排気バルブ

 
  
   何となく嫌な予感が的中しました! 
    
   やっぱり、トラブルはどこにでも隠れているものです。 

   気が重くなりそうな細かく手間な作業ですが、努めて事務的に受け入れていきます。 

   こんな事ぐらいで、くじけず確実に処置していかないと、今までの苦労が水の泡です。 

   でも、この調子で手入れしていてゴールにたどりつけるのか〜!? 

   復活への道のりの長さを感じると同時に、メカの信頼性って部分を考えさせられました。 

      
 

 
 取外した排気バルブです。 
 これで1シリンダー分。 
 左が掃除後で右は掃除前の状態。
 
 
 分解した排気バルブ です。 
 右端のバルブのスライド溝が光っている〜? 
 長いバルブがNO1、短いのがNO2、丸いベース付がガイドです。 
 NO1は、アクチュエーターで強制開閉されます。 
 NO2は、ピンを押すスプリング力で閉じています。 
 NO2は、NO1が最も開いた時にスライド溝の端がピンに当たる為、スプリングを圧縮して開きます。 
  
 
 2つのバルブは、ピンとスライド溝によって位置決めされながらも、くっついてはいません。 
 ところが、ピン穴が緩んでピンがずれて、スライド溝の底を削ってしまいました。 
 こうなると、NO1の動きにNO2が常時、動かされる事になります。
 
 
 これが緩んだピン穴の状態です 
 スプリングピンが全くフリー状態です。 
 しかも、ピンがテコとなって強く押し付けた為にだ円形になってしまいました!
 
 
 ピンが溝の底を削っている状態です。
 
 
 こちらが正常な分です。 
 ピンは、まったく緩んでおらず、スプリングピンも機能しています。 
 高温でも大丈夫そうです。
 
 
 スライド溝を深い方に合わせて削っています。
 
  
 出来上がりました〜
 底の厚みも充分ありますので、大丈夫でしょう?
 白い筋は、縦横の水平を確認した時の物です。
 
 
 ピン穴の方は、インサートを入れる為、ひとまわり大きい穴をあけます。
 
  
 5000系を焼き嵌め後に穴を開け直し 
 
  
 左がピンを打ち直したバルブです。 
 
  
 摺り合わせを充分した後、排気バルブの組付け完了! 
 
  
 トラブルの発生メカニズムは、ピンが緩んで抜けかける為、溝の底との干渉が発生しているとわかりました。 
  
 両シリンダーともに、同じ側の一方だけがトラブルを生じていました。 
 単なる偶然なのか、必然性が有るのか? 

 この様子じゃあ、ちゃんと機能していない排気バルブが世間に沢山有りそうだ! 
 

 
  
 もう一つのシリンダーの排気バルブも同様に引っ掛かった痕が有りました。 
 
  
 やはり、ピンが抜けかけていました。 
 
 
 排気バルブの組付けには、もちろんスーパーゾイルを塗布
 
 
 取付けビスには、緩み止めのネジロックを塗布
 
   
排気バルブの不具合は、症状としてはわかりにくいかもしれません。

通常使用域で高回転高負荷時のポートタイミングになっている可能性が‥‥

トルクがやせる程度ですから、気付かないか経年劣化とあきらめているかも‥‥
  

 

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