事例紹介

 

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ZX11のマフラー交換
ノーマルの状態です。 
ZX11(ZZR1100)は、レーサー系ではなく、ツアラーですので、クロームメッキ左右2本出しは良くマッチしています。 
極太サイレンサーが見た目の迫力と重低音を作り出し、この上ない車格感を醸し出しています。 

まさに、フラッグシップに相応しい物です。 
それと、おじさん系は重い程、優越感を感じるという傾向も持ち合わせております。 

まあ、こう言ってしまうと話が終わってしまいますので、時に気分転換で、取り替える事も有るとしましょうか? 

雰囲気ががらっと変わる事と、軽量化のメリットは有ります。
排気音とパワー特性については、一長一短ってとこです。 

作業的には、機種専用品を使用すれば、特に問題有りません。 
ZX11を例に、僅かなポイントを押さえてレッツトライ! 
 

カウルの取り外し レーサー、ツアラー系の場合は、カウルを外さないと作業が始まりません。 

外してしまえばネイキッドと同じはずですが、水冷の場合はラジエーターが‥‥、しかもカウル付車の場合は電動ファンまで。 
ZX11ときたら、オイルクーラーまで! 

やっぱり、整備性は空冷ネイキッドに限ります! 
 

取付部の確認      
マフラーのエンジンへの取付けは、エキゾーストパイプがシリンダーヘッドにナット締めされています。 

次に集合部付近がミッション下付近で、最後にサイレンサーがタンデムステップ付近でボルト締めされています。 

それぞれの部分を確認し、取付部の状態、作業の障害物や、使用工具、手順を検討します。 

それでは、作業開始となりますが、エンジンが冷えている状態で実施して下さい。 
わかっていても、うっかり火傷や、びっくりしてケガをする事が多いからです。 
 

障害物の取り外し まず、各取付部に錆び付きが有る場合は、予めCRC等の浸透性潤滑剤を塗布しておきます。 

オイルクーラーとラジエーターのマウント(取付部)を取り外し、エキゾーストパイプを抜き出せる空間を確保します。 
この際、車種によってはラジエーターホースを外さないと、ラジエーターがいくらも動かない場合も有るかも知れません。 

 

取り外し作業  
さあ取り外しって事で、順番に外していきたいところですが‥‥?
まず、最初に全体に一緩めさせます。
どういうことかと言うと、歪みや割れ等を防ぐ為に、締め付けられている部分の応力を、バランス良く抜いていく(解放)ということです。
均等に締め付けるの裏返しです。 

この場合、エンジン部に限らず、サイレンサーまで含めた全体を通して、締め付けトルクを抜いておきます。
仮に、再使用しない部品だからといっても、手抜きはダメです。
締付けには相手が有りますので、両方のダメージを考えないといけません。 

それが出来ましたら、その後は、やり易い手順でどうぞ! 

ただし、取付部を完全に外してしまうと、残る部分に重量が集中して加わっていきますので、その点は考えに入れて下さい。
まあ、外す順番以外に助っ人やひもで吊る等、色んな方法は有ります。 

ZX11の場合は、右側サイレンサーは別体ですが、左側はエキゾーストパイプまで一体ですので、取り外し方は‥‥、 

右サイレンサーを外し、エンジン部を外して、中間、左サイレンサーの順となります。 

リフトアップしての作業は、お家では出来ません。 
そのため、下に抜けないとなれば、横に取り出す事になります。 
ところが、ラジエーターホースが邪魔をしますので、サイレンサー側を持ち上げて、エキゾーストパイプ部を下に潜り込ませます。 
そうする事で、横に引き出せる様になります。 
この時、サイドスタンドを起こしたりする事も必要となりますので、やはり一人でするよりも、手助けを借りた方が、安全です。 
 

取り外したマフラー  取り外したマフラーです。 
途中に突き出たパイプは、右側サイレンサーの接続部です。 

とにかく重たい事は間違いありません!

取り外した部分の確認  エキゾーストパイプを取り外した後の各ポート部を確認します。 

排気もれを防ぐガスケットリングが残っている(エキゾーストパイプを取り外す時に落ちる事もあります)と、新品と2重になって、排気もれを起こします。 
また、外周部のカーボン付着がひどい場合は、小さなスクレーパーやマイナスドライバーで落とします。 

ここで注意するのは、ポートの奥は燃焼室に直結しているという事です。  
内部にカーボンが付いているからと、ガリガリ削る事は厳禁です。 
カーボンは、若干の排気抵抗かもしれませんが、その僅かの改善の為に万一、圧縮低下にでもなれば大損です。 
 

ここがポイント!  
新品セット

右が使用後

ガスケットシール
ガスケットリングです。
4気筒ですから、4個入りで1000円しません! 

これで、排気もれとおさらばですから、必ず新品に取替えて下さい。 

ちなみに、排気もれは、ピシッピシッとかパツッパツッといった回転につれた断続音になります。
シューーという連続音ではありません。
 
 
 

一度使用した物は、押し潰れて偏平でエキゾーストパイプの痕がついています。
それに比べて、新品はふっくらとドーナツ状に厚みが有ります。 

エキゾーストパイプの端部の形や、ポートとの当たり(位置ズレや角度)は、元と同じ事は有りません。 

ガスケットリングは、押し潰されながらポート面とエキゾーストパイプ端部に密着し、排気もれを防いでいます。
ですから、この潰れ代が重要なのです! 

さらに、上手下手によるある程度の、位置ズレや角度誤差を吸収してくれるのです。
 
 
 

ガスケットシールは、必ずいるわけではありません。
前傾のエンジンの場合、ガスケットがそのままでは、ポロッと落っこちますので、薄く塗っておく事で、密着させておくのです。
 

さあ、取付け 新たに取り付ける分は、軽いし分割式で作業は大変楽です。
分割部は、コイルスプリングで抜け止めをするフローティングタイプ。
これは、差し合せ部に多少の自由度を設けて、無理を逃がして割れを防ごうとしています。 

スプリングは、サイレンサーを接合した後で、プライヤーかドライバー、スプリングフック等のやり易い方法で掛けます。
ニッパは傷がつきますので不可です。

締め付けが肝心!  
分割式、しかも、フローティングって事もあって、エンジンとの接合を最優先で出来ます! 

パイプをポートに密着させて、手で締るところまで全体に刈締めします。
ここで、ねじの出代が、ほぼ同じぐらいに揃っているか確認しておきます。 

後は、徐々に均等に締めて出来上がり
ガスケットを潰し過ぎないように!
この加減は、種類にもよりますので‥‥。
潰れていっている感触を感じながら、少しおもくなったところぐらいでしょうか? 

後で、排気もれを確認して、増締め出来ますので、ペチャンコに締め潰さないように!
ねじ切るのは論外!
相手は、シリンダーヘッドですよ!!
 

おまけの作業 

サイレンサーのハンガーがスチール製で、前回の使用時に錆びていました。 

サビ取り後に、再塗装でも良いのですが、材料が有りましたので新調する事に〜。 

アルミ#5052材の5ミリ厚。 
強度は程々ですが、腐食に強いのでマフラー系に適しています。 

バンドソーでキ〜ン! 
曲線も自在で、材料損も切粉も少なく最適です。 
 
 

 

取付け完了! あまり見えない部分なため、得意の自己満足ってやつです。
 宿題? あははっ!左側が見劣りする〜! 

こうして、カスタマイズはエスカレートしていくのです! 

早くノーマルに戻さないと!??

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