再生工程
  

仮組みされていた時のフレーム
フレーム

バイク再生の第一歩となるのは、フレーム再生作業。
その理由は、フレームこそがバイク本体であるから‥‥‥フレームナンバーによって登録されているでしょ!
そこで、書類付きフレームを中心として再生が始まっていく〜
もちろん、これは、再生でもREBORNの場合であって、一般に再生手入れしようという時とは全く異なる。
いわゆる中古車を再生手入れする場合なら、それは現状有姿がスタート地点。
それに対して、REBORNの場合は、現状無姿ってわけ!
でも、フレームが曲がっているような中古車を売ろうとするなら、当然、有姿をひっぺがしてフレームから手を入れてもらわないと。

ところで、書類付きフレームというのは、車検証(現役)または抹消登録証明(廃車)が添付されているという事。
それを言い換えるなら、メーカー量産車としてのお墨付きが未だに与えられている車体(フレーム)である証し。
逆に、書類が添付されて無い場合は?
どんなに面倒な事になるかは、ここでは省略する(他にも無いけど)。
たとえ正常品であったとしても、書類が無ければただのアルミの骨!
少なくとも、どこの馬の骨かわからないようなフレームをスタート地点にしてはならないという事。

しかし、書類付きフレームの流通って事には正直驚くね〜!
まあ、新品フレームってのも、補修部品としてメーカーから書類付きで出荷されているだろうから、同じと言えば同じなんだけど。
仮に、四輪自動車の場合に、モノコック、否、カウルパネル(車台ナンバーが刻印されているパーツ)単品で流通したらどうだろう?
モノコックならいざしらず、パーツ単品(完成車では溶接組立されている)ではあるまじき事だろう。
バイクの場合は、使用、流通いずれにしろ取扱い易いから存在しているとはいえ、特殊な状況には違いない!
現実には、事故の保険査定で、フレームの損傷に達しなくても簡単に全損となるわけで、ユーザーがフレーム交換という場面に遭遇する事はまず無いだろう。

こんなREBORNはDIYでしかなしえない?
としても、責任重大(自己責任だけど)〜安全な乗り物たる根幹の部分であって、安易な知識や経験、技術力で手を出してはいけない!!

<作業ハイライト>

躊躇なくプロの技が閃光を発する
(溶接作業は、TWJ)

最大300Aのメーターが大きく振れ
大電流で瞬時に溶かし込む力を発揮
相手は、アルミ鋳物材の塊
熱は入れたくないけど、ガンガン入れないとドンドン逃げてしまう!
アルミ溶接は、TIG溶接機の独壇場!
これがないと確実で綺麗な溶接は出来ない
書類付きフレームだからといっても、何らかの不具合があるのが、今回のルール?
元々がオークションで、落とさないと損だとか予備の予備に〜的次元で集められたパーツ達。
動機がその程度だから、まともな金額で競り合って手に入れているはずがない〜!
だから、再生の第一歩は慎重な受入検査から。
その為には、まずは綺麗にするする!!
チェーン付近のこびり付いたグリス汚れから溶接ビードのしわの中まで徹底的に!
洗剤で始まり、灯油、パーツクリーナーと段階を踏んで、白いウエスに汚れが付かなくなったら出来上がり。
全体の形状や各部の状態を緻密にチェック!変形や欠損だけでなく細かなクラックが無いかを隅から隅まで。
さらに、疑わしい部分については、塗装を剥がして確認。
洩れなく問題点を抽出し、作業手順を考え、時には、これは無理って場合もあるわけ。
もちろん、手間とコストが釣合うかどうかは、二の次三の次って定め‥‥‥それが REBORN のルール!
 
E型?フレームは、シートレール部が脱着式に改造されている。
というわけで、元レーサーという事なんでしょう。
溶接部の塗装を剥がしてクラックやブローホールを入念に点検。
元レーサーという事で、やはり有りました!
ハンドルストッパーの欠損!
転倒して折れたか、邪魔でわざと叩いて飛ばしたかは不明。
まずは、ストッパーの修復からスタート!
そこで、「これでも復活〜?」でリタイヤしたフレームの出番。
ストッパー部を切除後の残骸でも、捨てるわけには‥‥‥
移植用のピースを試しに合体!
ピッタリと元と同じ状態に形状を合わせました。
この後、溶接の為に研磨と形状修整(開先加工)が施される。
溶接後にワイヤーブラシで掃除後のハンドルストッパー部
盛り付けられたのではなく、溶かし込まれて一体化している
シートレール取付部に残されていた切除の痕跡
取付部の足として補強に利用されず無用な出っ張り状態!
余分な物は滑らかに削り落とすのが常道
ビードを削らないように4ヶ所とも同様に実施(写真は別箇所)


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