事例紹介
 
 
  
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ディスクパッドの交換
  
ロードスターのパッド交換は、ひょんなきっかけでスタートしたんです。 

前回のバイク点検教室の時に、また一度クルマのもしようよ〜って、どこからともなく話が出て‥‥ 
クルマはなあ〜って(一瞬、現実的で夢が無い?と思って)返事が遅れたその刹那! 

その時、未来も動いた〜! 

 ロードスターのパッド交換しよう!? 
 まだ、ロードスターは事例集に無いし〜! 

うっ! 何か大変な弱点を突かれた感じで、 
つい、ほんまやな〜 なんて‥‥ 

Y君は、なかなかの越後屋さんです〜! 
 

フロント右を前から見て   
クルマ点検教室の企画も告知も、何もかもを飛び越して‥‥‥ 
 パッド手に入ったから〜! 

そんなわけで、クルマ点検教室改め、 

Y君のパッド交換個人レッスンの始まり〜! 

まず、ジャッキアップの前に、ホイールのナットを一緩めしておきます。 
その理由は、インパクトレンチでバカ締めされていると、後で緩まなくて困るからです。 
ガレージジャッキでフロントをアップし、サイドシルのジャッキポイントにリジットラックをかけます。 
 

キャリパーを120°取外し?   
これは後ろから見ています。 

キャリパーはスライドピン式のフローティングタイプです。 
上下2本のスライドピンはボルト状で、頭の付近の首の部分だけは、ネジが切られています。 
スライドピンは、シリンダー側からサポート側へ差し込まれ、そして、ねじ込まれています。 

よって、サポートとシリンダーは、差し込まれたピンだけで接続されているわけです。 

そういう事で、パッドの交換は、どちらか片方(頭の大小がある場合は、小さい方を外します)のピンを緩めて外すとくるっと! 
角度で120°ぐらいですか? 
それで、120°取外しってわけです。 

シリンダーを写真の状態から、車体中心方向に動かすとスポッとサポートから外れるんですが、ブラブラして作業がしにくくなるので、この状態でとめておきます。 
 

ピストン圧縮専用ツール!    
新品のパッドに交換するって事は、元のパッドと厚味が変わるって事。 
もちろん、消耗していない分だけ厚くなるわけです。
その為、ピストンを押し戻さないと元通りには、組付け出来ません。 

そこで、こんな専用工具(爆)の出番! 
グーっと握って、ちょっと様子をみます。 
ピストンが、少し動いていればその力でOK! 
ブレーキフルードの抵抗がありますので、じわ〜っと戻るからです。 
仮に、いきなりバカ力で握っても、レンチがたわんで余分な力を吸収してはくれますが。 
一定の力で握っていれば、専用工具の弾力で押し戻してくれます。 

もし、ビクともしない場合は、斜にこじているかも?
ピストンの汚れがひどいのかもしれません? 
出来れば片寄らずに中心を押したい事。 
元のパッドやスパナ等を当て板代わりにして、真ん中をバカ力で〜! 
 
ところで、ピストンを押し戻す分だけフルードがマスターシリンダーに戻ります。 
タンク残量にもよりますが、溢れる事もありますので注意します。 
 

寺田さんのパッド!   これが、こだわりの食材! 

寺田さん寺田さんと何度も聞かされました〜 
そちらの寺田さんでなくて、Mr.ルマンの寺田陽次郎さんです。 

すでに、パッド交換の効果が充分出ています〜!

元のと何が違う?   
Y君が、やりますわ〜!って頑張っています。 
でも、最初の元気がちょっとない〜? 

 う〜ん、元のも赤かった〜!? 
 ブツブツ‥‥ 

いや、元のはレンガ色に見えるデ〜! 

 えっ!     !? 

 ロードスターに乗っているからには、パッド交換ぐらいは自分でしないと〜って、前から思ってたんや‥‥ 
 でも、なかなか一人では決断出来ませんわ〜 
 DIYヘルパーは本当に有り難いですね〜 
 ブツブツ、ブツブツ 

越後屋と代官は、強い絆で結ばれているのでした? 
 

面取り談義に花盛り


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  
折角の機会ですから、ディスクプレートだけでなくハブの部分もヤスリがけ。 
#100ぐらいの布ヤスリを使います。 

新しいパッドの背中に、極薄くモリブデングリスを塗ってからシム(ラバーコーティングされた薄い鉄板)を付けます。 

 面取りはしなくていいの〜? 

やめとこ〜、ブレーキ鳴き対策やけど‥‥ 
鳴いたらアカン? ブレーキは鳴くもんやけど〜? 

 あ〜、そしたら止めときます〜! 
 しないとダメかなと思っていたから‥‥‥ 

ここから、耳が好きな、じゃなくて、耳学文に一家言あるY君の為に 面取り談義が花盛り〜! 

ちょっと聞いてみます〜?? 

パッドは、極僅かな間隙でプレートに面している為に、正常でも耳が擦れたりするのは当然の事です。 
また、軽く踏んでいるような時も同様です。 
こういう場合は、パッドが、面の端から力を受ける為、振動しやすくなります。 
その結果、場合によっては、黒板でチョークをこすった時の様に異音も出るわけです。 
そこで、常に端が擦ったり、そうでなくても、端の方からプレートに接する事がない様に、耳を斜に削り落としてしまうんです。 

でも、耳を削る場合に、やみくもに周囲全部を削ればってものではないはず。 
チョークの場合を考えてみてよ? 

しかも、長期間効果が有るようにって大きく削ると、パッド面積が小さくなってしまう〜! 
パッドが触れなくなったプレートは、当然、赤錆虫食いで〜す! 
同時に、パッド面積が小さくなると、パッドの熱負荷が大きくなって折角の高性能パッドも標準品以下になるかもね〜!? 
何せ、摩擦ブレーキは、運動エネルギーを熱エネルギーに変えて放熱する事で、制動してるんだから! 
とにかく焼けちゃうと、極端には、有名なフェード現象ですよ。 
最悪なのは、外周の耳を何ミリも削る事。 
テコの原理を知ってる人は、削りたくない〜! 
メーカーが重量増に苦しみながらも、プレートのインチアップを頑張っているのに‥‥‥ 
しかも、しかも、外周部は最も冷えやすく美味しい場所!! 

もし、クルマやメンテナンスを愛するならば、面取りは、ブレーキ鳴きが発生し、我慢出来なければすればいい事。 
しかも、症状に応じて! 
予めする必要など普通はないはず〜!? 
前したからって、次のパッドでもするかしらん? 

コンクリート塀の横を走った時に、シャーシャーと聞こえ易いのは当たり前の事。 
どこでも、チーチー、キーキーと耳ざわりならば、リーディング側を主に耳を極軽く、プレートの錆やキズも要チェック! 
踏み始めにキーというようなら、リーディング側の耳と、リーディング側のフェイスも軽くサッサと擦ります。 
削るといっても、グラインダーでガタガタに削るんではありません〜 
布ヤスリで優しく丁寧に。 
効果は、長続きしないかもしれませんし、当りや焼け等のフェースの変化等で、2度と起らないかもしれません。 
まあ、ブレーキ鳴きは、そういったものなんです。 
もちろん、シムやグリスも鳴きを抑える為の物です。 

てな具合〜〜 
 

120°組付けで出来上がり この状態から、リターンスプリングを元と同様に取付け、キャリパーをかぶせます。 

この時に、サポート側に付いている上側のスライドピン部のブーツを噛み込まさないように注意します。

リヤの右側を前から見て   
リヤのキャリパーを外すところです。 

上下2ケ所のスライドピンの下側を緩めて、上側に起こしています。 
スライドピンの頭には、ゴムキャップがかぶせてあるので、指でつまんで外します。 

後はフロントと同様。 
でも、サイドブレーキケーブルが付いているのでちょっと窮屈な感じです。 
しかも、上に持ち上げているので、手を離せば下がって(落ちて)くる〜 
 

これは90°+10センチ分解   
そんな事もあってリヤの場合は、サポートから外しちゃいます。 
キャリパーを回転させた後で、デフ側へスライドさせるとポロッと外れます。
それで、90°+10センチの分解!

もちろん、ホースやケーブルは外しませんよ〜 
くっついたままです。念のため〜 

リターンスプリングの掛け方が、個性的(変わり者)なのでしっかり見ておきます。 
わからなくなれば、反対側のを見ればいいんですけどね! 
リヤのピストンは、そのまま押込んでも入りません!
ピストンを右回り(パッド側から見て)に回すと入っていきます。
特に専用工具っていうんじゃなくて、傷つけないようにピストンをプライヤでつまみました。

 

ブレーキ鳴き装置です〜   
元のパッドのウエアインジケーターを移植します。 
パッドが磨耗してくると、これの先がプレートに触れて、キーキーと賑やかな音で知らせてくれるわけです。 

ディスクグラインダーでカシメを削って取外し、新品に嵌めてカシメます。 
カシメ方は、ポンチではなく、先を少し丸めたタガネでペケポンに。 

丸棒やポンチでは、なかなかカシメきれないのでパッドのフェーシングを傷付けるかもしれません。 
そんなわけで、カシメ用のタガネを用意していると便利です。 
  
まあ、これは、別になくてもいいんですけどね! 
ディスクグラインダー作業は危険だし、この作業は、あまりお薦めできませんね! 
という事で、離れたところで御代官様の仕事となりました。 
 

10センチ+90°組付け   
 ちょっとわからなくなりましたわ〜?? 

あたたたた〜〜!! 

うっかり目を離した隙に〜 

 スプリングの付け方どうだったかな〜?  

な〜〜んだ、反対側見てちょん! 

うっ!分解されてる〜 (ーー;) 

 勢いで外してしまってん! 
 ちゃんと憶えれたと思っててんけど‥‥ 

イヤイヤ、結構わかりにくいものです。 
 

 完成   
組付けた後は、車を動かす前に必ず、ペダルを数回踏み込んで踏み代を出しておきます。
その理由は、ピストンを作業時に押し戻し過ぎた状態にしていたからです。
ペダルは、数度深く入りますが、その後にしっかりと踏み代が上がってくればOKです。

リヤは、押し戻しの逆で、そのまま踏んでも余分には出てきません!
その為、サイドレバーを何度も引き直す事で、戻し過ぎたピストンが回りながら出てくるわけです。
サイドブレーキが、しっかり効き出したら完了です。
リザーブタンクのフルード量を調整して完成!

BBSの奥に赤いパッドがチラリ! 
こだわりのメンテナンスへのご褒美は、今後も見るにつけ満足感に浸らせてくれるんじゃないでしょうか? 

 次は一人でやれますわ! 
越後屋さんの力強い言葉に 

満足感に浸るD.でした〜! 
 
 

 
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