DIYでもそれらしく作るには?  

何となく、これさえ知っておれば〜といったようなテーマです。
でも、そんなに簡単な方法があるのでしょうか?

DIYがいくら自己満足実現の手段であるといっても、苦労して作り上げた物が多くの人に認められた方が良いに決まっています。
家族から 「うちのお父さんは、何でも出来る!」 なんて言われれば益々やる気も出るってもんです。
ところが、書きたくはないですが、不幸にしてその逆になってしまう事もあるかもしれません。
「うちのお父さん、ろくな物作らへん!」 「近所の人、笑ってるで!」 「かっこ悪うて、友達呼ばれへん!」
「こんなんやったら、買った方がましや〜!」
う〜ん、グサッとくるものがありますね〜
でも、お父さんの努力を知りながらの評価がこれって事は‥‥‥?
家族の視線にくじけず、強い意思で作り続けるお父さんの姿が目に浮かびそうです。

では、どうすればそんな状態から脱する事が出来るのでしょうか?
DIYでも、それらしく見える方法。
それには、ちょっとしたポイントを知っておく必要があります。
果たして、それはどんな事でしょうか?
ちょっと、考えてみると‥‥‥
技術的に無理な部分がない、費用がそれなりに掛かって見える、全体のバランスが良い、見た目が綺麗‥‥
この他にも、色んな事が見た目や出来栄えを左右すると思われます。

家族の評価なら、使い勝手やデザイン、仕上げの綺麗さ等が重要でしょうか?
でも、この際、誰が見てもそれなりには、認めてもらえる程度の物を目指してみませんか?
これから、一つ一つポイントをあげて考えてみたいと思います。
もしかすると、とっても長期間に及ぶものになるかもしれません。
なぜならこの事は、すなわちより良い物を作るという、至極当然の考察であるからです。
皆さんも是非一緒に考えてみて下さい。
もしかすると、プロはDIYらしく見えないように気をつかっているかもしれませんよ!?
2003.12.11
 
Copyright  2001〜2005 Makoto Nagai. All rights reserved.
 



明解な目的

これは、当り前といえば当り前の事。
作る以前の話になってしまいますが、とっても大切な事に間違いありません。
そもそも、普通は、意味のない物、わけのわからない物をプロに頼んでまで作りませんよ!
要するにどういう事かって考えてみると?
わざわざ作るからには、目的のない物は、確かに無いでしょう。
例えば、凡人には、わけのわからない芸術であっても、作者の意図する目的はあるはずです。
そして、それが住まいに持ち込める作品であれば、そこに持ち込む人の目的も生まれます。
部屋を飾りたいとか、鑑賞して楽しみたいとか。

では、目的がないDIYなんて‥‥‥
そんなのやっぱり、無いにきまってます〜!
でも、明解なって付いてるところが、実は大切なポイントなんです。
それでは、明解なっていうのは、何が明解なのでしょうか?

一言でいえば、それは作者にとっては当然として、見る側にとっても明解かって事です。
そこで重要な鍵を握るのが、見る側の判断の基準はどうなのかって点です。
DIYによって生み出される物は、住まいにあって見られるわけですから
まず、住まいにとって必要な目的か?
簡単に言えば、普通の生活において必要とされるような物なのかどうか?
違った言い方をすれば、町で見かけた事があるような物なのかどうか?
一般の人に、これは何をする物? 何の為に必要なの?
って思われる物では、細部の評価以前の段階で終わってしまいます。
そういう明解さですから、いくら目的がはっきりしていても同様な場合もあります。
泳ぐ為ってわかっていても、20坪の庭全部をプールにしたりとか、観覧車を建ててみたり‥‥‥
おかしな物作ってはるわ、わけのわからん事するな〜、あんなん作ってどうするのん?
挙句に変わった人やな〜なんて!
別にひとの為にするわけじゃないんだけど、変人呼ばわりされたんじゃたまりません。
どうせなら、何を作ってはるの?とか、精が出ますね〜ぐらい言ってもらいたいですよね?
でも、最近では、こうやって世間をかまう人も減ってきました。
その結果が、治安の悪化などに現れているとしたら‥‥‥
DIYは、町の活性化や治安向上にも効果あり?(余談)

一般の人にとっては、既製品が当り前、「帯に短し襷に長し」に囲まれて生活しているんです。
そこへ、至れり尽くせりのこだわりDIYとくれば、奇異に映るのも致し方ないところでしょう。
でも、出来れば、既製品にも負けない仕様の作りで プロが「ようやるわ!」って舌を巻くような
そんなDIY冥利に尽きるものを生み出せたなら‥‥‥

その為には、まだまだ、押さえておかなければならないポイントが有りそうです。

2003.12.11
 
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必然性のある製作

少し、重複する部分もありますが、明解な目的が人目で見ての事とすれば、これは家族でこその部分といえます。
こればかりは、実際に生活していないとわかりません。
もしや、地域の人の為にってDIYされている方もおられるかもしれませんね!?
それなら、その素晴らしいDIYも含めての事です。
いくら明解な目的があるDIYであったとしても、独りよがりでは良い物にはなりません。
必然性とは、誰もが求めている納得出来るDIYの意味です。
思いつきではなくて、不便を感じて改善する場合は、まさに必然性のある製作でしょう。
それが、実体験に基づきプランされる分、無駄の無い優れた物になるのは当然です。
それに引き換え、こんなのがあったらいいな〜の段階では、まだまだ洗練されていないと言えるのではないでしょうか?

DIYは、技術的に出来る人が、自分の楽しみがてら思い立つのが普通でしょう。
でも、それを実行に移すまえに、家族の意見を聞きながらじっくりプランしてみるのが良いのでは?
そして、大した意見が出ないときは、無理強いせずに時期尚早と判断した方がいいかもしれません。
逆に、どんどん具体的な要望が出てくるようであれば、これは頂き状態に違いありません!
それが、たとえ、相反するような厳しい条件を突きつけられる事であったとしてもです。
困難や高い要求があればこそ、やりがいも知恵も湧こうってものです。
人の意見をしっかりと聴き、限られた条件の中でプランを練る。
技術的な考察や優先順位付けなどの話し合いをへて、誰もが納得できる案にまとまればGO!
その結果、これ以上ないスペシャルなDIYが実現します。
言ってみれば、DIYの発案は、誰であってもいいわけです。
むしろ、自分ではない方がいいのかもしれません。

仮に、これがプロの作業であれば、微に入り細に入りの気苦労と手間の多い大変な作業になります。
高級な既製品をあてがうのとは、まったく割りが違うわけです。
でかけりゃ良い、金がかかってりゃ良いってんで、良い物には余りお目にかかりません。
それよりも、な〜る程とか、よくぞここまで!といった、アイデアと努力の成果に舌を巻くものです。
最後に、必然性のあるものは、後々も大切に手入れされるって事も重要ですね!

いよいよ、DIYのスタートラインが見えてきたようです。
何となく、それらしいものが出来そうな予感がしてきましたね!?

2003.12.16
 
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計画的な実行

これは、誰もが望むDIYテーマだし、やる気も満々、何となく楽しめそうだし‥‥‥
さあ、いよいよ機は熟したっていう時に何ですが、ちょっと待った〜です。
そこで、大切な事!やるからには成果を出さないといけないんです〜
それなりのものを作る為には、まだまだ押さえておきたいポイントがあります。

まず一番に、DIYを実行に際しての最も大切な事で当り前な事。
それが、計画性でしょう。
計画には、全ての事が含まれてしまいます。
それは、デザインや素材、サイズ等の仕様や予算、それにスケジュールや段取り等を考えたり決める事。
要するに、スタートからゴールに至るまでのレールをきちんと敷く作業です。
でも、やる前から先が見えると面白くない、それなら仕事をしているのと変わらないじゃないか?
という声が聞こえてきそうですね!
正にそのとおりかもしれません。ただ、それらしく作れる可能性を高めなくても良いならば?って
そうです、”失敗は成功のもと”って自分に納得させるしかないような結果を少しでも避けようとすれば‥‥‥
もちろん、やっていく中で計画よりもどんどん良いアイデアが加わって‥‥‥と計画から外れるのは大歓迎!
そんな意外性もDIYの良さに違いありません!
その為にも、事前にマイナス要因は、無くしておくに越した事はありません。

計画をするというのは、旅行プランを立てるのと同じようなものです。
旅行に行くとして、何もパック旅行のように分刻みに、しかも、おみやげを買う店まで決めてしまいませんよね?
たっぷりと自由時間も有れば、予算に余裕も有るはずです。
でも、安心して楽しめるように宿泊先はもとより、ルートや交通機関の確認や手配はするのが普通でしょう。
それに加えて、地図やガイドブックも念の為に用意して!
そして、雨が降ったらどうしようとか、気候の違いやちょっとした病気やケガの事も考えるのではないでしょうか?
そうやって、少しでも楽しく充実した旅行を体験しようとしているんですね!
DIYも同じ事、ケガ無く事故無くは当然のこと、より楽しくより素敵な成果を導く為に‥‥‥
事前にある程度のレールは敷いておかないと〜

そんなレールを敷く上でのポイントって?
いよいよ、それらしく作る為の具体的なポイントが見えてきそうです。

2004.05.20
 
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調和の取れたデザイン

DIYのテーマが仮に家具等のような単品の物であったとしても、その機能性に加えて、周囲とのバランスにも留意しないといけませんね。
それが出来ると出来ないとで、そこに技術レベルの差が露呈してしまうわけです。
それを作るので精一杯だったんだなって!
建物には、木造軸組み、2×4、鉄骨、RC、CBといったように幅広い素材や工法があります。
同様に、DIYテーマで求める物や目的であっても、方法は山程あるわけです。
その中から、自分なりにより良い組み合わせを選んだ結果が作品?
当然、知識や技術、経験といったものが、組み合わせの数を多くも少なくもするわけです。
もし、DIYでなくて、買ってくるだけの場合、例えば、収納ケース。
良いなって思った時、当然サイズ、色、素材、コスト、将来の発展性等を住まいと照らし合わせて検討しているはずです。
調和の取れたデザインって、それとまったく同じ事なんです。
木工道具が揃ったからって、何から何まで木で作れってんじゃなくて‥‥‥

そのバランスというのは、形や大きさ、色合いといった見た目だけの事ではありません。
強度面、耐久性等にも影響する素材や工法といった本質に及ぶものも含めてです。
例えば、デッキが既製品のキット製でレッドシダ−にステン釘であるのに、手摺が自家製のSPFにコーススレッドだとか‥‥‥
何も自作の手摺をけなしているわけではありません。
この場合は、床が良過ぎるんです〜
それなりに見せようと思えば、ちょっと手配が大変ですがレッドシダ−材を使うのがベターです。
そうすれば、色合いや肌触りといった見た目と耐久性も一体化!
さらに、床材が面取り仕上げであれば、手摺も同様に仕上げた方がよく馴染みます。
また、家具を無垢材のDIYで揃えたのに、ドアが木目プリントのフラッシュ戸だったり‥‥‥
細かな例をあげれば、金具一つ、ネジ一つでも重要なのです。
補強金具が塗装仕上げ、ユニクロ、亜鉛メッキ、クロム、ステンと雑多に混在したりします。
気が付けば、ステンだけがピカピカしていて、全部ステンにしておけば〜なんて。
もっと極端な場合は、アルミやステンの部材の中で、ビスだけが真っ赤に錆びていたり。

以上のように、同じ住まいの中で役割を担う物は、何がしかの共通性を持っている方がセンス良くまとまります。
住まいを言わば一つのステージだと考えれば良いのではないでしょうか?
ステージには、時代設定や場面などの雰囲気が作られ、時間の経過も表されます。
だからといって、新しく作った物を無理に汚す事まではしなくて良いと思いますけど‥‥‥

そして、調和という意味において忘れてならないのがコスト面です。
簡単に言えば、住まいのハード面でのグレードの統一?
普通は、先に述べた素材や工法、大きさ等といった調和を図るとコスト的にもバランスが取れてくるものです。
ところが、意図的に一点豪華主義っていうのを繰り返していると、住まいがグチャグチャになってしまいます。
また、そうではなくても、生活水準は、自ずとライフサイクルとともに変化するものです。
その中で、時系列的にDIYがなされていくわけですから、気が付けばグレードがまちまちって事にもなるわけです。
一度にやってしまうなら別ですが、将来の姿を常に描きながら今の仕様を考える事も必要でしょう。
そうすれば、永くマイペースで楽しめるし、どの時点で切り取っても金太郎飴のごとく調和が取れているってはずですから。
 
2004.11.26
 
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