事例紹介
 
  
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 クラックの点検

手入れの途中でえらいもの発見してしまいました!
飛び散ったチェーングリスの汚れを綺麗に拭き取っていると〜

しかし、こんなカギ状にクラック(亀裂、ひび)が走るかな〜?
溶接のビード(溶接材が鱗状に連続している部分)に沿うわけでもなく、ボルト穴に繋がるでもなく〜
この部分は、均一な厚みの素材なのに、まったく不自然な感じがします。
かといって、こんな風に引っ掻き傷を付けるとなると、なおさら不自然!

はは〜ん、アクスルボルトの穴も土で埋まっているようだし、以前に転んだ事あるな〜?
でも、何で他の穴は掃除が出来てるんだ〜?
まあいいか、ボルトの頭に穴が有るのをうっかり忘れていたのかもしれない。

ところで、そのクラックなんだけど、塗装が割れているのは間違いないとして、どこまで及んでいるんだ〜?
これが何ともわかり難い!
この部分の塗装は、表面がアルミ調のカラーで下塗りがブラック、そして素地はアルミです。
端の部分を少し擦ってみましたが、素地のクラックは確認できません。
 
 
 点検開始!

とにかく、目視ではわからない!
って、悩んでいても始まらないから、取り外しにかかります。
ダンパー取り付けボルトを外していたら、ベキッなんて?
一切、何事も起こりませんでした〜!
それじゃあって、点検ハンマーで叩かせてもらう。
でも、アルミだから鉄のようにはいかないけど、結構高い音でキンキン言ってくれてます〜
??、ならば、マジで壊すど〜って、ラバーハンマーでボコンボコン。
ダメです!
ラバーがボロボロになりそう。
 
 
 スイングアーム

取り外して入念にチェック!
 
ここまで、調べりゃ、ほぼ問題なしって言えるんだけど‥‥‥
でも、万一、ゴキッて壊れようものなら命が風前の灯火〜!
直線でリーン走行しないといけないかも〜?
なんて、笑い事では済みませんから‥‥‥

こうなりゃ、納得いくまで点検するしかありません!
もし、クラックだとしたら、スイングアーム全体、否、ダンパーもフレームも、み〜んな徹底的に調べないといけなくなる。
 
 
 主役です!

スプレー缶には、使用する順番に番号が打ってある
 詳しい取扱い方法は、実物で確認してくださいね!
 
そこで、今回の主役の登場です。
特別な装置も不要で、しっかりと検査出来るオンリーワンな優れ物〜!
染色浸透探傷法、昔はレッドチェックって言って、度々出番があったけど‥‥‥
色んな分野で製造技術も進歩し、自動車の点検基準からも外れてしまった。
最近では、折損とかひび割れて脱落〜なんて、起こらないんだろうね?!

いや〜、一部のバイクでは、脱落って良く耳にする話だぞ〜
でも、大方は、ネジやボルトが緩んでって事なんだろうけど。
じゃあ、Wナットにしたら、こんどこそ割れる?

そんなスリリングなバイクに限らず、転んだりとか、今回のように不気味な場合とかは、こいつでハッキリ白赤、間違い白黒つけれます!

ところで、使用したのは、コーザイのミクロチェックって商品です。
他のメーカーとか種類とかありますが、一般用で良いと思います。
ホームセンターでは、まずお目にかからないので、ネット通販が便利です。
この分は、モータスポーツ関連の素材等の販売で有名なトガシエンジニアリングにお願いしました。
代引きでOKなので、とっても便利で助かります。

(参考) トガシエンジニアリング
TEL 03-3774-4497  FAX 03-3775-1532
なお、下記のホームページは、サポーターさんによる公認ページだそうです。
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/tachi/bike/togashi.html

 
 
 検査の実施

  前処理(洗浄)
  ↓
  染色・浸透
  ↓
  除去(洗浄)
  ↓
  現像
  ↓
  判定
  
 そして洗浄
まず、最初は洗浄から。
検査しようとする部分の汚れや油分、錆等をしっかりと落します。。
(基本的には、塗料も剥がしますが、事例では極一部のみとしています)

この時、使用するのは、青い缶の洗浄液です。
でも、ムッチャ汚い場合は、事前にパーツクリーナー等で綺麗にしておいた方がベターでしょうね。
しっかりと汚れを落していないと、見えない程のクラックだから上手く浸透しないかもしれません。
また、後々、汚れから染料が浮かび出て不鮮明でわかり難くなります。

次にするのは、染色・浸透で赤い缶のスプレーです。
この染料の浸透性と流動性は、当然ですが、かなりのものです。
その為、関係ない部分には付着しないように、マスキングしている方が無難です。
検査する部分に、もし、クラックが有れば、染料が自動的に奥まで浸透していくわけです。

浸透に要する時間などは、商品ごとの使用法に基づいてください。
写真では、撮影の為に面を起こした事で、タラタラ〜って流れ落ちています。
 
そして、真っ赤なままでは、何もわかりませんから、洗浄液で染料を洗い落します。
この時、クラックの奥に浸透した染料は、洗い落ちずに残っているというわけ。

そして、いよいよドキドキの結果発表〜!
現像です。
検査箇所に、緑色の缶の現像液をスプレーします。
現像液は、まるで霜のように真っ白でよく付着します。
そして、もし、クラックがあれば、染料を吸い出して表面を赤く染めます

以上で、作業は終わり。
それと、説明してきた理屈でクラックが見えるようになるわけだから、吸い込みの有る素材には使えないってことですね!

吸出し現像に要する時間なども、商品ごとの使用法に基づいてください。
 
 
 異常な〜し!

暫くたっても、まったく何の変化もありません。
クラックなら、クラックの形に赤い線が浮き出ます。
ヤレヤレ、でもこれで安心して使用する事が出来ます。
もうほとんど、スイングアームを交換するつもりでおりましたから。
こんなに安くて簡単な方法で良否がわかるのだから、もっと活用しよう!
 
 
 完了


無事に何も異常がなかったので、洗浄後にペイントスプレーで修整しました。
それにしても、カギ状の塗装の傷は、どうやって出来たかは謎のまま〜
確かに無理な力は加わって、ペイントが割れただけで済んだのか?

でも、何もせずにペンキで隠しただけの場合と安心感が違うから〜

そうそう、ボルトの頭の土は、蜂?の巣でした〜! ヤラレタ〜
 
 
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