事例紹介 |
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クラッチオーバーホ−ル (FR車の基本例) |
クラッチのオーバーホールは、マニュアルミッション車のメンテナンス作業です。 では、どのような場合に作業をする事になるのでしょうか? 1.クラッチの消耗による滑りで (全く走れない含む)
今回の故障の状況は、停車時にローギヤに入っているのを忘れて、うっかりクラッチから足を離しガクンとエンストさせてしまい、気にせずそのまま放っていた。
これは、3番の不具合で、クラッチワイヤーはじめ外部が正常に作動しておれば、内部の不具合であり、オーバーホールが必要です。
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床下からミッションcpt.(コンプリート)を見たところです。 クラッチをオーバーホールする為には、ミッションcpt.を取り外す(降ろす)必要が有ります。
ミッションcpt.の降ろし方
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ミッションの右側です。
写真中央の円筒型の物は、セルモーターです。
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ミッションの左側です。
写真中央のレバーは、クラッチレリ−ズレバーで、下側に接続しているのは、クラッチワイヤーです。
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プロペラシャフトのデフ接続部です。
脱着時の注意点として、プロペラシャフトとデフの合わせ部に、位置決めの合いマークを付けておきます。 これは、組付け時に元と位置が異なると、振動が発生したりする場合があるからです。 |
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ミッションcpt. | ミッションcpt.とプロペラシャフトを一体で降ろし、お腹に載せて引き出します。 もし、プロペラシャフトをミッションから引抜くと、ミッションを後ろに傾けた時に、オイルが洩れます。 写真右側のエンジンと接する広がった部分は、クラッチハウジングです。 床下の高さが有りませんので、寝板も使えず、ゴザと段ボールを敷いて潜り込んでます。 |
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クラッチハウジングの内部を見たところです。 丸い穴は、セルモーターの取付部です。 中央の突き出したシャフトが、ミッションのインプットシャフト(メーンドライブシャフト)で、クラッチディスクとスプライン(溝状の歯)噛合します。 その奥のドーナツ状の物は、カラーベアリング(レリ−ズベアリング)と言って、ベアリングで出来ています。
内部に付着している茶色い粉は、クラッチ関係の磨耗粉で、ディスクブレーキでホイールが汚れるのと同様です。 シャフト及びカラーベアリングのベアリングガタと、摺動部の磨耗を点検し異常なければ、給脂しておきます。 |
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ミッションcpt.を降ろしたエンジン側の様子です。 大きな丸いフライホイールに、クラッチカバーとクラッチディスクが取り付けられています。
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パイロットベアリング部グリス切れ
上の写真から、クラッチカバーとクラッチディスクを取り外した状態のフライホイールです。 丸いドーナツ状の部分が、クラッチディスクとの摩擦面です。
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クラッチディスクのスプライン部グリス切れ
取り外したクラッチカバーとクラッチディスクをフライホイール側から見た状態です。
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プレッシャープレート摩擦面を点検します。
上の写真から、クラッチディスクを除けた状態です。
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修整 | モリブデングリスを塗布し、スプラインの摺り合わせをします。
ミッションインプットシャフトのスプラインにクラッチディスクを噛合させた状態です。 通常、クラッチディスクは、プレッシャープレートに押されてフライホイールに圧着しております。
この時に、スプライン部の滑りが悪いとクラッチディスクの引きずりや貼り付きが生じ、切れ不良となります。
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各摩擦面を紙ヤスリで修整します。
また、パイロットベアリング部に、モリブデングリスを塗布します。 今回のトラブルは、インプットシャフトが、この部分とクラッチディスクスプラインの間でこじった形で固着した事で、ダイヤフラムスプリングが押されているに関わらず、ミッションに回転力が伝わり、シフトが出来なくなったものです。 |
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組付け | 走行距離が多く(7万km)通常の場合、折角のオーバーホールですから、せめてクラッチディスクだけでも交換すべきです。 今回は、残量約2万km(運転上手)ですが、それまでに廃車する予定との事で、すべて再使用しました。
まず、クラッチディスクとクラッチカバーをフライホイールに取付けます。
ミッションcpt.の取付は、取り外しの逆ですから省略します。 ただ、重要な点は、エンジンとの合わせ部に、配線等を挟まない様、注意する事と、無理矢理ボルト締めしない事。
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完了 | クラッチペダルも軽くなり、あわせてチェンジもスムーズ!
残量はないけど、まるでそんな事は分かりません。 『やれやれ、やった甲斐はありました。』 パーツの再使用は、新品に交換するのと違って、本当にわかっていないと出来ません。
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