事例紹介

  
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写真 と 内容

 これでも復活〜?
  (part2)
作業は、復活と言いながらも、新しいフレームで組み直すだけの事〜
ではあるけど、そう簡単にいくのでしょうか〜?
と、心配するのは、急遽供与された遊び用マシーンっていうのが曲者〜
肝心な外装が無かったり、猛烈なパーツが組み付けられていたり‥‥‥
とにかく、たまたま書類付きのフレームをベースに創作されていたバイク〜ってわけ!
だから、2台揃ってもパーツが有ったり無かったり〜の宝探し状態。

破損パーツをメーカー純正品で揃えてくれれば、何の問題もないんですけどね!
絶対にそんなわけない〜って断言しときます!
何せ、純正ってムッチャ高いし(これが当たり前〜)、良くて中古品、下手すりゃ破損品〜!
元のよりは程度が良いと言いながら、似たり寄ったり〜オイオイ、手間の事を忘れてないか〜!?
そんな愚痴が出なくて済む事を祈りながら、ある程度のパーツが揃うまで待機です〜
 
傷が付かないように、ラッピングされた状態で待機中のフレーム
 
エンジンを積む?  
エンジン本体は、そのまま再使用します。
幸い多量のオイル漏れをしていたのは、オイルフィルターが破損していた為、オイルクーラー問題なし!
というわけで、ラップに包まれ、触るのも惜しいぐらいのフレームへエンジンを積みます?
正確に言うなら、ハンガーの下にエンジンをセットし、フレームを搭載しま〜す!
右の右写真を見れば、その言葉の意味が良くわかると思うんですが?
 
幅がギリギリ〜!
ヤベ〜ヤベ〜!フレーム内にエンジンが入らない?
正確には超ギリギリでした〜!
左右各1ミリ程のクリアランスで、塗りたてのフレームは風前の灯〜!
いやはやここまでシビアとは?
フレーム補強は、ギリギリのクリアランスの中で行われているわけです。
 
ゴム板1枚!
写真では分かり難いですが、ヘッドカバー前部の左右角部に1ミリのゴム板を挟みました。
これでピッチリ!いずれ擦れて破れることでしょう!(笑)
と喜んでばかりもいられませんので、出来るだけ揺れを抑えなければなりません。
 
リジットマウントへ  
そこで、エンジンのリアマウントをリジットタイプに変更します。
写真上の列の一式がそれで、下の列でラバーパーツが混じっているのがノーマル。
でも、段取りが良過ぎる〜って思うでしょう?
これも、補強フレームとセット物?レーサー側の分解パーツに混じっていました。
フロントは、元々リジットだから、これで完全一体化〜
剛性は良いとして、おかしな弊害が出なけりゃいいけどね〜
 
ハンガーに復帰!  
エンジンとフレームが一体化した事で、この先の作業はハンガーで吊って行います。
シリンダーブロック部のマウントボルトにスライダーを装着し、そこにベルトを掛けて吊り上げ。
これなら、フレームの塗装に優しいんだけど、少しお尻が下がり気味〜でラップで引っ張っています。
そして、フロントフォーク周りとリアタイヤ周りを組付けたところで、店じまいで〜す。
畳一枚程のスペースに賢く収まってくれるから、他の作業にも影響せず助かるな〜!
 
雰囲気アップ〜!
作業は、慎重かつ迅速に進んでいきます。
ブラックフレームにスプロケットカバーとバックステップが映え、マニアックな雰囲気がタップリ!
恐らくこの部分は、完成後のチャームポイントになるハズ〜♪
 

ラジエーターが?



右サイド(HOT側)には、流入口が一つあるだけ!
既に、水温スイッチは右上に取付てあります
ステアリングステム(三叉)とスイングアームを取付後は、フロントとリアスタンドを使用し、ハンガーを撤収。

新しいフロントフォークとタイヤ&ホイールを取付。
そして、補強フレームに続く第二の難問〜?

それは、ラジエーター!
何と用意されたのは、ZXR750レーサー用?
一見コンパクト、ところが3層構造の高容量タイプです〜!

これは、紛れも無く猛烈パーツ!
無理やり付いていただけ〜外装は無いし〜‥‥‥
いや、だけど‥‥‥形が違うんですけど〜
まず、HOT側流入口の角度が、あっち向いてホイ!
さらに、水冷オイルクーラーや吸気サイド用のバイパスホースの行く先が無い〜
そして、冷却ファン用の水温スイッチなんて当然影も形も無い〜

といった中で、取敢えず本体のフィッティングについて考えてみる。
エキパイとの距離、そして逆にカウルとのクリアランス‥‥‥
ノーマルよりも相当な厚みがあるので、条件的には厳しいはず〜
取付部はある程度、バリアブル(可変式)にしておかないとフィッティングには苦労しそうだ〜!
 
加工しま〜す!   
バイパスホースの取付口が無い点は、新たに設けるしかない。
そこで、壊れたラジエーターから幸いにも無傷のホース差込部を切除。
ただ、その取付方法が問題。
ラジエーターのサイドタンク部に直接取付れば簡単そうだけど〜?
バイパスホースの長さが短くて届かないのは、写真のとおり。
それと、狭いスペースに2本の差込部では、溶接作業が上手く出来ないのでは?
とにかく付けば良いというのではなく、全周ピンホール無く確実に溶かし込まないと駄目。

そこで、選んだ方法が2段階式〜
同様に生き残っていたホース取付部を利用し、バイパスホースの集合部を作ります。
それが上の2枚の写真。
ラジエーターの付根から切取ったパイプを必要な長さで切断。
その切り口は、潰して塞いでおきます。
そして、ドリルで開けた2ヶ所の穴にバイパスホース取付部を挿し込み。
それぞれの加工部分は、TIG溶接で接合って作戦!
そこで、形が決まったら再度バラバラに取外して、接合部をしっかりと磨いて掃除。
この方法によるレイアウトなら、それぞれの作業スペースも充分で確実な溶接が出来るはず!
 
TIG溶接で  
角度が違っている流入口も一旦切り離して付け直し。
そして、下側の長い穴が、新設のバイパスホース取付用の延長パイプ取付部。
延長パイプには、下部に補強ステーを取付けています。
ノーマルラジエーターでは、さらに太いホースが接続されているのに補強は無し〜
これは、オーバークオリティーなんでしょうかね〜?
 
手直し中
(TIG溶接作業は、T.W.J.)
溶接後のラジエーターの良否判定の為、取付状態で加圧テストを実施。
水温スイッチの取付部からリークしているのを発見!
それは、極僅かなもので、事前に状況を知らずにテストしただけなら絶対にOKしてる〜
加圧状態で1分程放置して、ようやく直径1ミリ程の水滴が生じる程度の漏れ。
原因は、溶接部の極小さなブローホール(ガスの抜けた穴)。
実は、ここがやばいかも?って言われてました〜と言うのも
溶接時からブローホールの発生が多く、作業のほとんどが終わりの無いブローホール潰し!
中古部品の溶接作業という事で、溶接部の研磨や洗浄を念入りにしたつもりだったのですが‥‥‥
そんなわけで、「このまま潰すわ!」って作業をしています。
ラジエーターの水だけを抜いて、スパッタの養生も「大丈夫やで〜」って事で無いまま!
15センチ横には、新調したフェンダー(後述)が〜〜

しかし、そんな心配も急いで写真を撮らないと〜って慌てている間に終わりました!
まるでペイントスプレーとエアブラシの差って表現がピッタリなぐらい〜
こんな緻密な溶接作業が、さすがはTIG溶接機
被覆アーク溶接機とは、比較にならない多種で精密なコントロール系が可能にしています〜
とは言え、一発で最適条件を出して、ササッと出来るなんて、熟練者でないと絶対無理!!
 
出来上がり
電動ファン用水温スイッチの取付、流入口の取付角度変更、バイパスホース取付部追加、水温センサー追加の全ての作業が終了。
アルミ地のままでは、あまりにもマニアックなので、耐熱ブラック塗装を実施。
コア(放熱部分)は、極薄く塗る事で放熱性の低下を回避しています。
ところで、この完成形では、水温スイッチがホットサイドにあります。
要するに、ラジエーターが冷却する前の水温でファンが作動する事になる。
だから、理屈では、サーモスタットが開くなりファンが回りだすかもしれない状態です。
ただ、作動域は、オーバークール側への拡大って事で、熱効率は別にして安全性では問題なし!
そこで、実際の作動状況を確認してから再検討する事にします。

このままでも、さして問題ないかもしれないし、カット用にマニュアルスイッチを追加するかもしれない。
それとも、注入口と配置を入替えて根本的に解決しないといけないかも?
 
これが最終形
バイパスホースの取付部が、変更されています。
2ヶ所とも同方向。
当初、溶接の作業性を優先したわけですが、カウルとほぼ接触するぐらいの位置関係。
それでは、転倒、即、ラジエーター破損という事でこの形に〜
結局は、余計な配慮が遠回りをしちゃいました〜!
しかも、狭苦しい取付部で苦労すると言うよりも、
付直しで出来た穴を塞ぐ方がず〜っと大変〜!(汗)
 
難問突破でいよいよ〜 ラジエーターの右サイド周辺は、コンパクトにまとまりました。
ホースや取付部は、縦長にレイアウトされ外への張り出しは最低限。
しかも、ラジエーターの放熱部の通気性はしっかりと確保されてバッチリ!

ブラックフレームもこの仕上がりに満足そう!ニッコリと笑っています〜♪

アチャ〜!!
幸いクリアー部の傷にフラッシュが光ってましたので、コンパウンドで磨きま〜す。
う〜む、この先も充分に注意しないとこの程度では済まないかも〜?
 

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