小さくても水辺のある暮らし |
庭の景色にこのうえない変化を生み出す水辺 |
||
|
||
野趣あふれる水辺の様子 | ||
最近、自然趣味の庭が増えております。 イングリッシュガーデンに代表されるガーデニングブームのおかげでしょうか? とにかく、街に緑の空間が多くなる事は、喜ばしい限りです。 しかし、元々、日本の庭は、土、緑、石、水を用いて正に、自然の景観を再現しようとした物でした。
庭に池を作るって動機は、そんな庭作りのステップという事ではなく、イケイケでいいんじゃない!?
ひょうたん池でもかまいませんが、ある程度以上の水量で出来れば埋込んで設置したいものです。
でも、そこまでするなら、いっそ御自分で好きな形に作っちゃいませんか?
手軽に作れて、しかし、小さな生き物が暮すには充分で、しかも野鳥や自然の生物が集まってくる‥‥。
それでは、砂場でも作るような気軽な気持ちで、レッツトライ!
|
小さな池の簡単な作り方 |
ポイント | なぜ? |
大きくしないで深くする | 大きな鯉を泳がすのでなければ、広さはいりません。
しかし、水量が多い程、水質や水温も安定しますので、小さくても深くがポイント! 他にも工事が簡単、水替えが簡単、魚は天敵から深みに逃げれる、何より場所を取らない!! とはいえ、作業性を考えると、しゃがんで手が届く程度(5〜60cmぐらい?)にしておきます。 |
排水栓を設けない | 池の底から勾配をとって排水するとなると、設置場所の条件や工事が難しくなったりと大変です。
排水を考えない事で、工事が簡単、しかも万一の水漏れで、魚が全滅する事もありません。 水替え時や掃除の時には、大きな池なら必要かも知れませんが、小さい池ならバケツで汲み出す事で充分です。 しかも、池の水を植え込みへの水やりに有効活用出来ます。 |
循環装置を取り付けよう | 池の側面に塩ビパイプを貫通させておきます。
パイプには、給水用の16〜20mmがパーツも揃っていて後々の工作に最適。 深さは中程に、万一水漏れしても空っぽにはなりません! 循環装置を取付けるまでの間は、水が漏れないようにキャップを取付けておきます。 貫通部は、モルタルを厚くします。 |
深さに変化を付けよう | 縁のそばに2〜5cmぐらいに徐々に深まる浅瀬を設けると、野鳥の水浴び場になります。
広さは、30cm角も有れば数羽で遊ぶ様子が観れます。 それと逆に、一段の深みを設けると、魚の越冬用の場所として、また、大掃除の時に水の汲み出しが大変しやすくなります。 広さは、洗面器程度は見込まないと、池を作る時に作業がしにくく、気が付けば深みが無くなっていたと云う事になります。 |
穴掘りはオーバーハングをつけるぐらいで | 穴掘りは力仕事です。
深く掘り下げるのは、簡単なようで意外と難しい。 随分掘ったと思っていても、計れば30cmといったところ。 そこからのあと少しが大変です。 でも、それと逆で簡単に掘れてしまう場所は、設置に適しておりません。
|
モルタルは金網を2重にいれて3cm以上に打つ | 穴を掘って、土を押し固めたら次はモルタル打ちです。
ラスと呼ばれている外壁用の金網を補強に使います。 切り売りの金網でも結構ですが、ビニールのかぶっていない物にします。 網は、全体に貼り、針金で土の面に固定します。 長さ10cmぐらいの太めの針金をU字形にし、重ねた網が面に沿うよう土に刺して、池の形を作っていきます。 土から網の表面までは、1〜2cmぐらいであればOK。 網が、浮き過ぎて手で押さえても、落ち着かない部分には、針金を追加します。
モルタルは、強度をもたせるため1:1程度の配分です。
|
モルタルは絶対に乾かさない | 下地モルタルが打ち終わったら、池を新聞紙やビニールで覆って乾かさないようにします。
そのまま、丸1日養生してから仕上げます。 なぜ乾かさないかという理由は、ひびを発生させないためです。 仕上げは、やはり1:1程度のモルタルですが、砂は、きめ細かい袋入りの物かフルイでとおして使います。 1〜2cmの厚みで一度で塗り上げ、やはり乾かさないように養生します。 半日程養生させて、再度1〜2cmの厚みで塗り重ねて仕上げます。 これで仕上がりとなりますので、コテむらが残らないように滑らかに仕上げます。 はけ引き仕上げでも細かい筋なら結構です。 作業後は、再度乾かさないようにして、以後は、1日置き程度に軽く水を打って、2〜3日養生します。 (縁を化粧する場合は、ここで作業に入ります。) 養生が済めば、たわしで大掃除して、早い様ですが、水を張ってしまいます。 モルタルは、乾燥して固まる泥と違って、化学反応で硬化しますので湿っていても(逆に早く乾燥するとダメ)完全に硬化して、再度柔らかくなる事はありません。
以上は、季節気温、設置場所の条件によっても変わってきますので、目安として考えてください。
|
縁を自然に仕上げよう | 池の本体が出来てから、縁を周囲の景観にあわせて化粧します。
レンガ、自然石等をモルタルでしっかりと固定します。 縁の上は、子供が必ず歩きます。 ポロッと取れないように、強度優先で美観を考えて下さい。 |
モルタルの作り方へ |
水質維持のために簡単な浄化装置を作ろう |
単に、水をはっただけであれば、よどんですぐに水が腐ってしまいます。 水草を入れ、水を循環させておけば防ぐ事が出来ますが、出来れば何か生き物を飼ってみたいものです。 例え小さなメダカであっても、ボウフラの住処になる事を防いでくれますし、何より生き物は心を癒してくれます。 とはいえ、生き物を飼うとなると、適切な水質管理が必要となります。 市販の循環装置ですが、水槽用は色々とありますが、屋外の池用となれば、庭園灯付とかの大型の物ばかりです。 小さな池では、少し持て余しますので、簡単な循環装置を作ってしまいましょう! オブジェや自然石等と組み合わせて化粧すれば、さらに素敵な水辺になります。 |
ニッソーのアイデア水中ポンプです。 使い方は自由の100V水中ポンプですが、本来は、循環フィルターセットの取替え用ポンプです。 |
エアポンプによるフィルターでしたら、容量が小さいために、水の汚れ易い季節では、毎日のように清掃しないと追いつきません。 それでも、週に1度、半分の水替えが必要と世話が大変な状態です。(一度に全部の水替えは、あまりしない様にします) |
貫通させていた塩ビパイプをつないで、池の上部に立ち上げ、池の中側には、キャップを外して水中ポンプを取付けます。 |
ストロベリーポットのハンギングタイプにフィルターをセット。 落ち口は、角度を動かせるので汚れるにつれフィルターを広く使えます。 |
フィルターは上から順に、粗い外部フィルター、グラスウール、活性炭フィルターと3層構造にしてあります。
ポットの植え穴周辺の隙間は、コーキングする事で、口から綺麗にオーバーフローする様になります。 |
水質が良く、酸素が豊富で水の流れもあります。 渓流魚のタカハヤが、金魚やフナと一緒に元気に暮らしています。 普段は、テトラフィンを食べているけど、たまにもらえるミミズがご馳走です。 |
自家製フィルターの手入れ |
見苦しいので写真を小さくしています |
|
およそ3ケ月ぶりの清掃です。 途中、粗いフィルターだけを数回、清掃しています。 目詰まりしてきますと、左右の出口の流れが悪くなって、中央の出口の水位が上昇してきます。 そのころが、清掃の目安。 そのまま放置すれば、中央からも流れ出るようになって濾過し続けますが、さすがに浄化力が落ちますので。 それにしても、回数が少なくて、とても助かります。 |
上部の粗いフィルターを取り外すと、グラスウールは一面茶色に汚れていました。 しかし、特に目詰まりしている様子は有りません。 グラスウールを取り外すと活性炭フィルターが出てきますが、 見かけ上では、ほとんど汚れていません。 活性炭フィルターは、バクテリアの着床として出来れば洗わないようにします。 水の汚れの化学分解は、フィルターやモルタルに付いた藻類やバクテリアがしてくれていますので、一度に大掃除をしてしまうのは禁物です。 |
グラスウールを崩さぬように丁寧に清掃し、ふんわりと広げます。 |
水中ポンプも簡単に取り外せますので、同時に清掃します。 |
ページトップへ戻る | ホーム |
|