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TZRのフロントフォークオイルシール交換(倒立式)
先日、フロントフォークオイルシール交換を相談されている中、アドバイスプランで、簡単なメンテを実施したTZRです。 

その時に、フォークオイルが、ディスクブレーキにまで付着しており、修理しないと危険と注意しておりました。 

その数日後、サービスマニュアルとパーツが手配出来たとヤル気満々な様子。 

特殊工具が、4種類程必要ですが、どうしてもだめになったら、その部分だけ、ショップに持ち込んでやってもらおう、という事で、それではレッツトライ! 

作業には、前後とも、エトスデザインのレーシングスタンドを使用。 
フロントは、カウルブラケットの穴に通していますが 結構、汎用性が高くて重宝しています。 
もちろん、ベルトで吊る場合も有ります。 
 

   

 フロントフォークは、フロントタイヤ、フェンダー、キャリパーを取り外し、アッパー、ロア−、ハンドルクランプを緩めると外せます。 

倒立式ですから、写真左が上部です。 
左右の減衰力を確認すると、左は、ほぼノー抵抗で、スプリングだけ状態。 

写真上側が洩れのひどい左分、右も洩れています。 
全く同じ使用条件ですから、当り前といえば当り前です。 
仮に、一方しか洩れていなくても、やはり、両方一対で実施します。 
  
 

    フロントフォークの分解は、まず、ダストシールをマイナスドライバで外し、続けてスプリングストッパーを外します。
分解したところ  インナーチューブを引抜き方向に、カツンカツンと数回引っ張ると、オイルシールとともに抜けて来ます。 

右の黒い物がオイルシールです。 

 

    この時、フォークオイルがこぼれますので、缶に受けます。 
アウターチューブ内のスプリングとシートを取出して、アウターチュ−ブ内に残っているオイルも捨てます。 

何と、左フォーク内には、100CC程しか入っていませんでした。(正規は、357CC) 
でも、オイルの汚れは、きれいな方でした。
右もやはり、200CCぐらい。 

内部部品の汚れ、磨耗、傷、スプリング長等のチェックを実施しします。

   フォークオイルは、モチュールの倒立用で、やはり高価。 

フォークオイル注入には、オイルラッパが有れば便利です。
ほぼ正確に注入量がわかる他に、微量を足したり、抜いたり出来ます。 

ノギスは、竿の部分で油面高さを測ります。 
ドライバとスケールでも出来ますが、チューブ内壁の油膜で誤認しないように、要注意です。 
その点、竿は、先端部が切り欠きによって、内壁のオイルが、付着しにくくなっています。 
 

専用工具!?  今回、どうしても必要で使用(製作!)した専用工具?です。 

右上は、インナーロッドプ−ラ−です。 
実は、ナットとボルトです。 
インナーロッドにボルトをつなげるだけですが、これがないと、オイルのエア抜き時をはじめ、ロッドを押し引き出来ません。 
小さい方のナット(左)は、インナーロッドのナットです。 

真ん中は、オイルシールプッシャー(インストーラ)? 
実は、元のついていたオイルシールです。 
組付け時に、この分を使って、Pハンマーでオイルシールを叩き込んで、その後で切断してインナーチューブから取り外します。(写真は外した後です) 

最後は、スプリングコンプレッサーです。 
適当な鉄板に、ナットを溶接し、寸切りボルトで大急ぎで製作。 
これの使い方は、以下でわかりますが、ただの棒2本でも、出来なくはないです。

  スプリングコンプレッサーをセットして、スプリングをグーっと押し下げ(両手で空気入れを押すように)、インナーロッドをプ−ラ−で引き上げます。

以上によって、インナーロッドのナットに、スパナをかけれる状態になります。

とっても大事なスパナ!  スパナがかかると、プ−ラを外して、その代わりにロッドへキャップナットを取付け、締め付けます。 
その後、スパナを外して、キャップナットをアウターチュ−ブへ締め付けて、組付け完了です。 

写真では、スプリングコンプレッサーから手を離しています。 
しかし、スパナが、ナットから外れて上に弾かれないのは、なぜでしょう? 

理由は、スパナの片面(写真で見えない側)をかしめて、ナットがすり抜け出来ない様にしているからです。 
むしろ、このスパナは、スプリングコンプレッサーより重要な程です。 

DIYでは、なかなか専用工具まで買えない場合もあると思います。 
しかし、その作業の意味と、工具の役割が理解出来れば、何とかなる場合も多々あります。 

事前に、充分なリスクプランニングをした上で、レッツトライ!
 

 

  ディスクプレートを脱脂し、パッドを点検、研削修整し、足廻りを組付けます。 
組付けられた左側です。

何度かバンプさせた後、オイルの付着していないインナーチューブに、思わずチャレンジャーさんが、『ヤッホー!』 
 

毎度おなじみサービスマニュアル  チャレンジャーの宝物!サービスマニュアルです。
 完成
 足廻りが万全でこそ、レプリカのレプリカたるところです。
左右減衰力バラバラ、おまけに、パッドにオイルが付着している状態で、コーナーを攻めたりするのは、大変危険です。 

メンテナンスが万全ではじめて、ライディングを楽しめると思います。 

メカに不安のある方は、相談室へ遠慮なくエントリーして下さい!!
 

 

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