では、どのような症状になるかと言いますと、ニュートラルでエンジンを始動して、クラッチを握り1速に入れると同時にガクンとエンストしてしまうのです。 普通は、発進出来なくなります。 車と違って湿式な為、汚れで動きが悪くなる固着にはなりにくいのですが、逆に摩擦面の貼付きは起り易いといえます。 貼付きが起き易い要因は、多板式にあります。 多板式は、複数組みの摩擦面を一方から一まとめに押し付けています。 クラッチを切る際は、押し付ける力は無くなりますが(解放)、全部の摩擦面に引き離す力が及ぶものでは有りません。 わかりやすく言いますと、玉突き衝突をした車の最後尾の1台を引き離したからといって、前の車全てが離れるとは限りません。 程度問題ではありますが、1ケ所でもくっついていると、貼付き状態になります。
こうなると、オイル給油口からオイルを差したり、ドライバーでこねたりしてもまず無理です。 下手にダメージを与えるよりもクラッチ分解修理が無難です! でも、オーバーホールって言える程の大変な作業ではありませんので御安心!
クラッチワイヤーとレバーを外し、ケースの取付けボルトを緩めて、ラバーかプラスチックハンマーで軽打しはがします。 ここは、貼付いていて当り前、決してハンマーで叩いたり、ドライバーを合わせ目に打ち込んだりしないように! それと、ラバーだからといってバカ力で叩くと、取付部が割れたり、叩いた部分だって割れる場合も有ります。 呉々も慎重に! やさしく接してやって下さい。
使用限度の厚みは2.8mmです。
どちらのプレートも歪み限度は0.3mm
クラッチスプリングセットボルトの締付けトルクは0.9kgm
ケース合わせ面のパッキンは、スクレーパーで完全に清掃し新品に取替えます。 仮締め後に均等に締め付け、ワイヤーの遊び調整をすれば作業完了! 最後にエンジンオイルを忘れず給油します。
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