浴室全景



 

たとえ在来工法とはいえ、仕様性能はシステムバスに遜色なくしなければ。
そんな基準で材料は、吟味されている。
システムバスでは、機能的な浴槽が当り前のように用いられている。
しかし、単品バスはどうだろう?
一部に装飾的なバスはあっても、機能的な物は時代が止まっているかのように見当たらない!
そんな中で、数少ないバスがこれ。
底には滑り止め加工が施され、グリップに加えて縁までが握りやすい形状になっている。
しかも、その形状ゆえ、一方ではあるがエプロン付となっており、危険なタイルの角がその分少なくて済む。
加えて言えば、カウンター部を三角形状にしているのも床を広げるだけでなく、その考えも込められている。
洗い場側には、タイル面の角を作らず、狭い余地側だけに留めている。
このカウンター部分には、上部に斜線と平行に手摺を取付ける事が出来るようにとも考えている。
その時には、タイルの角の危険性はさらに軽減される。
万一の時には間に合わないのだが、現状では、必要ないとの意見を尊重している。
単に、垂直にタイルを貼れば面白くないとして、三角は、デザインの遊びではなくそんな意味を持っている。
次に、在来工法で問題になるのは床!
システムバスなら、乾きやすくて冷たく感じ難いのが当り前の性能。
それに匹敵する方法は?
さすがにそれは無いし、張り合う必要も無いというか、おかしな事をして在来工法の良さを失ってはならない!
巧くかわせば良いのだ。
タイルで冷たく感じさせない?いざとなれば、バスマットを敷いて貰えばこれに勝るものは無い!
とはいえ、幸いバスマットの必要性を感じていないとの事。
このグリップフロアタイルは、相当な優れものには違いない。
1枚の形がドーム形状で、表面に水切り用の細かな溝加工が有る為、足裏にピタッと触れる水気もタイルの冷たさもあまり感じない。
そして、見えない部分では、軽量コンクリート下地としている。
ちなみに元のかさ上げ部分は、想定外の土!とガラ入りコンクリート?だった〜!
水切れという部分では、排水グレーティングも有効に働く。
壁際には梁が有る為、レイアウト上、浴槽際がベストなわけだが、スラブ形状の予測が当たり設置出来た。
長さを80センチにしているのは、蓋を踏まずに風呂の出入りが出来るように。
壁、天井は、複合材だからシステムバス並みの性能を保有する。
もちろん、目地等の処理、否、処理以前の施工精度があってこそと言えるわけだが。


<補足説明>
システムバス 建物内に組立てるパネル状に製品化された浴室ユニット
エプロン 浴槽の垂直面の外板で、埋込み式は半エプロンと呼ぶ
カウンター 浴槽の縁の水平部分とそれに続く台状の仕上げ
軽量コンクリート 砂利の替わりに軽量骨材を用いたり、モルタルを発泡させたもの(軽量気泡)
排水グレーティング 蓋付の排水溝の事。本来は細かい格子状の溝蓋の事(建築土木関連)
スラブ RC造での配筋されたコンクリート床
複合材 表面材と下地材のように複数の素材を合わせた多機能材
注)以上は私見につき、正しく知りたい場合にはご自身でお調べ下さい。

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