変な事です。
そこで、作業性を乾式並み?とまではいきませんが、改善する為に〜
ユニットタイプの補強フレームを作る事にします。

100ミリメッシュのワイヤーメッシュボルトクリッパーでパチンパチンと切断し、フレームの原型となるパネルを作ります。
正確に作られたメッシュですから、いとも簡単に出来てしまう〜
アイデア勝負って事でしょうか〜♪
 
 補強フレーム 同じパネル2枚をガラスブロックの厚みに応じて前後に配置し、カットしたワイヤーの端材を用いて溶接で一体化させます。

ベースの部分にも水平面のワイヤーメッシュを溶接してある為、こうやって自立出来る状態に出来上がっています。
後は、垂直に設置すれば良いだけです!

この補強フレームでなら、積めそうって思うでしょ!?
 
 こんなイメージ 『何やってんの〜??』
『ウワッ危ないな〜目を突きそう!』

ワイヤーメッシュの取り扱いは、目立たない色という事もあって、ペットに限らず充分に注意しましょう!
 シビアな寸法配分 これが基本の配置です。

最下段のメッシュは、高さ約15センチ幅20センチ。
高さに約が付くのは溶接で作った枠という事で、約5センチ分は埋め代になります。
幅の20センチは、ワイヤーメッシュの2目分という事で製品の規格の寸法ですから正確なものです。
その20センチ幅の中に約6センチのレンガが3枚。

何とかなりそうですが、目地入れには手間がかかりそうです。
もちろん、そういった状況ですから、レンガの寸法精度もしっかりと吟味して調達しています。
 
 補強フレームの厚み 前後2列のワイヤーは、ガラスブロックの縦横にある凹部に納まっています。

『この辺りの床が汚れているんだよね〜』
 土間を切る それでは、いよいよ現場作業の開始です〜!

まず、ガラスを外さないといけないのですが、土間を切る際の埃が凄いので後回し。
ダイヤモンドカッターでベースのレンガ積み部分となる輪郭をカットします。
この時のカッター刃は、タイルの欠けを防ぐ為にウエーブタイプを使用しています。

また、作業時は、防塵マスクゴーグルを装備し、時間をかけて安全第一に〜!
 
 オンラインで正確に カッターでの切断は、正確にライン上をトレースしないと、仕上りに見苦しい傷が残ってしまいます。
 慎重にハツル カッターで縁切りが出来た後は、ハツリます。

この作業も壊し過ぎると後の修復が大変です。
そこで、通常のブレーカーではなく、振動ドリルを使用します。
振動ドリルは、ボッシュのSDSワンタッチチャックタイプ。
タガネ形状のSDSビットを取付け、回転無し打撃モードでハツリます。
 タイルは使えそう? ブレーカーと違って、細かく作業が出来るのでタイルを生かしたまま剥がす事も可能です。

そこで、この先、万一、周囲を割ってしまう事も考えて、綺麗な物を少しは確保しておきます。
 土間撤去完了 タイルポーチの土間は、埋め戻した土の上にバサモルタルで貼られていました。

このことからも、ポーチ土間は、ブロックを枠にした簡単な作りとわかります。
この際、全部壊して、スッキリと作り直しても簡単な事なんですけどね〜

でも、今回の作業のコンセプトが、最小範囲の工事で「ペットの出入り口を設ける」事。
工事範囲も費用も時間も〜!

普段の生活に支障なく‥‥‥
‥‥‥ペットの生活にも支障なく〜〜♪♪

  
 サッシ下枠の様子 ハツリ作業が終了した後で、割れていたガラスを取り外します。(写真は有りません)

次は、サッシ下枠の撤去作業です。

タイルやモルタルを撤去すると、サッシの下枠(アルミ枠)の下部に鉄製アンカーフレームが出てきました。
 アンカーフレーム 鉄製のアンカーフレームは、左右のサッシ縦枠を連結しています。
 この穴は? この穴は‥‥‥鉄製アンカーフレームが錆びている理由とも関係するのですが?

この穴は、鉄製アンカーフレームがコンクリート中に埋設された際にコンクリートの上下が一体化し、しっかりとアンカーをホールドする為にあります。
ところが、この状態からも察っしがつくように、ほとんど土中に有ったという事です。
タイル下地のバサモルタルの厚みは、アンカーの上面に触れるか触れないかの深さで終わっていました。
その為、このアンカーフレームが綺麗に掘り出せているわけです〜
本来は、タイル貼り付け以前に、アンカーフレームをコンクリートで据えなければならないものです。
 
 アルミフレームを撤去 アルミ下枠は、左右縦枠側からビスで固定されている為、この状態でネジを緩めて取り外す事はできません。

そこで、力技で実施!
ディスクグラインダーで真ん中付近を切断し、ゴキゴキ捻って付根からもぎ取ります。
これが一番簡単では?
というのも、サッシ枠の組立ビスは、無垢の部材に捩じ込まれているのではありません。
押し出し材特有のネジ穴に捩じ込まれています。
それは、筒状の穴、しかも完全な円周の縁が有るのではなく一部が切れているC型。
だから、想定外の無理な力が加わると簡単に破壊されてしまう。
 
 下仕事完了! サッシの下枠を撤去し、次は、室内側のタイルをカットします。

そこで、ベニヤやシートを使って室内側の埃止めをした上でカットします。
これで、大きな埃の作業は終了。
一旦、業務用の掃除機で隅々まで掃除をして作業環境を整えます。
アンカーフレーム上に溜まった土や埃も吸引して取除きます。

これで解体撤去作業完了というわけです。
 
 しっかりと深く アンカーフレームは、左右縦枠を連結しています。

そこで、撤去はせずにしっかりとコンクリートで固める事にします。
そのコンクリートは、ガラスブロックの重量だけでなく、サッシ開口部の補強の目的から充分な厚さにします。
厚みは、突き固めた底土から10センチ以上確保していますので、結構な量のコンクリートが必要になる計算です。
また、タイル天端がベースレンガの設置レベルとなる為、アンカーフレームの上部にも5〜6センチの打ち代が有ります。
 
 コンクリート打ち ワイヤーメッシュを入れコンクリートを打設します。

コンクリートですから、砕石バラスをタップリ入れて強度重視で‥‥‥もちろん、シャブコンでは有りません!
その分、しっかりと突き固めて、隅々までしっかりと回るように。
しっかりと圧力が加わるとアンカーフレームの穴から固いのがググッと上がってくるので良くわかります。
しっかりとしっかりと押さえる事で、周囲とも良く馴染む事にもなりますから。

このぐらい進んだところで一息〜!
忘れずにしなければならない事があります。
 
 補強フレーム埋設 それは、コンクリート打設の途中で補強フレームを設置する事〜!

左右は均等位置で良いとして、高さはベースレンガの設置レベルで決まります。
設置位置が決まれば、コンクリート打設によって狂わないようにテーピングで位置決め。
 下地完成 コンクリートは、しっかりと叩いて押さえる事で砂利が沈み、表面を均し易くなります。

この状態でコンクリートの下地が完成です〜!
タイル天端からは、レンガ積み用に2センチ程下げて仕上りとしています。
 枠作り ワイヤーメッシュがしっかりと固定されるまでは、レンガやガラスブロック積みには進めません。

そこで、その養生時間を利用して、今後の作業の準備に取り掛かります。
まずは、ペット用出入り口の枠作り。
一見、底のようなベニヤ板は、枠が変形するのを防ぐ為に使用時には枠に張ります。
 レンガ加工 次に、ベースに積む焼過ぎレンガの加工です。

タイル土間のカット同様に、ダイヤモンドカッターで切断します。
しかし、歯が届かない分が残りますので、最後は軽く金槌で叩いて割っています。
 切断面は こんなに深く切り込みを入れると、もの凄い埃が出るのですが、切断面がより綺麗に割れるので、止む無く〜ってとこです。

切断に際しては、防塵マスクゴーグル滑り止め付き手袋等、充分に安全対策をして下さいね〜!
 レンガ加工完了 全てのカット分の加工が出来上がりました。

3つに分割された物は、その真ん中が不用となります。
これは、単に長さを詰めるというだけではなく、両端に切断面を出さない為の一手間という事です。
 仮配置 加工したレンガを仮に配置してみました。

それは、精度を吟味したといっても、厳密に全数を計測したわけでもありません。
その為、多少の寸法誤差や反り等の変形について、上手く組合せてメッシュへの納まりをチェックしています。

レンガの配置は、室内側を少なくして土間が狭くなるのを避けています。
その分、外側には多く出ますが、外観の安定感が増しているはずです。
右端の3列分が、真ん中部分を取り去って、寸法を詰めた分です。
こうすると、切断面はガラスブロック下に隠れる事になり、室内外ともに綺麗な面に出来ます。
 
 傘立て置き場 左端の4列は、右端とは逆に表に出る部分が長くなっています。

ここには、陶器製の円柱形をした傘立てが置かれます。
そこで、元と同じように安定して置ける寸法としているわけです。
これには、単に置き場としてだけでなく、デザインの連続性とか整合性といったものも狙っています。

やはり、切り口はガラスブロック下に隠れるようにしています。
一番左端は、縦枠の前に設置する為に追加の半端が有りません。
 
 全体の様子 右から左にリズミカルに配置されたレンガの先端が、カッター切りをした部分とピッタリと揃っています。

真ん中の出入り口付近は、同じ出幅で揃っているのでペットに優しい?
懸案の1枡内にレンガを3個入れる点は?
何とか目地を取れそうですが、ワイヤー部分が広くなり勝ちって予測が〜
仮に3つ縛りのパターンで積めば〜?
悪くはないけど、均等の方が自然で良い感じかな?
一つ言える事は、どちらでもない状態になるのは良くないという事。

まずは、均等配分を目指して、ダメならパターンに移行させる作戦で〜!
こういった事を考える為にも、仮配置って必要かと。

さあ、完成イメージが見えるようになってきました!
後は、いよいよ積んでいくのみです〜!!
 
 準備万端〜!

 パート2へ続く
現場の周りはこんな状態です〜

自転車が置かれたり‥‥‥
その為、作業の区切り毎にしっかりと養生する事が手間なようではあっても、最も近道かも?!

とにかく、普段の生活の中で支障なく〜♪
ペットの‥‥‥それ、工事の支障にはなり放題なんですけど〜(笑)

『何か出来ているみたいだけど‥‥?』

『自転車でバリケードじゃないよね〜〜★』

まさか、可愛い現場監督にそんな事しませんから〜
 
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