事例紹介 |
テーマ |
写真 | 内容 |
ブレーキキャリパーのOH |
キャリパーのオーバーホール(OH)は、ブレーキフルードの洩れは当然として、ピストンの動きにバラツキが大きい場合にも行います。 どれくらいのバラツキって、指でスーと押し戻せるものと、ウオーターポンププライヤでムギュー位の差です。 キャリパーのピストンは、ディスクパッドが消耗してもレバーのストローク(握り代)が増える事はありません。
ところが、この事例では、ダストシールの一部が剥離するなど、ラバーの劣化が進んでいました。
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キャリパーの取外し |
作業は左右同時ではなく、どちらか片方から1ケ所ずつ済ませます。 キャリパー取付けボルト2本を外します。 取付時には、トルクレンチを用いて規定トルクで締めます。 |
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使用パーツと消耗品 |
純正パーツのシールキットは、サイクルワールドで取り寄せてもらいました。 ブレーキフルードは、ドット4なら何でもいいんですが、モチュールを奢っています〜 |
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パッドの取外し |
ディスクパッドセットピンの脱落止めクリップを外し、六角レンチで外します。
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セットピンを外したところ | これでパッドはフリーです。 | |
取外したパーツ | これが片方のキャリパー1個分のパーツです。
セットピンの横に小さな抜け止めピンが見えます。 |
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ピストンが見えます | 異径対向4ピストンが見えます。 | |
4個とも出てきました |
このように均等に出てくると、どれから外していいやら? また、タンクのレベルが下がってエアを吸うかもしれません。 ピストンの取外しは、この程度出てきた状態でも手やツールで外す事は出来ません。
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ピストンが外れた様子 |
レバーを繰り返し握っていくと、少しずつピストンが出てきます。 これが、左上の大きい方のピストン1個の全体が出た状態です。 結構長いというか、シリンダーの深さとほぼ同じというか、摘んで取りだせないのがわかりますよね?
この時、既に作業済みとかで出て欲しくないピストンは、やはり木切れ等で出ないようにしておきます。
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シールキットの内容 |
これは、大きいピストン用2個分のキットです。 これで1セットになっています。 TZRは、ダブルディスクの異径4ピストン対向式です。 その為、全体としては、大きい分が2セット、小さい分も2セット必要です。 太い方がピストンシールで、細い方はダストシール 赤いグリスは、シールに塗る専用グリスです。 シールに向きは有りませんので、ゴミを付けないようにグリスを全体に塗って準備完了です。
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これがピストンの形 |
取外した大きい方のピストンです。 ピストンは真ん中が凹んでいて、というより蓋のない缶といった形です。 この中空な側にディスクパッドの背板が触れるわけです。
ピストンには、汚れが付着していますので、傷を付けないように掃除します。
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シリンダーとシールの様子 |
ブレーキフルードは、古くなると色が濃くなります。 シールは、シリンダー内面の溝に張付くようにピタッとはまっています。 手前(パッドに近い方)が、ダストシールで奥がピストンシールです。
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シールの取外し |
ピックアップツールがあればいいんですが、小さなマイナスドライバーで出来ます。 シールの際に狙いを定めて、クイッと。 溝に差し込めたら、後はそ〜っと持ち上げて。 適当にやってシリンダーに傷を付けないように。
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綺麗に掃除します |
10年選手でこんな状態ですから、ウエスでこする程度で綺麗になるのでは? ウエスは、繊維の取れないナイロン生地等が適しています。 しつこいこびりつきは、小さいドライバー等で軽くシコシコとやります。
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新しいシールをはめます |
ちょっと狭くて、太い指ではやりにくいところです。 とにかく円状の一部を溝に入れて、指でしっかりと保持します。
これを両手でするか、片手でするかはしやすい方で。
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ピストンをはめます |
ピストンは、シリンダーに両手の親指で押込みます。 ちょっときついですが、シリンダーに平行にしてグッと力を入れます。
ここまでの作業は、手際良くしないとマスターシリンダーのタンクが空になってしまいます。
全部出来れば、ピストンを奥に戻してディスクパッドを組み付けます。
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あると便利なツール |
これは、マイティーバックという吸引ポンプです。 各種バキュームデバイス(負圧装置)の作動をこのポンプで発生させる負圧で作動チェック出来ます。 また、少し違った使用法として、油圧ラインのエア抜き作業があります。 その為、ワンマンブリーダーとも呼ばれています。 今回の作業では、エアツールが使用出来ると、左右キャリパーを取外し、単体で効率良く行えます。
滅多にない事で買ってられない〜!
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