事例紹介 |
木製スイング窓作り(樹脂ぺア構造) | |
設置された迫り出し窓の例 壁開口部に合わせて自由に設計可能 インテリアにも楽しいアクセント カラーリングで非日常の雰囲気を演出 おしゃれな出窓 組合わせ窓でスペシャルな窓辺 (上記2例は、犬小屋建築?プロジェクトより) インテリア小窓 窓を室内空間でも活用 (おすすめDIYより) |
<窓作りに際し> 木製窓は、枠自体の熱伝導率の低さによって外気温が伝わり難く、結露しにくい長所があります。 また、木材の加工性の良さにより、建物の表情や使用用途に応じた様々なデザインを選択出来ます。 一般的なアルミサッシにも、現在では様々なタイプやデザインの物がラインアップされています。 その結果、街並みの家々が個性豊かな表情を見せてくれます。 以前なら、大きな引き違い窓が当り前だった部分に、小さな窓が不規則に沢山配置されていたり‥‥‥ 窓に求められる機能には、採光、通風(換気)、眺望、通路(掃出し窓)等があります。 ところが、建物のデザイン面が先走り、窓のデザイン面ばかりが重視されると居住性を損なう事にもなりかねません。 最近、プライバシーの保護やデザインの個性化という見た目に訴え易い外観プランが増えています。 しかし、その結果、環境に対して閉鎖的なエネルギー依存型の住宅となってしまっているように思います。 それが、都会の市街地住宅のように、立地環境から生じる必然であれば致し方無い面もあります。 ところが、隣地に建物が建つ可能性が全く無い好環境にあるに関わらず、小さな縦長FIX窓を複数配置しているようなプラン等、何故?といったデザインにしばしば出会います。 採光、断熱(ペアであれば)、プライバシー確保、という点では、目的を達しているのかもしれませんが、通風(換気)の面ではどうでしょう? 高断熱、高気密住宅とはいえ、人間が生活する限りは、温度、湿度の変化や空気の汚れは生じるわけで、四季に恵まれた日本において、当初より空調システムに頼るプランは如何なものでしょう? しかも、そういったプランでは、身近な問題として、汚れたガラス面を簡単に掃除する事も出来なくなっている場合も多いのです。 窓と言うのは、図面だけでイメージするのは難しいものです。 それどころか、実物に接しても、間取りのように体感する事が出来ないかもしれません。 それは、風や太陽の動き、さらには四季の変化といった動きの有る状況に対してこそ、真価が問われるからです。 だからこそ、安易なデザインや無難な策を選ぶ事なく、熟考に熟考を重ねて最善の窓プランを目指して欲しいのです! この事例集では、多種多様な窓について全てを紹介する事は出来ません。 しかし、たとえ小さくても、適材適所で機能的に検討された窓であれば、住まいの環境改善に大きな効果を発揮出来るものです。 簡単に言えば、大きな浴槽には小さな排水穴が一つ、底に有るだけです。 もし、これが側面に有れば、大きくても全てを排水出来ないかもしれません。 窓にも同じ事が言えます! 防災、防犯、防音、断熱、抗UV、プライバシー確保‥‥‥ 開口部に対するマイナス要素が、優先されつつある現代。 だからこそ、デザインばかりに目を奪われるのではなく、小さくても力の有る窓を配置したいものです。 この事例集によって、窓のメリットとデメリット、さらに、機能とデザインのバランス、それらを充分に検討して頂くきっかけになれば‥‥‥ しかし、機能的に確立されたアルミサッシをいきなり自作に取替えるという考えは、失う物も少なからず、現実的ではないかもしれません? ところが、そこまでではなく、もし、居住性改善の為にインナーサッシ(後付二重サッシ)を取付けたいと考えた場合だとしたら? 樹脂製のインナーサッシと自作木製インナーサッシとであれば、遜色は大して無いかもしれません! また、外壁ではなく、間仕切壁に窓を設けて、通気、採光の改善や空間の連続性といった窓のメリットを活かす事等、特に、自作ならではのアイデアと言えるでしょう。 まずは、無理なく自作のメリットを活かし易い部分から そして、いずれは、リフォームやセルフビルドの際に、窓の自作という選択肢が加わっていく事を期待しています。 |
<事例紹介では> 木製窓といえば、昔はそれが当り前だった〜! 木の枠に溝が削ってあり、小さなガラスが数枚集まった戸がガタピシと動いて‥‥‥ 時々、引っ掛かるからガツンとやりたいんだけど、下手するとガラスが抜け落ちそう〜(汗) 真ん中に片手を当て、下の部分をそ〜っと、もう一方の手で引っ張ろうとすると〜 急にガクンと動いて、ビシャンと手を挟んでしまった〜!(涙) 開け閉めに苦労するほど、キツイ窓のくせに、閉めた状態ではガタガタと一番ガタが有る〜(笑) 「そんなイメージで、良いですか〜!?」 まあまあ、それは、昔話としませんか?今は、とっても良い木材保護塗料が有るから‥‥‥腕は二の次でも〜(爆) では、本題! 窓作りで問題になるのは、一番に水密性の問題。 そして、それと同等に重要な点は、耐久性です。 それらは、各種形態の窓に共通して有り、基本的な問題と言えます。 その為、一つのスタイルを見出せば、多様な形態の窓を作れる事になるわけです。 窓には、大きく分けて三種類の形態が有ります。 一つは、枠の中で摺動するタイプであり、残るタイプはスイングするタイプとFIX(はめ殺し)窓です。 摺動するタイプには、左右引違い窓と上げ下げ窓が有ります。 スイングするタイプには、縦すべり出し窓、天窓、排煙窓、特殊なものとしてオーニング窓やルーバー(ジャロジー)窓も含まれます。 さて、この事例紹介のテーマは、スイング窓となっていますが、それにはわけが有ります。 その理由は、基本的にスイング窓の方が水密性を確保し易く、自作に適した構造だから! アルミサッシで最も一般的な、引違い窓のような摺動タイプでは、閉じる圧力は戸当り部分と重なり部にしか発生しません。 ところが、スイング窓は、窓枠に全周を密着させて閉じる構造である為、ハッチと同様に防水シールの効果が高まります。 いくら上手く出来ても、将来の防水シールのへたりや、窓障子の多少の歪みが生じるものと考えねばなりません。 しかし、そのような場合でも適切な金具であれば、充分な性能を維持出来たり、簡単なシール材の取替えによって、水密性を回復する事が可能です。 その他にも、スイング窓には、自作に適した面が多く有ります。 一つは、引違い窓に比べて半分のサイズで同じ開口面積が取れる為、より小さく作る事が可能となり工作がし易い事。 次に、使用形態に応じた各種スタイルの窓が、スイング窓という同様の工作技術の中で製作出来る事。 さらに、窓枠と一体で製作する為、金具やシール材を含めた窓全体の作動を確認しながら製作出来る事。 また、窓枠と一体化した完成状態で取付する為、取付け時の狂いも生じ難いと言えます。 以上のような観点から、比較的小サイズのスイング窓の製作事例を取上げています。 最後に、どうしても不安が残ると思われる耐久性の問題! 正直、これは、相手がアルミサッシですから敵いません〜! しかし、現在、当り前に手に入る木材防腐塗料をしっかりと塗装する事で、数年〜5年程度は問題なく使用出来るはずです。 そして、その期間内で再塗装を含めた手入れを行えば、長期間の使用も可能となります。 仮に、修理や一部の取替えが必要となった場合でも、一度作った実績が有るわけですから‥‥‥ それまでの経緯を踏まえて、さらに良い物へとバージョンアップするのは必至! とは言え、水密性と耐久性については、製作時に設置条件とのマッチング、対策を充分に研究して頂きたいと思います。 軒が深く、風当たりも弱いという条件に越した事は無いのですが、その逆の場合の方が多いのではないでしょうか? そのような条件の中で、住まいの居住環境を改善しつつ、触ればもちろん眺めただけでも楽しくなるような‥‥‥ 是非、小箱のような可愛くてアイデア溢れる小窓を自作されてみる事をお薦めします。 |
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