ア−シングとは、アースをしっかり取ろう(落とそう)ということです。
なぜ、配線の強化がマイナス側なのかと?
プラス側を強化する事は、よく知られている(リレー回路の使用等)のに比較して、まだまだ知られていないからです。
プラス側だけでは、見えない部分で効果半減になっているかも?
御存知のとおり、自動車、バイクのマイナス側の配線は、車体(フレーム)を配線代わり(ボディーアース)にして、簡素化(軽量化や省スペース、コストダウン、回路の分かり易さ)を実現しています。
ところが、材料革命で各部に樹脂が使用されたり、防錆、制振、遮音等の技術が一般化する中で、ボディーアースが怪しくなってきました。
鉄板の合わせ目にコーキングが塗られたり、エンジンに限らず、種々の物が、ラバーマウントされたり、わずかなスポット溶接でつながっていたり、また、塗装の塗膜が厚くてネジ締めしても、地金に触れない等、むしろ、金属部品が、電気的につながっていない(導通していない)のが、当り前になってきています。
もちろん、メーカーも必要な部分は、アース線を取付けて、導通を確保しています。
しかし、少々細いし少ないかな〜?
導通が悪い(電気が流れにくい)と何が良くないかと言うと、回路(バッテリーの+から−までの電気の通り道)の中で、その悪い部分の前後に電位差が発生し、その分、電気パーツ(負荷)の両端電圧が、バッテリーの起電力より小さくなってしまう(電圧降下)のです。
しかも、悪い部分が、回路中に複数ケ所あると、それの合計分が差し引かれてしまうのです。
また、回路の総抵抗もその分、大きくなりますので(負荷+接触抵抗等の導通不良分)、回路(電気パーツ)に流れる電流も減少します。
電気出力P(W)=I(電流)×E(電圧)ですから、2重苦で出力ダウンするわけです。
ここで、さらに重要な事は、大きな電流を流す回路程、ちょっとした事象で電圧降下が発生します。
それは、電圧E=I(電流)×R(抵抗…ここでは接触抵抗等の導通不良分です)でおわかり頂けるとおもいます。
それは、その様な回路(大電流が流れる)の負荷の抵抗は、小さいはずですから、ちょっとした事が相対的には、大きな事であるわけです。
前置きが、大変長くなりましたが、……。
一般に、スターターやヘッドライト等の大出力回路に、特に効果が大きいと言えます。
もちろん、それに応じた接続の必要があります。
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