外 装 part1

 
  
   レプリカの顔とも言える樹脂製フルカウルは、飾りっ気なしの簡素なデザインです。 

   でも、シートカウルの左右分割は、ちょっと複雑 です。 

   サイドカウルにはラジエーター放熱ダクト、フレッシュエアスクープが設けられています。 

   しかもシートカウルには、エンジン排熱用のエアアウトレットまであり、機能に徹した作りです。 
 


 
    
右カウルは、転倒によるダメージが目立ちます 

膨らみ部分が削り取られ、黒い樹脂が現れています 
  

   
左カウルもエアスクープの部分が削れています 
  
    
分解してうつ伏せ状態のシートカウル左右です 

一度修理した痕がありますが、全体に削れや色ムラが 
  

  
 アッパーカウルは、グリップガード部が削れています 
 
  
ミラーだけにとどまらず 取付部も‥‥‥? 
  
  
しっかりと砕けていました〜! 
  

 
 
綺麗になったら、顔黒は卒業しましょうね!

 
 
  
さあ、順番にというか、ひとまとめっていうか、直していくぞ〜!

まずは、簡単なところからでアンダーカウル? 否、アッパーカウル? シートカウル〜?? 

う〜ん??? どれもこれも盛り沢山〜!! 
 

 アンダーカウル
  
 右側は、転倒によって最も激しく削り取られています。 
 そのため、エアスクープ上部とカウル外面とは、裂けてしまっています。 
 
   
 裂けた部分は、接着しないと強度が出ません! 
 ところが、この時代のパーツには素材表示がないんです〜! 
 こうなれば、経験と勘と度胸ってやつしか手はありません! 
 ABSよりは柔らかそうな、ポリフェニレン系(PE等)のような感じです。 
 となれば、困った時の 弾性接着剤セメダインEP001! 
 削りにくいのが難点だけど、接着力、特に変形に対する追随性は抜群!! 
 もちろん、接着試験は必要ですが‥‥ 
 
   
 接着が出来れば、きずを削り落としてパテ飼いです。 
 ポリパテは、あっという間に硬化するので、細かい事を気にしてはいられません。

 まあ、これだけ削られているので、けちけちせずにドバッと盛れるんですけど‥‥‥ 
  
  

  
 あわてずにひたすら削り出して、たぶん元の形であろうラインを出していきます。 
 若干のピンホールや削り過ぎを薄付けパテで仕上げます。 
 この作業は、仕上がりに大きく影響しますので、納得のいくまで急がず手をかけます。 
 でも最終的に、この状態ですから、微妙な不具合は何とも見つけづらいものです。 
 
   
 納得のいくまで下地作りが出来たら、仮に青いペイントをのせてみます。 
 一色の同じ色でカバーしてみる事で、微妙な不具合がチェック出来ます。 
 ここで不具合が見つかれば、ペイントを落として下地を修整します。 
 最終的にOKとなれば、全体の足付けをしてからサフェーサーを吹きます。 
  
  
 弾性接着剤のEP001です。 

 元々は、かなりやりての工業用です。 
  
 接着のレパートリーを広げてみて下さい。 
 

   
 左カウルは、右に比べれば相当ましです。 
 普通は、こんなもんでしょう!? 
 やっぱり、同じところが扁平に〜!

 直した後は、クッションゴムでも貼っときますか? 
 

   
 余分なところにパテが付くと、削る手間が大変ですので、簡単にマスキングをしておきます。 
 
   
 右カウルに比べると、半分以下の手間ってところでしょうか? 
 修理するなら、この程度までが無難なところでしょう? 

 右レベルは、普通なら交換でしょうか? 
 


 
 
 アッパーカウル
  
 ドラキュラにやられていたのか〜? 

 こんな所に、2本の牙の痕が〜! 
  
  
 

   
 かなりの削られ様です。

 これは、ABSかな〜? 
 

   
 ABS見当で、エポキシ樹脂を試しに接着してみます。 
 硬化後に引き剥がしてみて、接着強度を確認します。 
 充分な強度が確認出来た為、作業開始!

 空中に盛るのは大変ですので、手間を惜しまず張り形を用意し、しっかりと修整します。 
 その方が、結果的に早く出来るものです。 
 

  
 左ミラーを外すとこのとおり〜 
 
  
 こんな感じですか? 
 かけらが有るだけましですね! 

 (えっ、これを付けるの?) 
 有るなら使いましょうよ! 
 

   
 何となく、土器の復元みたいになってきました。 
 接着出来るように修正し、充分な強度が出るようにします。 
 
  
 エポキシで接着します。 
 
   
 接着強度を確認後、削って形を整え、パテで仕上げます。 
 
  
 綺麗に復元出来ました。 
 
  
 右ミラーの取付部もやっぱり、クラックだらけでした。 
 
  
 やはり、接着強度が出るようにクラックを修正後に接着します。 

 牙の痕の2箇所の穴も埋めています。 
 

  
 この写真を見ても、修理の苦労はわかりませんね! 
 

 
 
 シートカウル
  
 こんなところに嫌な筋が〜! 

 ちょうどシート下の辺り、ニーグリップで割ってしまった? 
 

  
 裏側を見ると、やはり割れていました!

 と言うか、割れたまま塗り直していない? 
 

  
 これも、エポキシで修理出来るようにしておきます。 
 
  
 これは、サイドの膨らみ部分です。 
 当然、転ければ割りそうな‥‥‥

 嫌な筋がいろいろ有るんです〜!? 
 

  
 裏側を見れば、やっぱり〜!! 
 
  
 もうこうなれば、ついでと言った様な物! 
 
  
 途中で止まっているクラックは、拡大しないように、ドリルで穴を開けておきます。 
 
  
 こんなに凄い擦り傷も! 
 
  
 何故か溶けかけた様な部分まで〜! 
 

 
  
 シートカウルは、補修で塗った青い塗膜が全くダメなので、全体のペイントを落とします。 

 それではって、割れた膨らみ部分から削っていくと、もう何が何やら‥‥‥?? 

 左右シートカウルだけは、部品交換されていたようです‥‥‥しかも、赤い色の 

 こうなってくると、まるで地層ですね〜 表から青、白、赤、白、そして地黒 

 結構、腕が疲れるけど、どこまで落とせばいいの? 赤はいけると思うけど〜? 

 ちょっと、ストライプテープみたいなのが発掘されてきてるのは、気のせい!? 

 この先、いろんな埋蔵物が有りそうで、こりゃーなかなか大変そうだわ!!! 
 


 
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