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セメント瓦屋根の塗り替え 

(パート2) 
 
 
 

 棟板の修理

 

  
棟板の下地には、材木が隠れているんですよ〜! 
瓦より外側に木がある〜? 
どうなっているかは、おいおいに〜 

棟に役物を使っていない場合は、カラー鉄板で雨仕舞いします。 
2枚の貫き板(ヌキ)で山型を作り、それにカラー鉄板を被せてあります。 
 
 

棟‥‥‥ 屋根面と屋根面の合わせ目で凸の部分、凹は谷と呼びます
役物‥‥ 屋根材に限らず、役目に応じた専用の形に作られた物で、それに対して標準型を基本や並、平などと呼びます
貫き‥‥ 在来工法で柱と柱を間柱も含めて水平に貫通させる補強材
 

棟板の取付は、横向きに釘が打たれているので、釘抜きを用いて取外します。 

左の茶色い方は、一度台風でやられて修理した所です。 
左上にちらっと、黒い瓦が見えています。 
さすがに、他の部分よりは鮮度?が良さそうです〜 

ところで、棟板を取外す時の大切な注意点! 

それは、外した棟板の置き方です。 
手を切るとか屋根を傷めるとか、うっかりと踏んづけるとか、そういった事では無くて〜 

風で舞い上がって飛んでしまうんです〜! 
もちろん勾配がきつければ、滑り落ちますし‥‥‥ 
屋根の上は、遮る物が無いので思わぬ強い風が吹きます。 
風が無い場合でも、伏せて屋根に密着させます。 
目の届く範囲内で、呉々もご用心を! 
 

  
下地の取替え
 

 

  
上の写真は、2枚ある下地材の片方を取外したところ。 
下地材の下には、さらにカラー鉄板と木材の一部が見えています。 

平らな屋根面の端の納まりは、ルーフィング上に打ち付けた胴縁材にカラー鉄板が被っています。 
胴縁材に被せる事で、その厚味分だけ立ち上がってZ字状になっています。 
これは、いわゆる見切り材です。 

瓦の端は、押し切りカッターの様な専用カッターで切ってあります。 

以上が、棟板部分の構造のすべてです。 

それで、どの部分を修理するかというと‥‥‥ 

棟板を取り付ける貫き板は、すべて取替えます。 
全体に腐ってはなくても、かなり木が枯れて取付強度面に不安な状態になっているからです。 
そして、胴縁材は貫きの部分と違って湿気が残り易い条件にあります。 
その為、枯れって感じは無いですが、腐朽がある部分は取替えます。 

長い釘をこじらずに、出来るだけ真直ぐに抜きます。 
その為に、ある程度抜けてからは、げんのうを差し込んでいます。 
写真は、ちょっと深く差し込み過ぎですか? 
どうして、そのように気を使うかというと、ルーフィングの穴を拡げたくないからです。 
  
その逆で、取付時には、インパクトドライバーが有るといっても、ビスは使いません! 
理由は、ルーフィングをねじ破るからです。 
そして正解は、丸釘を素直に打ち込むって事です〜 
丸釘であれば、釘の軸の表面もスムーズで、ルーフィングを最低限度しか破りません! 
それでも心配な方は、予め釘を打つ予定の部分にコーキングを塗っておきましょう! 
胴縁材の表面ではなく、ルーフィングに接する下側です。 

そこまでやる〜!? 
  
下の写真は、胴縁材を外しているところです。 

釘を抜いて引き出してみると、カラー鉄板に接していた部分は、少し腐朽しかけていました。 
綺麗に掃除し、釘穴をコーキングで塞いでおきます。 
 

  
これは貫き板です〜
  
これは、買ってきた貫き板です。 
荒材は、人工乾燥されていないのが普通。 
その為、売場の陳列中に自然乾燥しています。
4メートルのを12本!
なかなか用意するのも大変、一度では揃いません。

こればかりは、厚味がない部分にネジ止めしますので、出来れば、くせのないものを選ばせてもらいましょう! 
 
併せて胴縁材も必要数。
この分は、多少の曲りや捩れは何とかなります。
 

  
話題のクレオソート油です〜

 


新しく使用する材木にクレオソート油を塗ります。 

クレオソート油は、臭いがきついことを除けば、防腐効果も高く、安価で良かったんですが〜 

最近、発ガン性がわかったとの事で問題視されています。 
子供の頃に、塗りたての大和塀に、はだしで登って遊んでいた者にしてみれば‥‥‥ 
取り敢えずは、ビニール手袋装着で! 
 
2階の屋根の上で、しかも鉄板の下なら、発ガン性も作業する物の自己責任ってとこでしょう? 最近は、キシラデコール等の使用が多く、数年前に余らせていたものをやっと使えました。
刷毛も他には使えませんので、この調子だとどちらも一生ものになりそうです〜

捨てるわけにいかないし〜

  
下地出来上がり
新しい貫き板を取付けて、下地は出来上がりです。 

取り付ける際、2枚の間隔は、棟板がきちっと被せられるようにします。

  
棟板の取付け
 

  
棟板の表側は、何度か前の時に塗った上塗りがすっかり剥げ落ちています。 
でも、洗浄機で洗っているので、触ってもそれ以上に剥がれそうな事はありません。 
それと、今回は、初めての取外しですから、裏側もチェックします。 

特に釘穴の周り等が錆びています。 
全体的にも、白く粉をふいたようになっていたら、掃除して塗り直しです。 

表面は、取付けてからで大丈夫でしょう。 
まだ屋根も塗っていないので、その時に、多少は汚してしまうだろうし‥‥‥ 
かといって、屋根を塗り終わってから取付けするのも、屋根にとっては良くないし〜! 

そんなわけで、そのままで取付けます。 
取付は下穴を浅くあけてから、ステンのナベビスでしました。 
大頭のステンスクリュー釘でもいいんですが、薄い板ですからちょっと角度がずれると、割れてしまいます。 
元々は、大頭釘で、やはり打ち損じはありました。 
  
取付けでは、重ね合わせ部やネジ頭部をコーキング。 
美観優先ならば、POSシール(変成シリコンシーラント)にします。 
POSシールであれば、後でペイントが上塗り出来ます。 
そこまでこだわらなければ、同系色のシリコンシーラントで充分。 
ただし、ペイントは、はじいてしまいます。 
 

  
シーラー塗装が必須!
 

  
以上で、塗装の準備が出来ました。 

まず塗り始めは、シーラーです。 
屋根面が夜露等で濡れている場合は、乾くまで待ちます。

使用するのは、油性シーラーです。 
14リットルで7000円ぐらい。
1回塗りで約106平方メートル塗れます。 

油性は、乾きが早くシーラーには適しています。 
値段も多分、水性よりは安いはず〜? 
というも何より、油性しか売られていないかも? 
シーラーは、乾くとビニール袋のようになります。

シーラーは、防水目的に加えて、塗料の吸込み防止や塗料の付着性アップの効果があります。 
シーラーを塗る事で、塗料は良く延びて塗り易くなります。 
でも、シーラー自体は、屋根材にかなり吸込まれますので余分目に! 
1缶で足りなければ、自動的に2缶使用です。 
シーラーを薄く伸ばして節約なんて、全く無意味です。 
面積計算で、余程余る見込みでない限りは、プラス1缶です。 

まるで水のようにサラサラですから、とっても塗り易い〜 
中毛のローラーでたっぷり含ませて、コロコロと! 
とにかく、よく流れて延びていきますから、そんなに元気にやらなくても大丈夫! 
で、飛沫もそんなに飛ばないはず〜? 
刷毛も予備的に用意しますが、そんなに出番はないかも? 

塗る時に注意するのは、よく言われる逃げ場。 
そして、ポイントは、瓦の段差部の塗り方! 
下から上へローラーを転がす事で、段差部でローラーが押されてシーラーがしみ出します。 
逆向きや横向きでは、うまく塗れません。 
それと、壁の塗替え等ではW字を書くようにしてムラが目立たないようにします。 
でも、屋根の場合は、I字かN字がお薦めです。 
その方が、段差部を効率的に塗れます。 
斜のように段差を楽に乗り越える塗り方をしていると、沢山塗り残しがでます。 
それをローラーで拾っていくと、自然と2度3度塗りとなって、手間も材料も余分に必要となります。 
もちろん、それで良い場合はいいんですが‥‥‥ 
その際は、面積当たりどのくらい使っているかをチェックした方が、いえ、どんな場合でもした方がいいです〜 

また、ローラーは徐々にへたってきますので、予備を2〜3本用意している方が捗ります。 
さらに、作業を長時間中断する際には、ローラーは次には使用出来ないかも? 
いくら油性といっても、洗うには刷毛と違って多量のラッカー薄め液が必要です。 
しかも、どうしても元のような柔らかさは維持出来ません。 
 

  
これが上塗り塗料
 

  
ベストかベターかわかりませんけど、ベスト瓦用となっています。 
確かに、昔のセメント瓦とは厚味も形も取り付け方も、まるで違いますけどね! 
ベスト瓦が一般名詞ってことでいいんでしょうかね? 
もしかして、このペイントの商標だったりして? 

7Lで35〜45平方メートルって事で、3缶準備。 
色は、元の色がお薦めです。 
それは、塗替え時期が近付く頃には、結構下地が出てきますので違う色だと‥‥‥ 

次に、オリジナルの色では鮮やかすぎるので調色する事に。 
黒色の小さい缶を1缶あたりに2個混ぜます。 
同じ水性塗料ですけど、シリーズは屋根用ではなく一般用になります。 

2個分を入れてから、しっかりとキャップをしなおしてジャブジャブと。 
そうそう、入れ終わった缶に沢山残っているので、少しの水で洗い取って、これも入れます。 
これで、ペイントが少し薄まって、夏の塗装にはピッタリ! 

缶スプレーでも30秒以上は振れって‥‥‥ 
2〜3分程しっかりとシェイク! 
を念のためもう一度〜 
 

  
まずは隅から刷毛塗りで
 

上塗りは、シーラーが充分乾くか、いっそ翌日にした方が無難です。
塗装のスタートは、刷毛での拾い塗りです。 

棟板の縁や瓦の段差が大きい辺り。 
シーラーを塗った経験で、ローラーで塗り難い部分はわかるはず〜? 

そして、軒先きの1〜2列分! 
ペイントを塗る為には、シーラーよりも力が必要です。 
その為、軒先きでローラーを弾くと、下に飛沫が飛び散り大変な事になります。 

拾い塗りは、時間がかかりますので、これだけで1日作業としました。 
 

  
後はローラーでどんどん!
  
残る屋根面の塗り方は、シーラーと同じ! 

1日で頑張って2缶程度。 
3缶ですから、始めから2日の段取りです。 
梯子のかかっている面を2日目に。 

塗る順番は、棟の方から軒先きへ。 
そして、塗り方は、下から上向きに、タップリ含ませてサッサッサ〜、と手際よく。 
塗り終わりの端は、棟から軒先きまで1メートル程は残しておいて、最後に後ろ向きで下から上へ塗りながら逃げ上がります。 

途中で足りなくなりそうだって事で、雑にしたり水で薄めたりすると、美観や耐久性が大きく損なわれます。 
全体が一様に仕上がってこそ! 
わずかの事で全部をだめにしてしまいます。 
追加を買って、残りは冷暗所で保管も致し方ありません。 
次の塗替えサイクルまでもつかどうかは、期間だけではなく、残量や保管状況にもよります。 
2度塗りや部分塗替え等で、早く使用するのがベターです。 
 

  
棟板の塗替え
  
屋根面が出来て、2〜3日養生させれば踏んでも大丈夫。 
次はいよいよ最終段階です。 

締めくくりの棟板は、やはり水性の鉄部用を使用します。 

この塗装は、気分的にむっちゃ楽ちんで〜す! 

それはどうして? 

普段、やりにくい部分から先にやるというのが身に付いてます。 
ところが、塗り易い部分をサ〜ッと塗っちゃったからです〜 

どうしてまた‥‥‥? 

屋根とは違って、手提げ缶から直接に刷毛で塗りました。 
その為、早く軽くしたい〜! 
それと一杯に入っていると、うっかりこぼしてしまう危険があるので、手っ取り早く減らしたい〜! 
もちろん、形が単純で塗り易いことにもよります。 
 

  
マスキングは、簡単に
  
最後は、残しておいた鉄板の端部分です。 

屋根との際は、屋根面にマスキングを貼らずに、段ボールで養生します。 
スプレーではありませんので、これでも大丈夫!(絶対とはいいませんが) 
作業もはかどります。 

屋根の塗装だけではなく、鉄板類も塗り直す事で全体が、シャキッとします。 

これは、顔の化粧と同じで、ファンデーションだけではボーッとして化け‥‥‥  イテテテテッ〜! 
 

呉々も作業中は、周囲(アンテナの支線)や足下(缶やトレー)に注意して下さい〜!
それと、ハチが止ってもあわてないで下さいね〜!

実際、作業中にセミが止って鳴いてくれた‥‥暑い〜!
 

 完成     
ついでにTVアンテナを取替えました〜! 

何と、知る人ぞ知るパラスタックアンテナが、HCでヒョイと売られていた〜! 
それは、明らかに他とは異なる業務用のパッケージのままで、しかも特に説明やパンフレットも無く‥‥‥ 

こちらとしては、めっけ物! 
とにかく、HC価格で並んでいるんだから〜 
で、7000円ぐらい。 
取り付ける手間が大して変わらず、効果(利得)大! 
これって、とってもDIY向き〜!? 
材料に奢るって! 
でも、ちょっと大袈裟? 
確かに、仮に倍違っても3500円の差ですか〜 

ホームセンターコーナンの意外性に感謝! 
 

 
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