事例紹介
 
 
  
テーマ
写真 内容
  

ガンマ復活プロジェクト 

   番外編2

  
パテで凹みやキズの修理が出来れば、いよいよ塗装の開始です。 

そして、塗装の第一歩はマスキング! 
給油孔やブリーザー、コックの孔をマスキングテープで塞ぎます。 
隙間なくピッタリと貼ってから、輪郭をカッターで丸く綺麗に整えます。 
カッターは、ロータリーカッターとかデザインナイフ等がいいかな〜? 

さあ、次はスプレー塗装〜!の前に、塗装面の脱脂です。 
脱脂スプレーやペイント薄め液でまんべんなく、細かい所には洗いカスも残っています。 
拭き取りに使うウエスは、塗装専用ウエスかキムタオルなどのペーパー。 
普通のウエスやティッシュでは、繊維くずがいっぱい付着してしまいます。 
スプレー、ペイント薄め液、マスキングだけじゃなくて、専用ウエスも忘れずかごの中へ〜! 
ホームセンターでマスキング類と同じ棚に並んでいるはず。 
  
さあ塗装となってから、やっと、スプレーに順番がまわってきました〜! 

下塗りのサフェーサーは、下地を作る物。 
それは、どういう事か?って 

まずは、錆び止め効果があります。 
タンクが変形し凹みはパテでも、出っ張りは? 
大部分は叩いて戻しても、多少は削って仕上げる部分が出てきます。 
その為、鉄板下地用とか錆び止め効果と書かれている物を選びます。 
次に、平滑にする効果です。 
上塗り塗料よりは塗膜が厚い為、細かなヤスリの削り目やパテとの段差をぼかします。 
そして、表面がざらついており、上塗り塗料の付着性をよくします。 
さらに忘れてならないのが、カバーリング効果です。 
下の色を隠すって事です。 
綺麗に上塗りしても、元の色が影響して違った色合いになったり、パテが透けて見えたら喜べませんよね〜! 
 

サフェーサー塗装から     
さあいよいよ! 

片手で缶スプレーを振りながら、もう一方の手でエアブロー。 
いくら専用ペーパーといっても、どうしても繊維が残っています。 
そして、近づくハエ、蚊を撃退! 
な〜んて、調子に乗ってると多分痛い目にあいます〜 

すっかり元の状態がわからなくなりました! 

サフェーサーを2度塗りして充分乾燥させ、#1000で軽く水研ぎ。 
これを2サイクルやってます〜! 
程度が悪ければ、4サイクル!  
でも、決してロータリーにはならないように〜!?  
えっ!その意味?  ‥‥‥閑話休題 
 

そしてシルバー塗装   
塗装は、取り巻く環境が第一! 
チャンスな内にさっさと作業を進めます。 
  
グレーのサフェーサーの上に、シルバーのサフェエーサーを重ね塗り。 
これは、上塗りの発色が良くなるようにしています。 

最初からシルバーでやればいいような? 
ところが、シルバーの方が塗膜が薄く、価格も割り高なんです〜 

と、ここまでで、元色を別にしても5層になってます。 
  
次は、いよいよ上塗り 
ディトナ MCペインター(缶スプレー)の出番です。 
 

上塗りスタート!   
缶スプレーは、30秒とされていたら2〜3分というぐらいに、しっかりと上下に振って色を撹拌します。 
そして、塗装中も合間には、振るようにします。 
  
振り終わったら、まずキャップを外し周りのビニールを全部取りましょう。 
細かい事ですが、ビニールの切れ端がノズルに触れたりタンクに触れたり‥‥‥ 
そして、段ボール等で試し塗りをして出具合、パターン、色を確認しておきます。 

それでは、上塗りのスタートです。 
まず始めに、塗料の付きにくい縁や凹み等の部分を塗っておきます。 
溶接部、給油孔、ブリーザー、プレスの角等。 
底までしっかり塗り直す場合は、そこも先にです〜 
 

ほぼ出来上がり?     
付きにくい部分を一通り塗り終わると、このとおり完成? 

そんなものですか〜!? 

い〜え、ここからがスタートです。
一見、全体に塗れているようですが、実はざらざらの状態です。
この上に、綺麗な艶のある塗装をしないといけません!

しっかりと重ねながら、ワンストロークずつ正確に、そして全体を手早く仕上げる。 
簡単なようでなかなか難しいものです。 

それを少しでも簡単にする為には? 
まず一番大切な事は、全体の各面をどう塗るかというイメージトレーニングです。 
思いつくまま、目についたままに塗っていけば、重なりも適当でムラだらけになってしまいます。 
また、缶スプレーは、塗料が減ってくると傾けただけでも、途切れるようになります。 
途中でふいに途切れたりしていると、やはり同じようになるでしょう。 
タンクは、吊るして塗るのが最適ですが、写真のように置いて塗るとしたら? 
上の平面を面と平行に塗ろうとすれば、缶を水平に傾けないといけません。 
という事は、新しい缶の使い始めでないとダメですね。 
ところが、側面は缶を垂直で塗れますから、使いさしでも構いません。 
そういった事を踏まえて全体をイメージするわけです。 

それが出来れば、後は、吹くのみ! 

面に対して平行で一定スピードに。  
吹き始めと吹き終わりの飛沫は面から外して。 
ノズルワーク(押し加減)は、一定に(普通は全開)。  
ガスの圧力が弱くなったら早めに次の缶へ。  
ノズルの滴は、その都度拭き取る。  
万一、虫が付いても垂れてもあわてず硬化後の手直しで。 
といった調子でやれば、きっと綺麗に塗れるはず〜! 

さらに上手くなる為には、数をこなして慣れることしかありません。 
 

上塗り完了!     
スズキの純正ブラックは、ブルー系のメタリック色で、とっても深み(ほとんど黒!)のある色です。
パールノベルティーブラック! 
サイクルワールドで調べてもらって、もちろん取り寄せで。 
実は、塗るまでちょっと不安が‥‥‥ 
名前にブルーが付いてないけど、深い青味が出るのかどうか? 
一応段ボールでは、試してみたけど‥‥‥ 

果たして出来上がりは〜? 
普通に見れば、黒色にしか見えないかも? 
でも、ストロボで反射した部分でそれがわかります。 
良かった〜! 

続けて2度塗り後に、丸一日、充分乾燥させてから再度2度塗りで、計4層。 
重なりも考えたら何層になるやら? 
この後、1日おいて、クリアー塗装で仕上げです。 
 

ウレタン塗装でフィニッシュ!   
ガソリンタンクの仕上げ塗装は、クリアーはクリアーでも耐ガソリン性が必要です。 

で、御存知? 2液ウレタン塗装です。 
一度硬化剤を混ぜてしまうと、24時間以内で使い切りが条件です。
ちょっと高いけど、艶と強度はバッチリ! 
そして、化学反応で塗料が硬化するため、ラッカーのようにガソリンで溶けません! 

そうそう、忘れてた!  
ロータリーが気になっているあ○たの事!  
で、その意味は?  
ちっとも納得出来ずにバンケル(晩蹴る)!  
でした。  
えっ!?  
何サイクルかわからない程やる事に!?  
う〜、そ、それも正解です〜!  
むしろ、そのDIY魂 ‥‥好きです〜!! 
 

取外したパーツの出番です    
これは、フューエルコックです。 
長い短い2種類のパイプの先端にメッシュフィルターが付いています。 

短い方は、リザーブコックでタンクの底の方から吸います。 
ここで、フィルターの掃除は当然として、さらに突っ込んで! 
それは、パイプの中〜 って何でだろう? 
細かなメッシュで濾されているはずでは? 
確かに、エアフィルターの内側にも細かい埃が付いているけど‥‥‥ 
でも、メッシュを通過した物は、そのまま流されていくのでは? 

詳しい事はわかりませんが、溜まっているのは事実です! 
切替えレバーを取外し、その奥にある樹脂製のバルブを外して掃除します。  
 

ここまでしないと!   
奥に見える穴が塞がる程、赤茶色の細かな錆が溜まっている事があるんです。 

タンクへの取付に際しては、ガソリンもれに注意します。 
ガソリンを止めているのは、タンクとの接触部にあるラバーパッキン、取付けビス部のラバーコーティングワッシャ、レバー部のOリングです。 
古い物はへたっているので、取付部とビスには耐ガソリン液体シールを塗ったほうが無難。 
給油後にもれがないか、しっかり確認します。 
 

タンクと合体を待つのみ?   
後は、タンクを待つばかりのファイターウエポン! 

この姿でずいぶんと待たされました〜  
なぜか、エアクリーナーの部分にターボフィルターと顔黒パネル?
(単に物置になっていただけ〜)

かっこいいで〜!   
  
出来上がったタンクは、塗装のみでステッカー類は一切なしです。 
虚飾を排した潔い姿〜! 

別に、商品車であるまいし〜  
これは、経費削減〜だけではなくて、手間も削減してくれる賢い選択! 

1号機がちょっとお宝っぽくなっちゃったしね!
とかなんとかいいながら、手抜きとも言う? 

 

  
 ガンマ復活の2号機は、最後にガソリンタンクを修理する事で、無事現役マシンの仲間入り。
 いくら、イリジウムプラグにAPロッキードにカストロールって事でも、外観は大事です。
 特に、速いマシンは美しいって言うしね!
 もう直せないって場合は、今回のように、程度のましな物を利用させてもらうのも得策です。
 出品者の方、お陰さまでこのとおり、1台のマシンが生き返りました!
 もし、皆さんの手元で眠らせているパーツがあるなら、オークションで役立てれるかも?
 それと、眠らせているマシン‥‥‥
 月日が経つ程に、相当な覚悟で臨まないと復活させれなくなります。
 もし、そのつもりがないならば、1日でも早く流通に出してあげたほうが‥‥‥
 それがマシンである愛機にとって、最善であると思います。
 もちろん、強い意志と愛情で復活させてやるとなれば、
 それは、最高の楽しみとやりがい、
 何よりもかけがえのない人生のひとときを与えてくれるに違いありません!

 話はここまで、まずはカバーをめくって愛機の顔を見てやってください。
 何て話しかけてくるでしょう?

 きっと、そこから新しい世界が動き出す〜
 
 いざ出撃の時  
 
戻る バイク事例トップへ 事例紹介トップへ