危険なDIY

DIYの中には、全く新たに作り出すものではなくて、既に有るものに手を加えるスタイルもあります。
これは、既に土台や骨格という物の本質が出来ている為、誰もが取り組み易いといえます。
その為、知らない間に、危険な改造を加えている場合もあるわけです。

そんな例の中で、特に気になるのは、最近流行のラティスフェンス!
家の周りのあちこちで、目隠し効果を狙って使用されています。
今や単価の安い物も出回り、素材として重宝するのですが、問題は取扱い方。
危険性をわかった上で、何らかの対策を講じてあれば随分違ってくるものです。
まあ、自分自身も事例集でやっているので、誤解を招きそうですが‥‥‥

よく見かけるケースとして、既存の塀等に目隠し効果を狙って追加する場合があります。
この場合には、その元々の塀の状態をしっかりと検討してみる必要があります。
大体、外構付きの建売住宅等で、取り敢えず囲ってありますってフェンスは、アルミの形材フェンスの場合が一般的です。
これは、梯子を横にしたような縦格子の風通しの良いフェンスで、よく見かけますよね?
一般に自在柱(フリーポール)式と呼ばれる構造で組み立てられ、いたってきゃしゃな作りです。もちろんコストもそれなり。
薄いアルミの中空パイプで出来たフェンスをプラスティックの部品で連結し、それを同様な作りの柱側面に引っ掛けた構造。
子供が揺すっても頼りなく感じる程度の物ですから、補強も無くラティスを追加出来るようなものではありません!
また、フェンス塀ではなく、低いブロック積みの塀の場合も見かけます。
これは、お隣との境界塀によくあるケースです。
コストダウンか、はたまたコミュニケーションが取れるようになのか、せいぜい4〜5段積み程度と控えめな作り。
で、やっぱりラティスの出番となるわけ!
でも、この場合は、フェンスのような取り付けるための骨が無い〜?
それでは、どうして取り付けてあるかというと‥‥‥
鞍型の金具を塀の天辺に取り付け、そこに1メートル程もある柱が取り付けられています。
もちろん、この金具は、ホームセンターで販売されているちゃんとした物です。
でも、問題は、その使い方です!
ブロック塀の天辺には、笠木という蓋の様な化粧部材が取り付けられている場合があります。
ところが、これは、一般的に塀本体の鉄筋とは無縁であって、モルタルでブロック上部に接着されているだけの物。
最近の笠木なら、番線の埋め込み足が付いてはいますが、果たして有効に活かされているのでしょうか?
ブロック上部には、空洞部分もある為、どれだけの面積で接着されているかは、本来なら外してみない限りわかりません!
一番上の段を横筋ブロックにして鉄筋を入れ、そこに、笠木の番線を引っ掛けてあるというのは、あくまでも理想!?
予め、子供が塀の上で走り回っても絶対に取れないようにとか、そのようにするように念を押すとかでもしていないと‥‥‥
では、そうでないとすれば、どんな状態にあるのでしょうか?
天辺の笠木を1メートル程の柄が付いたレンチ状の物で、むしり取ろうとしている感じ〜!
さらに、とんでもない例として、棒積み(半枚積み)のレンガ塀のケースまで!!

いやいや、この例だけで、随分長い話となってしまいました。
別に、ラティスが嫌いでも販売の邪魔をしているわけでもありません!
むしろ、問題が発生して、一気に悪者扱いされる事を危惧しているわけです。
強いて言えば、15年も前から、レッドシーダーのラティスを先んじて取扱った者として、安易な普及を憂いている部分はありますが‥‥‥

他にも、これに似た例はいくらでも有ります。
まずは、よく考えましょう!
DIYで出来るという事と、作って良いかどうか?っていう事がイコールではない点。
作る時も、作ってからも安全で、そして、しっかりと目的を果たせるような〜
さらに、DIYならではのコストパフォーマンスやデザイン、愛着等が伴えば言う事なし!
と言う訳で、DIYに限らず、一番大事な要素は、安全に配慮するって事です。


2005.11.08


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