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クランクケース修理 |
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これは、デブコンメタリックパテっていうエポキシ系補修材
連続使用温度160℃が決めてです〜
ちなみに、一般にエポキシ接着剤って売られているのは、大体が使用限度120℃。
だから、エンジン部分に使用するには、不安があります。
デブコンメタリックパテは、アルミの微粉が混ざっている為、磨けば金属調の光沢が出るメタリックパテの1種。
でも、普通のアルミホイール補修パテとは、強度がかなり違うようです。
まだまだ店頭で買うのは難しいですが、工具のストレートでは8000円程のお買得価格で販売されています。
一般的には、この200グラム入り3点セットで1万円程します。
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欠損してる〜! |
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容赦なしにもぎ取れています。
ここにデブコンを肉盛りして、タップを立てれば完成ですね〜?
確かにそれも有り!っていうか、普通はそうでしょ?
でも、ここからが、日頃鍛えた臆病神の腕の見せ所〜!
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2段仕掛けがミソ! |
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欠けた部分に何かが置いてあります。
これが、超超ジュラルミンの7075材の丸棒!
で、今回の準主役ってところです〜
切ったり削ったりする時、まるで鉄〜!
元よりオーバークオリティーなぐらい?
そんな丸棒にネジ係を担当してもらって、デブコンの肩の荷を少し降ろしてやろうって作戦!
これで樹脂にタップを立てれるかどうかって、問題で悩まずに済む〜
デブコンならタップも大丈夫だろうけど、世の中には○カ力で締める人もいるかもしれない?
そんな時には、間違いなくボルトをねじ切ってあげないといけないのだ〜!
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失敗作? |
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そして、これがカバーに丸棒をボルトで締め付けたところ。
れれれ〜?センターが出ていない〜!と思うでしょ?
ところが、実際はごく僅かなオフセットです〜
カバーの外面がテーパーになってるんですわ。
でも、良い所をご指摘頂きました。
実は、センターを外しているのは、穴の位置なんです〜
上の写真をもう一度見て下さい。
丸棒の中心に穴が開いてませんよね?
センターをずらした位置から斜に‥‥‥僅かですが
そこがみそです!
仮に、センターであれば、ボルトを回そうとする力がそのまま丸棒の回転力となります。
その場合は、丸棒表面の付着力だけが抗力です。
ところが、センターを外す事で、丸棒は偏心運動を伴う事となり、容易には回転出来なくなります。
簡単なイメージですが、伸ばした右手の人指し指を左手で軽く握ってみて下さい。
右手は簡単に回転出来るはずです。
では、指を曲げながらではどうでしょう?
大きな力でも回転しないと思います。
その握っている力は樹脂の強度で、大きな力というのは締付けトルクです。
結局、同じ樹脂の強度でも、より大きな力に耐えれるって事ですね!
えっ?丸棒を削って平面を作れば、回り止めになるって〜
はい、そういったひと工夫が、隠し味じゃなくてみそですよ〜!
と言いながら、その方法を採ってないのは、何故〜?
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ガリガリと〜 |
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それでは、荒療治ではなく下地作りのスタート!
ドリルの先端に超鋼カッターを付けてギュイーン |
その2 |
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先端パーツを付け替えて、いよいよ仕上げ段階
丸棒を当ててみては、さらに削るの繰返し
この超硬バーは、角が有るので助かります。
あまり余分に削りたくないもんね!
デブコンが、沢山必要だから〜 やっぱり! |
こんな風に |
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上手く納まるように削れました。
でも、このフレークを何かに混ぜたくなるのは、自分だけではないはず〜
あなたも、相当なボンビーじゃなくてDIYフレークです?
(フリーク=ばか? ばかは、怒られるんでフレークのままにしておこ) |
クラックは広げて直す? |
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作業は、内外両面からクラックの方向に合わせて掘込むように行います。
クラックの断面は、外面から内面に向け奥から手前方向に斜になっていました。
(写真は作業後です) |
その2 |
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これは、前側の破損部を下から上向きに写したもの。
幸いな事に、クランクケース合わせボルトの部分までは、影響がありませんでした。
要するに、ケースの端のカバー取付部だけの破損だったわけです。 ヤレヤレ
少しでもキズは軽いに越した事はありません。
それでは修理の開始です。
細かなクラックのままでは、歪みを直せませんし、充填も出来ません。
その為、まずクラックをルータ−で削って広げます。
端から端までをしっかりと削り終えたら、当て金を使ってコツコツとハンマーで均します。
どうやら合わせ面は、面一に戻ったようです。
これをしっかりせずに充填してしまうと、カバーを締め付けた時にピシピシと圧縮であったり、逆なら引っ張りのストレスを生じてしまいます。
とはいえ、カバー取付け前には、オイルスト−ンで面の仕上げが必要です〜
では、接着部の下地調整をしていよいよ充填です。
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配合が大切! |
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それでは、いよいよデブコンの出番!
下地を掃除し、脱脂後に同梱の耐熱プライマを薄く塗ったら配合です。
2液配合タイプで大事なのは、硬化剤の分量と撹拌です。
しかも、チューブ入りで1対1の等量配合なら目分量って事ですけど。
瓶詰めで5対1なら、計るしかないでしょ?
そこで、上皿天秤ばかりで正確にってしたいところだけど、これでやってます〜
家庭用デジタル秤!
確か、980円ぐらいだったよ!
電池は、別だったかな?
ちゃんと1グラムから計れるから、こんな作業程度なら充分でしょ?
しまった!一押ししときゃ良かった〜
ブリスターパックの平らな部分を切取ってトレイにして、秤にのせて0グラムセット。
そして、主剤5グラムと硬化剤1グラムを順番に計量。
この秤の精度がどれ程だかわからないけど、0〜1の間は、計れないって事?
だから、少しずつ載せながら、表示が変わった瞬間で条件を統一して計量しました。
また、1グラムを計る際は、0〜1の時よりも5〜6の方が正確ではないかと、勝手な直線性理論に基づき主剤から順に計測。
980円のをせめて1980円並みにしようと、日々努力しているのではあります。
(ウンチクとしてもらって結構です)
といった具合で、正確な配合が重要って事をおわかり下さいね!
そして、攪拌もまたまた重要!
どちらもグレー系の色で混ざり具合がわかりにくいだけに、し〜っかりと混ぜ合わせます。
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2回に分けて |
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1回目は、丸棒をケースにしっかりと馴染ませる程度の分量で接着しています。
もし、一度で仕上げレベルまでやっちゃうと、万一途中でしまった〜とかの時に手が出せなくなっちゃいます。
でも、手を出さないといけないから、仕上げ部分まで汚くなってしまう。
最悪やり直しって場合なら、材料もそれだけ沢山無駄になるしね!
そこで、まずはしっかりと位置決めをして、仕上げは後から気兼ねなくって感じです。
それと、予めカバーに丸棒をセットした状態で位置決めすれば確実。
後からドリルで穴を開けるとなると、一発勝負ですからね!
そのかわり、離型材として、やはりブリスターパックを挟んでいます。
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しっかりと充填 |
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こちらもしっかりと!
エアが噛まないように片方からしっかりと充填し、はみ出した分をブチュ−って均します。
面の凸凹がない内側から確実に入れ、外側は広めにカバーしています。
ここは、ピンホールとか出来るとオイル洩れの原因にもなりかねません。 |
何これ? |
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2液タイプは、ラッカーの蒸発ではなく、硬化剤との化学反応で硬化しますので、温度が低いと反応が進みません。
冬の寒い時期は、貼るカイロでしっかり加温します。
この上から、タオルでくるんで一昼夜保温です。 |
2回目で仕上げ |
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しっかりと接着が出来たら、次は仕上げ段階です。
再度、6グラム分作って肉盛りや、他の箇所の作業を実施。
またまた、貼るカイロで同様に〜
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最後は整形 |
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パッキンの形状に合わせてラインを削り揃えます。
それと、合わせ面にはみ出た部分もしっかりと削らないといけませんね。 |
塗装後 |
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耐熱塗料の半艶タイプで仕上げです。
部分的なちょっとした塗装ではあるんだけど、気温の低い時期は要注意です。
しっかりとヒーターで予熱と焼付けをしないと台無しになります。 |