事例紹介

 

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フロントフォークOH?   
ハンドルがフラフラするって事で、スクーターのカウルの中を覗いたチャレンジャー君。 

うわー! 
フォークがオイルでギタギタじゃ〜ん! 

これって、ホームページで見たフォークオイルシールからのオイル漏れと違う〜!

早速、アクスルを緩めています。
ひと緩め出来たら、ジャッキでフロントをリフトアップします。
 

フロント回りの分解です   
フロントフォークの取付は、バイクよりも自転車って感じ! 

中心のステアリングステムシャフトの下側だけが、三つ又になっています。 
フォークは、その1ケ所で挟まれて固定されているだけです。 
バイクの上下2ケ所のブラケットと比べると、ちょっと頼り無い構造です。
でも、取付けボルトの2本の中で、上側のボルトはインナーロッドの溝に掛かるようになっています。 
その為、仮に衝撃や長年の使用で、2本のボルトが緩んだとして‥‥‥?
大丈夫!
上側のボルトが抜け落ちない限りは、取付部がガクンとずり落ちる事にはなりません。
簡単で効果的な安全策が取られているわけです。
 

ちっちゃなフォークの分解です    
 
ダストシールを外して、スナップリングプライヤでクリップを外して‥‥‥ 

あれっ!?
オイルシールが無い?
代わりに、何か白い物が?
しかも、傾けてもオイルは一滴も出てきませ〜ん!
 

何かが違う?  
インナーロッドを引き抜くと、う〜ん? 

何かが違う!

そうだっ!インナーピストンって言うのか、ピストンバルブって言うのか、その〜それが無い〜!!

もちろん、フォークオイルなんて一滴も出てこない!
有るのは、スプリングとブッシュとヘドロだけ〜?

ヘルパー、これはどうなってんのん!?
 

水が回って錆び錆び〜!  
グリスが出るって事は、水が入る事もあるわけで、中はグチャグチャ! 

パーツクリーナー、の前にウエスで拭き取ります。
アウターチューブ内もしっかりと磨き上げ(耐水ペーパーでシコシコです)、各パーツにはグリスをしっかりと塗布しておきます。
 
ここで、シンキングタイム!
ピストンバルブやオリフィス(オイル通路に設けて流動抵抗を生じさせるもの)等のオイルダンパー的な物が、全く無いってことは‥‥‥?
その代わりにグリスはタップリ!
 

部品はしっかりと交換!   
スプリングで支えているのは、わかります。
では、スプリングの作動を減衰させるダンパーは? 

わかりました〜?
 
それは、2個の白いブッシュ!
アウターチューブの中を接触しながら動く事で、ガタ付きやコジリを防ぐだけでなく‥‥‥
運動エネルギーを摩擦熱に変えて、減衰させている?
このスライドブッシュがダンパー機能ってわけ!
 
と言う事で、すべりながら動く物は、すり減るっていうのが常識でしょう。
で、すり減れば摩擦も小さくなるし、ガタも出来るって事。
そこで、ダストシール(兼オイルシール)だけでなく、スライドブッシュも取替えます。
  

準備完了!  
アウターにスプリングを入れて、黒いゴムの様な樹脂はバンプストッパー。
いわゆる底付きの衝撃吸収が目的。
でも、さすがはスクーター、2本のうちの片方にしか入っていません〜!
そして、インナーロッドです。
インナーロッドには、ロッド先端とアウター上部の2ケ所にブッシュが付きます。
また、伸び切った時のショックを吸収する為に、リバウンドスプリングが付いています。 

写真の左端のブッシュをスプリングの手前まではめ込んで、パーツにグリスをたっぷり塗れば準備完了!
  

これでOK!?  
フォークはバッチリ〜!!?

でも、軽量車には、軽量車ならではのメカニズムでした。
果たして、グリスの滲み出しで、振られが出る程のダメージになるのかどうか? 

実は、原因は他に有りました。 
ステムの締付けが緩んで、ガタが生じていたのです。

これじゃ〜振られて当たり前!
ハンドルをしっかり直進にしていても、タイヤが左右に動くんだもん!
 

でも、観察眼が成功の元!  
さらに、フロントホイールが歪んで、1センチも振れているのも直しました。
それと、せっかくの機会に前後タイヤも交換。
でも、どうして? 

聞けば、一度転倒してからこうなったんだと、でも軽く転んだだけなんで‥‥‥
てっきりオイル漏れが原因だと‥‥‥ 

今回は、侮るなかれ転倒!って教訓を頂きました。 

『何だか違うバイクに乗ってるみたい!』

でも、これが当り前なんですよ〜!
って、世間のスクーターライダーに叫びたいヘルパーなのでした。
 

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