天井付近



 

天井は、ダイケンの吸ホルテンを仕上げ材とする事で、壁と併せて呼吸する空間を実現。
新設された断熱材入りの天井面は、作業中から自分の体温の暖かさを感じる程の効果。
元の簡単なボード1枚仕様からは、大幅なグレードアップとなっている。
ただし、グレードアップする事は、同時に使い勝手の変化も生じさせてしまう事を忘れてはならない。
特に、気密性が激変している為、換気時には、ルーバー窓を開ける等、確実に空気の出入りを確保する必要がある。
天井には新たに点検口を設けて、排気ダクトや電気配線等の点検作業が容易に出来るようにしている。
もちろん、それに伴う剛性を天井下地には持たせてあるが、単に仕上げ材の変更という場合でも重量面は充分検討しなければならない。
仕上げ材は、概して軽量ではあるが、全体としては数十キログラムになるのは普通。
さらに、例えば5ミリ厚以上のベニヤ相当となれば、下地の捨張り材の重量も結構なものになる。
仮に、そのままの状態で上張りが出来る場合であったとしても、下地も確認せずにする事は無謀な事。
実作業では、補強を考えるよりも全面やり替えの結論が先に出ていた。

元の吊り天井下地は、35ミリ程度の角材を突きつけの釘打ち1本で組まれた簡単な作り
天井材をバールで剥がす中で、下地が割れたりバラける為、壊し過ぎないように静かに解体。
新しい下地は、浴室同様に角スタッドを用いた軽量で丈夫且つ精度の高い仕上がり。
熱橋対策とデッドニングを実施する事で、金属下地のマイナス部分を払拭。
断熱材は、将来の天井裏作業を考え、繊維が舞うグラスウールは除外。
40ミリ厚発泡スチロール板をスタッド間に隙間無く充填、コーキング処理により防湿層としている。
さらに、スタッド上面にも同じ発泡スチロール板を被せる事で、断熱層はスタッド部分でも40ミリ厚を確保。
捨張りは、シーラー2度塗りの5ミリ厚耐水合板を選択。
仕上げ材は、接着剤併用のタッカー打ちで貼付け。
廻り縁は、システム造作材を接着剤併用でフィニッシュネイル打ち。
懸案の配電盤は、周りのケース部分を撤去し、壁下地も切り張りしながら際まで張り込めた。
その間、配線が無理をしないように紐で天井から吊って養生。
新しいケースは、壁面同様にOSB下地で桐材を上貼り。
扉には、当り前のつまみや取っ手ではなくアルミ形材で統一感を持たせ、違和感無く溶け込ませている。

(断熱層の写真は、スタッド間への充填施工中)

<補足説明>
角スタッド 間仕切りや天井用の鋼製軽量下地材。C型に比べて捩れに強く精度の良い下地を作れる
(角スタッドを受けるU型材はランナー)
熱橋(ねつきょう) 金属のように熱伝導率の高い物を断熱層で絶縁出来ず、熱が貫流したり断熱効果を低下させる状態。
デッドニング この場合は、金属がコンコン、ペキペキ等と響かないように防振処理をする事。(オーディオ関連用語)
OSB オリエンテッドストランドボードの略。大きなチップ片を接着剤で固めてある。強軸弱軸方向、吸透湿性に注意。
注)以上は私見につき、正しく知りたい場合にはご自身でお調べ下さい。


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