ZX7RRのエンジンリハビリ |
ZX7RRの凄さは、何と言ってもレーシングキャブであるFCRキャブの標準装備 その標準たる証しが、まるで空に向けて咆哮するかのような4連のラバーファンネル もちろん、ラムエアタイプのエアクリーナーボックスによって最大のパフォーマンスが発揮される 左に見える白い2連のタイラップは、スターターワイヤー! 全体にマニアックな匂いがタップリ漂う この雰囲気、華やかなカスタムバイクとは、明らかに異なる、これがレーサーでなくして何であろう ましてや、エアクリーナーボックスに、小さなファンネル状の吸入口が一つっていうバイク達とは全く別物 |
フレームに抱きかかえられるエンジンは、サイドカムチェーンのインラインフォー 4連キャブが、端から端まで空間を占める。それにしても見事にレイアウトされている! このマシン、そしてこのメカニズムを触れる喜びに心が躍る、今、至福の時間が流れてゆく |
事例紹介 |
テーマ |
写真 | 内容 |
エンジンのリハビリ |
エンジン外観も何気にレーシー? サイドのダンパープレートが荒々しい エンジンの調子は、予想外にグッド! |
エンジンのリハビリの第一歩は、調子を見る事。 何の事はないって‥‥‥ 調子よければ、むやみに分解せずに、他の部分に時間や費用をかけた方がいいに決まってる〜 まず、始動性、そして暖機途中、完全暖機後のアイドリング持続性、安定性、さらに、そこからのピックアップの付き、吹き上がり、停止後の再始動性って順番に。 途中、五感を研ぎ澄まして、あらゆる振動や音に注意するわけ。 それで、その中で、いきなり不具合があって、即手入れってしたくなるけど、ちょっと待って! エンジン等にダメージを与えそうでなければ、一通り調子を見ておいた方がいいと思う。 それは、複数の不具合から原因を特定し易くなったり、もっと大きな不具合が見つかるかもしれないからです。 そして以上で足りないのが、実出力状態とか最高回転域の状態とか。 これは、少なくともレーシング(空ぶかし)で調べるものではないですよね〜 仮に、以上の状態で問題なければ、或いは、改善後なら、吹け切るかぐらいは調べれるかな? |
タンクの下にデーンと | ここまでは、トレーラーから下ろされて押してきたままの状態です。 多少の不安をもちながら、スターターを回す。 キューキューキュー、ズバッズバッズバ〜ン! わずかなバラツキが、初期にある程度。 幸いというか、有難いというか、ほぼ異常なしのレベルまで手入れされていました。 では、大きな不具合は無さそうって、楽しく点検を進める事にします。 点検の目的は、セッティングの確認って事でしょうか。 この先、実走行出来るように、そして、街乗りで使っていく上で、調子良く長持ちしてくれるように‥‥‥ では、作業開始〜 とっても外しやすいタンクをガバッと外すと これ容量的にどうなん? 11も7Rも同じちゃう!? まるで11のレーサーバージョンみたい〜 |
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ラムエアボックス取り外し | エアボックスの取り外しは、アッパーのブラインドプラグを3つ外すとアプローチ出来る。 ソケットレンチを差し入れるとロアボディーの取付けボルトを緩めれる。 こうすれば、少しでも早くキャブにお目にかかれるってわけ! でも、エアエレメントを点検しないといけないので、どっちみち後で、アッパーは外さないといけないんだけど。 |
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これがパワーの源 | ボコッとボックスを取り外すと、4連キャブが現れました。 上側で交差している細いメッシュホースは、エアベントチューブです。 ZZRの場合は、カウル先端のダクト部から引かれています。 ラムエアボックスの圧力をキャブのフロートチャンバーにも加えてバランスさせています。 もちろん、ノーマルとはホースも取りまわしも違っています。 ラムエアボックスの底部分に新たに穴を開けて差し込まれています。 このホースは、硬いのはいいんですが、内径が細い為、ラバーフューエルホースに取替えます。 |
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中身は素顔? | アップ写真 |
ちょっと、スロットルを全開にしてみると、奥が良く見えました〜! ポートもバルブガイドもノーマル状態な感じ〜 |
FCRが出てきた | 取り付けベースを外すといよいよFCR、正式にいうと FVKD = カワサキFCR って意味。 ちゃんと、メーカーが責任をもってFCRを市販車に採用したって意味がある。 |
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キャブ単品でチェック | キャブレターを取り外してイニシャルセットをチェックします。 特異なセットであれば、一旦デフォルトする事も必要です。 幸いな事に、メーンジェットも#210、その他もノーマルセッティング。 って事は、あんまりいじらずに楽しんでられたのかも? それとも、わざわざ戻してくれているのか? |
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パイロットスクリュー | エンジン側の下の小さい穴の奥にパイロットスクリューが有ります。 このスクリューの戻し量もイニシャルセットの基本になりますが、寸分の狂いなく揃っています。 |
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これでスクリューはOK | こうなれば、若干のバラツキって部分も装着状態で調整できそうです。 この状態でわずかに#2の開き始めが遅い為、バランススクリューで調整しておきます。 |
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バランス調整 | アップ写真 |
バランススクリューは、トップカバーを外して調整します。 シャフトに固定する為のネジ部がバランススクリューです。 ロックナットを緩めてスクリューでアジャストします。 この時、ロックナットの締め込みで多少のズレが出るので、締め付け後に再確認が必要です。 |
まずは、プラグ交換 | キャブレターのイニシャルセットが出来たら、次はプラグのチェック。 ボックスがない状態でないと、プラグを整備出来ません。 でも、ここまで外してしまうと、むしろネイキッドよりも作業性は良い。 これは、9Rのようにダイレクトイグニッションではありません。 長いプラグキャップを引き抜いて、プラグ交換。 それと、プラグホールの間に見えるリードバルブ状の物は、まさにリードバルブ! エンジン内に新気を取り入れて排気ガスを綺麗にする為の物。 レーサーには不要ですが、キャップを取寄せ、コントロールシステムも〜ではなくて、それはパス! キャップを付けて、ホース差込同士をホースでつないで終わり〜 要するにフタをするだけ! |
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イリジウムを選択 | 外したプラグは、CR9Eとまったくの標準タイプ! しかも、焼け具合も消耗も問題なし! いつも、この逆が多いんだけど、ちょっと贅沢にイリジウムにしました〜! |
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エレメント製作 | 当然ながら、元はフィルターレスの金属スクリーンだけ〜 ここは、街中仕様での最重要箇所なのかもしれない。 今までは、仕方ないとして、これからは少しでも長生きして欲しいんです〜 エアフィルターは、デイトナのフリータイプから切り出し。 目の粗い方がダーティーサイド、そして、忘れてならないのがフィルターオイルの塗布! いつもどうしてるかというと、エンジンオイルをガソリンで希釈し薄く全体に塗ってる。 塗ってるっていっても、吸わして絞るだけ〜 これなら、ベトベトにはならないし抵抗も少ないはず。 |
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こんな感じ | ハサミで簡単に切れるので、どんな形でも合わせれると思うヨ! ただ、余りが中途半端で結構な量があるのに使い道がなくなる事が多いので、大小2サイズぐらい種類があって選べればいいのにな〜 |
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これは止めれません! | とってもレーシー?なチャームポイント! ?ってのは、スターターってのが、そもそも市販車用の装置〜 でも、それを逆手にとっての見せ場ってわけ! 元々は、タイラップの2段がけでしたが、ワイヤーで作り直して、耐久性アップ? キャブのリンク回りに干渉しないようにスマートに取り回しています。 ちなみにワイヤーのアウターはスプレー缶のノズル〜! リングもカウルを傷つけないように、ワイヤーを丸くしただけ! 一応、グローブの指が入る大きさに考えて有ります。 これで、ワイヤー代が節約出来たと思ったら、添付してくれてました。 有難く予備パーツとして、タイラップと共に保管させて頂きま〜す! |
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これはこれで‥‥‥ | その他も特に手が入った様子がない感じ!? とはいえ、ラジエーターもホースもっていうか、そもそも、マシンのノーマル状態を知らないんだから〜!! |
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出来上がり |
とにかく、全く同じように吹き返すようになってグッド! この吹き返しこそが、レーシングエンジンの証し 一瞬のツキも良くなりました(以下MP3ファイル) ちょっと、のろいように感じますか? それは、わざとアイドリングから一気に大開度でスロットルを開けているからです。 しかも、ハイスロですから、調子が悪いと即エンスト、或いはボコツクところです。 普通のいちびった様なレーシングならこんな感じです〜! でも、これじゃあ、本当の調子はわからないですよね (PS・近所迷惑なんで6000rpmぐらいに抑えてます) |
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