事例紹介

 

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 ウイングの修理   
オークションで、1ケ所の割れ有りとなっていたのがこの状態。 
そのおかげで、割安だったようです。 
(でもかなりの高額!) 

RX7用FRP製ウイングの右端、外にはり出した先端です。 
このまま使っても、あまり目立つ部分ではありません。 

プラスチックエポキシ(粘土タイプ)でも擦り込んで、タッチペイントでも塗れば‥‥‥? 
これは簡単ですが、かなり賢い選択! 

でも、ここから先は、もう少し時間と手間をかけれる場合の事例です。 
 

ミニルーターの出番です 傷んだ部分は、完全に取り除きます。 

ウィーン! キーン! キュー! 

ルーターで、歯医者さんのように頑張ってみたら‥‥‥

砕けた部分を除去したら〜!?   
パックリ口が開いて、上下分割状態に〜! 
裏に手も入らないし〜 
  
修理は、見た目だけではなく、元と同程度の強度面での回復も必要です。

特に精密な構造品(強度や重量等の力学的バランス面)でなければ、元よりも少し強くなる様に狙うのが普通です。 

で、この場合、ぶつかってこの様な割れ方をしてるって事は、先端はもちろん、上下のスキンもかなり強い! 

それを元と同程度につなぎ止めとくって事は、先端の補修だけでは無理!! 
 

発泡ウレタンの登場!   
中空状態の上下スキンをハッチゲートの開閉ショック‥‥‥ 
ウイングを把っ手代わりにして、両手でヨイショッと叩き降ろす! 
バウンッと鉄板が波打つ‥‥ 

‥‥そんな条件の中での、上下スキンつなぎ止め作戦です。 
そこで、発泡ウレタンの出番! 

その理由は2つ! 

1つは、裏ばりが出来ない条件ですから、発泡させて補修材のバックアップとして。
2つ目は、上下スキンを発泡材の接着力で一体化させる事で、補修部分の負荷を軽減 させる為に。
 

これでいいのだ〜   
中空状態のウイングの中に充填します。 

充填する量は、数秒程度ってところでしょうか? 
1缶の容量の数分の1以下、ひょっとして10%ぐらい? 

その理由は、吹き込み口以外のガス抜き穴が無いって事と、発泡による膨張力が強いって事です。

一度で使い切らないといけないし、中空だから奥にいくらでも空間が有るって事で、沢山吹き込み過ぎるのは良く有りません! 

とにかく閉鎖された空間ですから、ガスが飽和してしまって、発泡した物が再度液化してしまう恐れが有ります。
さらに、うまく膨張出来た場合でも、圧力が強すぎて変形させる恐れも有るからです。

ノズルの向きを変えながら、ブシュブシュと、わずか数秒程の充填です。 
発泡後にぐんぐん膨らんで、数分で落着いたかな〜? 
と思っての24時間後がこの状態!
静置場所を汚さないように注意が必要です。
とにかくよく膨らみますので、その加減は、使い慣れる必要が有ります。 

また、予め、余る分の使い道を考えて使用するのがグッドです。
 

カッターで楽々   
硬化後は、発泡スチロールよりも表面がかっちりしていて、整形しやすいです。 

手でポキッと、ちぎってもいいんですが、カッターで楽に切れますので、どうせならラインを出してカットします。 

充填作業時の注意点として、余計な部分に付着したら大変って事があります。 
慌てて、拭き取ると擦り込むって感じでさらにひどい状態になる事も有ります。 
むしろ、そのまま硬化させてから、パキッて剥がした方がいいかもしれません。 
特に衣服等の様なざらついた表面の場合が大変です。 
使用説明を読んで、充分に注意して実施します。 
 

FRP補修材で修理します 発泡ウレタンがバックアップとなりますので、エポキシ樹脂のFRP補修材を塗り重ねます。 

これで表面硬度もしっかり出ますので、修理完了ってところです。

とどめはポリパテで 最終的な成型は、ポリパテで! 

硬化が早くて塗り易く、削り易いと3拍子揃ってます。 

ピンホールが出来た場合は、さらに薄付けパテを! 

最後はプラサフの下塗りです。

缶スプレーで出来上がり   
メタリックの場合は、ぼかしにくいって問題が? 
ボカシスプレーというのも有りますけど‥‥

厚く塗ると、塗料の表面張力が塗って無い部分との境界に生じ、そこにメタルが片寄ります。 

それを避けるには、とにかく薄く吹く事で、メタルを動かさない!(浮かさない) 
イメージ的には、メタルをへばりつかせる感じです。 

薄いですから、充分に乾燥させては、必要なだけ重ね塗りします。 

最後に忘れずクリア塗装をします。 
 

 完成
これでやっとお買得商品の完成、スタートラインって事。 

冒頭の賢い選択って意味、わかりました〜? 

ボディーと同様、パッと見勝負でしたら、ここまでする事はないかもしれません〜! 失礼!!


 

その他の使用事例
  
 発泡ウレタンも使い慣れてくると、単なる充填(穴や隙間に吹き込む)以上の事も出来ます。 

 成型や吹き付けも‥‥‥ 

 もちろん、本来は建材ですから建物周りの補修にも最適です。 

 コーキング材では、手に負えないような隙間や穴をしっかりと塞いでくれます。 

 すきま風対策に、きっちり充填出来れば防水性も! 

 また、中空材に充填して強度アップや防音、防振、防錆等と用途は、アイデア次第って感じです。 
 

 スカート補強例
 かなり開放的な部分への充填です。 

 しの字ぐらいの断面

  
ウレタン製のフロントスカートを割ってしまいました。 

こんな場合、部分的な接着接合ってのは無理です。 

そこで、発泡ウレタンの全体的な接着力によるサポートが有効になるわけです。 
 

  
そのまま取外しせずに、充填の下ごしらえです。 
まず、ある程度の断面積を持たせる為に、テープで形状を整えます。 
次に、膨らみ止めを兼ねて、巻き付けるようにしながら、間口を塞ぎます。 
この際、隙間を開けて、適度にガスが抜けるようにします。 
最後に、全体の重みを支える為のテーピングをバンパー上部とします。 
  
  
隙間からノズルを順番に差し入れ、発泡させます。 

吹き加減は、やはり慣れが必要です。 
少し控えめに吹いても、最終的には隙間からはみ出します。 

写真は、完全硬化後の状態です。 
膨張時に、ある程度の抵抗がかかる事で、隅々までしっかりと充填され、接着力も硬度も高まります。 
 

断面積の形が単純で変化も少ないため、ムラなく綺麗に充填出来ました!

使用量は、3本程度です。

完全硬化後に、カッターで整形します。 

こうすれば表面の補修も可能です。 

ウレタン用のバンパーパテを使用します。

  
この時に使用したのは、この種類です。 
ホームセンターによって、種類は変わってきます。 
でも、どれもスプレータイプの一度で使い切りタイプ。
1本2000円程度まで安価になってきました。

一度使えばある程度わかるんですが、膨張するだけに、ボリューム的な部分が、わかりにくい部分といえます。 
   

 バンパー補強例
 さらに開放的な部分への充填です。 

 [ ぐらいの断面

  
やはり、ウレタン製のバンパーです。 

センター部とロアー部他を割っています。 
万能ステーをネジ止めして、添え木のようにしていましたが、とても固定までは‥‥‥ 
表面の補修も割れていました。 
 

  
マスキングというよりも、断面形を作るようにテーピングします。 
  
これぐらいの断面になってくると、整形作業は、カッターよりものこぎりが便利です。 

エアダクトは、マスキングして埋もれていますので、完全硬化後に発掘します。

使用量は、5本程度です。
 

 フレーム補強例(参考)

 さらに密度の高い種類を使用

 見えない部分で違う車になっていた〜!?

 
モノコック車の場合は、単にパネルの組み合わせって事ではなく、要所に閉断面のボックス材で補強されています。 

写真は、サイドシル(ステップ部)に充填しています。
他にも、メンバー、ボックス、ピラーと色々な閉断面の補強材があります。 

穴から吹き込む事自体は簡単ですけど、実施に際しては、充分な効果の検討が必要でしょう。
発泡といっても、見えない部分でしっかりと充填させるには、かなりのノウハウが必要となる事に加えて、デメリットも有るからです。 

重量増に始まり、ボディーの強度バランスの変化(特に1衝撃吸収性、2応力分布の変化‥‥注)による弊害、メンテナンス性の悪化(特に板金作業)等が考えられます。 

注)
 1、クラッシャブルゾーンの動きは?
 2、柳の枝も下手な添え木をしたら、風に折れるんじゃないかな〜って感じ?
 

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