事例紹介
 
 
ZRX 高走行距離車の点検手入れ事例
 
走行距離が多くなって、全体的に消耗やヘタリが出てくると、どこから手を付けたら良いかで悩んでしまう
そう思いつつ、さらに距離が伸びていく中で転倒でもしたなら、いっそ、手放したくなるかもしれない
でも、そんな時は、思いっきり手入れが出来る絶好の機会と、前向きに考えてみるのはDO?
お世話になったバイクだけど、まるで展示車でも見るかのように全体を見つめ直してみたい
壊れている、汚れがこびりついている、錆びている、傷ついている、変色している‥‥‥等
そして、動かしてみてガタがある、ぐらつく、変な音がする、ひっかかる‥‥‥等
そして、疑問に感じた事は、今ならインターネットで調べる事も可能だし
その時、よりどころとなるのが点検整備記録簿の点検項目です
そして、大きな作業は優先順位を付け無理なく着実にって!
 

ところで、マフラーー編は、壊れた部分を直す作業です。
何と言っても、優先順位の上位ランカーでしょう!
壊れた部分を直すのは、機械であれば当然
 ただ、その際元通りにするか否かは??
この悩みは、オーナーの特権です
前向きに考えましょうね!

でも、現実は、予定外の部品の形状違い!
果たして、災い転じて福となっただろうか?

 

元のサイレンサーハンガーは、バンジーフック取付部から伸びる長〜いタイプ
サイレンサーの前のエキパイ部分のブラケットは、ひもで縛ってありました
無いよりはいいに決まってますが、せめてタイラップとかステン針金とか
応急処置とは思っているけど、タイラップとか携行すれば何かと便利
 

これが修理後の状態です。用意されていたハンガーは、カチアゲタイプ?
リアサスとの共締めは良いとして、サイレンサーまで届きません〜!
 エキパイを曲げれませんので、アルミ板でブラケットを作りました。
 

5ミリ厚の#5052をバンドソーでキーキーとカット
上側取付部には、ツバ付きカラーを入れて
ボルトのネジ山から逃げていますが、
フローティングではありません
締切りは締切りです
  
 
  
テーマ
写真 内容
 サイレンサー  
強度面では、真下に吊るのが楽なんですが、そうすれば、元と比べるとサイレンサーの支持位置が随分前寄りになります。
また、ブラケットが真っ直ぐ垂れていると、見た目に軽快感がなくなり、ショックも隠れてしまいます。

出来るだけ後ろに下げたいし、なおかつ、ブラケット下側のネジ部の強度は残したいしって角度がこれ。
軽め穴を開ける事も簡単ですが、上側のハンガーを引き立てるために止めました。
むしろ、サイレンサー側とのデザインの一体感を狙って、2段式の違和感を無くすようにしたわけです。
 
ステー取付け  
サイレンサー前側のブラケット部は、もとはひもで縛ってあったところ。
ノーマルサイレンサー用の鋳物ブラケットがなければ、ステーも作りやすいんですが。
例えば、切り落とすとか左と同じ物を右にも取付けるとか?
でも、これは、バックステップメーカーの部品?
それじゃあ、またまた手配がしにくそうだ〜
って事で、そのままでステーを取付けました。
厚いCチャンのアルミ板を曲げて捻って、裏から表へもってきました。
見た目は、無理やり〜でも、これで安心!
 
ガタの原因    
サイレンサー部分で、以上の2ヶ所がしっかり固定されました。
でも、まだ完全ではありません。
それは、サイレンサーの差込部の一部が転倒によって破損していたからです。

サイレンサーの割り口部分が欠損している為、その方向だけは、エキパイとのさし合わせにガタが出てしまう。
 
 裏ワザ?  
サイレンサーのフロントパーツを交換すればいいんですが、とりあえず何とかなればって。
パテで埋め潰してしまっても良いのですが、今後の脱着時の手間も考えないといけません。

それで、やむなくバンド側にその厚み分として、バランスウエイトを貼り付けています。
バンドを介してですが、エキパイをしっかり絞める分、思った以上にガタが減りました。
 

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テーマ
写真 内容
 クラッチOH  
走行距離が伸びると、いわゆる消耗品という物を交換しなければならなくなるのは当然の事。
その消耗品には、何もオイルの様なケミカルな物だけではなく、機械的な部分でもあるわけです。

ご存知ブレーキがその筆頭〜、タイヤが筆頭かな?
そして、クラッチ!
もちろん、チェーンとかもですよ〜って、それに、フォーク編にもあったし〜って、言ってると何もかも全部になっちゃう〜!!

他にいっぱいある中で、クラッチを取り上げるのは、7万キロぐらいが、ちょうど点検するのに頃合いって感じだから‥‥‥
っていうか、周りがせいぜい2〜3万キロばかりじゃ、そろそろ心配になってくるでしょ!?

それでは、作業開始〜
距離が距離なんで、交換部品を準備してのOH(オーバーホール)。
クラッチは、エンジン右側のオイル点検窓のあるカバーの中にあります。
カバーを外すとエンジンオイルがこぼれる為、トレーで受けるか、予め抜いておかないと。
 
交換部品です 交換部品は、プレート類とガスケット。
クラッチの前にあるパルシングカバーのガスケットは、少し滲みが有った為、同時に交換する事にします。
いよいよ分解  
カバーを外すと、大きな丸い形のクラッチアッセンブリがドカンと。

丸い中心部がレリーズ機構(クラッチワイヤーからの力によって、クラッチを開放します)で、その外側に5角形に並んでいるのがクラッチスプリング(常時クラッチを圧着状態にしている)です。
 
綺麗なもの〜! 

アップ写真
 
クラッチスプリングのセットボルトを緩め、プレッシャー(オペレート)プレートを外します。
分解してみての印象は、どこが磨耗してるの?ってぐらい程度いい〜!

でも、この後、しっかりとフリクションプレート(摩擦材が付いている)とクラッチプレートの厚みと歪みを計測します。
 
細部を点検  
いくら消耗品を交換すると決めていても、現状を確認する事は大切です。
それによって、潜在している不具合を見つけれたり、運転方法を改める必要がわかったりするからです。

ポンポン取替えていれば、見習いメカニックと何ら変わらない手入れとなってしまうからね〜!
 
手入れは念入りに

アップ写真
 
上手に乗られていると言っても、どこかにそれなりの〜〜そう、高走行距離の証拠は有る物!

摩擦面の手入れだけでなくて、クラッチ全体の構造と作動を考えながら点検するのが大切!

フリクションプレートが、あまり減ってない分(半クラッチが短い)、スプラインにはショックが強くなる?
スプラインの歯面に付いた段付き磨耗は、ひどくなるとプレートの軸方向の摺動を妨げる可能性があります。
って事は、クラッチの断続に支障をきたすって事!
その為、指で触ってそれとわかる様なひどい部分は、軽くオイルストーン(砥石)で修正しておきます。 

こういったところを見落とすと、消耗品を交換したけどフィーリングは良くならなかった〜とか。
他にレリーズ部分のベアリングやクラッチワイヤーも要チェック!っていうか出来れば交換ネ。

組付け時の注意点は、レリーズ部のシャフトとロッドの組付け方と古いガスケットの掃除。

古いガスケットは、スクレーパーで綺麗に剥さないとオイル漏れします。
そして、新品ガスケットを使用する際でも、液体シールを薄く全体に塗ってカバーを取付けます。
レリーズ部の組付けは、カバーを外す時に、ゴソゴソやってたら外れたって事なら、組付時は考えながら慎重に!
ワイヤーが引っ張られたら、ロッドが動くように、、ケース側のシャフトの位置を考えながらカバーを取り付けます。
エンジンオイルを補充して組付け完了。
クラッチレバーに抵抗が有れば、ひとまず安心!
エンジンをかけてチェンジを入れ、クラッチの遊びを確認し調整し直せば出来上がり〜
ちょっと、テスト走行でもして、クラッチの作動や遊びを最終確認してネ!

程度の差こそあれ、何もかもが消耗していると言っても過言でないのが高走行距離車なのだ〜!!

高走行距離車の気になる部分をオールリセット!の途中?
永く付き合いたいなら、メンテナンスをしっかりとして
気持ちも新たに、調子良く乗ってあげませんか?
その為には、優先順位を付けて無理なくね〜
  まだまだ、調子良く乗れそうだから‥‥‥
 
 

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