再生工程
  

半端なく削れたジェネレーターカバー
エンジン

エンジンといえば、再生の中心部分となりそうだけど、実は、一番手間いらずだったりする。
しかし、バイクのエンジンと言えば、高性能が売り文句で、特に、9RのようなSSならなおさらなはず‥‥‥?
NAでリッター当り150馬力以上のパワーを叩き出しているのだから、自動車ならレーシングエンジンそのもの!
ところが、そんな高性能エンジンを一般ユーザーが普通に使用出来るように量産してしまうメーカーの力!
お陰で、長期保管後でもやる事って本当に少ない。
とりあえず載せてみないと〜って部分もあるけれど、実際、事前にする作業と言ったら
外観やプラグを点検の後、シフトが作動してクランクが回れば、キャブのOHをして載せてしまう。
そんなメーカーの技術力や、そうそう忘れてならないのが出品者を含めてここに至る間の保管に留意した人々の心!
その恩恵を受けた結果のエンジンが、REBORNを支えているのは間違いない!

ところで、このエンジンもフレームと同じくレーサー上がり?
上の写真で一目瞭然、転倒傷が半端じゃないしワイヤーロックの切れ端もぶら下がっている〜
もしや、ポート研磨でもされていたら儲けもの‥‥‥いやいや、ノーマルこそベストだし、滅多にされてない〜
何となく淡い期待感が捨て切れてないようだけど、本当に本当にノーマルがベストです!
エンジン本体への加工は、特性や耐久性に大きな影響を及ぼす為、ストリートユースでは覚悟の上で!
せいぜい吸排気系の変更程度で楽しむのが賢明〜 それ以上を楽しみたいなら?
違うマシンに乗り換えて下さい!今の時代、上位機種には困らないでしょ?
というわけで、こんなに大作業であっても、余分な事はやらない!!
それは、普通に動いてくれれば、持て余す程の高性能を楽しめるという信頼があるから〜♪
メーカー品質やオリジナルの性能を軽視して、この際とか、ついでだからとか、金目のパーツが盛り込まれる事はない。

こんなREBORNは、逆にDIYでしかなしえない?
い〜え、お金が無いので、そのまま載せるのが精一杯なんです〜 ヘッドを割るにしても、ガスケット類とか凄いパーツでしょう?(笑)
としても、責任重大(自己責任だけど)〜安全な乗り物たる根幹の部分であって、安易な知識や経験、技術力で手を出してはいけない!!

<作業ハイライト>

ベンチュリー内から流出するキャブクリーナー
ジェット類だけでなく、通路やポートも洗浄!


ちょうど4連キャブが納まるステンレスバット
細かいパーツを落としても各種溶剤にもOK


取外されたジェット類を1個ずつ確実に掃除する
@メーンジェットホルダーAメーンジェットBスロージェット
 
エンジンからキャブを外すと僅かにガソリンがこぼれて、ヤバイ!
案の定、フロート室内は劣化したガソリンの添加物が凝集〜
メーンジェットは、緑色の付着物で覆われている
分解掃除作業は、ケミカルとツッツキの併用で
作業はNSRのキャブ事例を参照

手押し台車の上に車体から下ろされたエンジン
バイクのエンジンは軽いとは言え、エンジン、ミッションがコンプリート状態だからホイホイとは持てない。
きちっと重心を抱え込んで、ヨッコイショって持ち上げるのがせいぜい。
だから、安物の150KG積みの台車は、ギシギシと数字に掛け値有り状態〜!
移動する際には、安定するように噛まし物を入れてロープでホールドしないとガタン、ゴロンって破目に。

単品エンジンの手入れは、この状態からスタート。
まず、キャブレターのOHは必須!
そして、各種ホース、ワイヤーハーネスを1ヶ所ずつ確実に点検する。
スパークプラグは、単に消耗品の交換という事ではなく、エンジン本体の状態を知る上で重要。
各シリンダーの燃焼状態の履歴がわかるだけでなく、プラグホールから直接ピストンヘッドを見ることも出来る。
その他には、クラッチのリリース機構やミッションのシフト機構であったり、動かせる部分は動かしてみる。
まあ、こういった点検は、ほとんど確認だけ状態って事で、積んでからの致命的な不具合発覚を避けるのが目的。
だから、1ヶ所ずつ完全整備をしていくレストアとは異なり、もっと気楽な再生ってわけ!
もし、不具合が見つかったら〜?
さあ、クランクを割るような事をするか、それとも、次のエンジンが出てくるかはガラクタの山に聞いてみないと〜(笑)

結局のところ大きな問題もなく、作業は、化粧直し程度で完了!
左右のマグネシウムカバーの転倒傷については、ガラクタの山からスペアパーツがゴロゴロ。
しかし、それぞれにステンレスガードを取付ける事で傷隠しと一石二鳥でパーツを温存〜♪
あれあれ、ボンビーが染み付いて、これじゃあガレージが片付きません〜(汗)
でも、お金をかけずにアイデアと工夫で、少しばかりの個性を演出するって、DIYならではの醍醐味!!
手間が個性に昇華する‥‥‥それが REBORN のルール!
 
エンジン左側面のジェネレーター用ガードの製作
ステンレス板をカバーデザインに似せて打出す
素材からケガキ線どおりに板金バサミで切取る
0.8ミリ厚の硬い板は、倍力式のハサミで
周囲の切り口は、ハサミのギザ付き歯で鈍くざらついた状態
さらに、路面や手に引っ掛けたりしないように曲げ加工も
エンジンへの取付けは、コーキング接着による簡単な作業
ガードの有る状態でも、本体の脱着には全く支障が無い
エンジン右側面のクラッチケースにも擦り傷が 傷は下から上、前から後ろと複数回の転倒を物語る
形状に合わせて、同じくこんな感じに製作 オイル交換含め整備性に支障の無いように同じく接着
エンジン本体のアルミ合金が真っ白に腐蝕
ヘッド側面をちょっと磨いてみたら〜
ちょっとやりだすと中途半端で止められない〜(汗)
その結果が、TryR2でいう「しっとり手入れ」!
オリジナルデザインを踏襲したステンレスガードの付いたエンジン
どんな性能を発揮するかは、車体に積まれてからのお楽しみ〜


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