浴室全景



 

天井まわりでの大きな変化は、傾斜の違い。
リフレッシュ後の天井は、換気扇を取付ける為に外壁側へ低くしている。
換気扇は、元の外壁面に唯一開いていた換気ガラリを排気口として使用し、洗面所との2ヶ所換気を実現。
その為に排気口を天井裏へ隠す事となり、反対側を高くして空間容積を稼ぐと共に水切れを良くしている。
天井はバスリブで仕上げ、下端には水切り部材、残る3方は回り縁で納めている。
天井の下地は、軽天スタッド組み浸透性シーラー2度塗りのケイカル板捨て張り
断熱材は角スタッド上部にも敷き込んだ発泡スチロール40ミリ厚の2重構造。
隅々をコーキングでシールし防湿層を兼ねている。
さらに、金属下地ゆえ下地組みの要所に熱橋対策を実施。
また、排気ダクトも勾配と断熱処理(グラスウール巻付)に留意し、内部結露水の低減と排水を確実にしている。
浴室は、防水性仕上げ材から下地、断熱材と全てにわたり吸湿性や防水性に考慮。
その結果、2重3重にシールされる事となり、むしろ、コーキング材の硬化過程に配慮が必要な程。
外気に触れず密閉された中では、硬化不良や発泡ウレタンに至っては再度液化する場合がある。
尚、浴室周りのコーキング材には、すべて、変成シリコンシーラント又は、防カビ材入りシリコンシーラントを使用。

*写真中で、換気ガラリは室内側、軽天スタッド組み及びダクトは断熱処理前の状態

<補足説明>
換気ガラリ 雨水の浸入を防ぐ為に格子をルーバー状にした換気カバー
バスリブ 樹脂製浴室天井仕上げ材。縦リブのデザインにより強度や水切りを向上させている
浸透性シーラー 塗料下地塗りとして素地調整や密着性を高め、浸透性が良く脆弱な素地を強化するシーラー
ケイカル板 珪酸カルシウム板の事。軽量で燃え難く吸水性が低い為、キッチンの壁下地や軒裏など広く使われる。
角スタッド 間仕切りや天井用の鋼製軽量下地材。C型に比べて捩れに強く精度の良い下地を作れる
(角スタッドを受けるU型材はランナー)
熱橋(ねつきょう) 金属のように熱伝導率の高い物を断熱層で絶縁出来ず、熱が貫流したり断熱効果を低下させる状態。
注)以上は私見につき、正しく知りたい場合にはご自身でお調べ下さい。

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