耳寄りな情報 
 
 
梅雨にする簡単な外回りの点検
 
        
 
 
   
とゆは千差万別! 

建物と屋根の有り様に応じて、上手くも下◯にも‥‥‥ 

屋根の上の事は、あまり縁が無くても、下に降りてきた所では〜? 

こんなところに水が流れたら困る〜とか、クルマを入れにく〜いとか、ガーデニングの邪魔〜とか 

さらには、詰まり易いとか、壊れ易いといったとゆの機能そのものにも差が出る事も! 

板金屋さんまかせで、後からとってつけたみたい〜 とは言いませんけど‥‥‥ 

今回は、そんなとゆが、耳寄りな情報の主役で〜〜す! 
  

 
*注) とゆは、正しくはといですが、とよとも呼ばれます。 
 
  
 今年の梅雨は、今のところ、いつになく本格的! 
  
 じとじとじとじとと、本当に乾く暇がありません! 

 さすがに、ここまで湿気どおしとなると、普段の時期には見えない不具合も色々と目に付いてきます。 

 その中で、一番に点検しておきたい事は、やはり雨水に関係する部分です。 

 では、雨水に関係する部分には、どのような物があるのでしょうか? 

 屋根、外壁、窓、基礎といった建物そのものと、とゆ、排水管、排水溝や会所枡、側溝といった建物に付帯する排水設備など 
  
 でも、屋根や外壁といった建物については、構造によっても様々に状況が変わってきます。 

 また、梯子や脚立等の道具の有る無しによっても点検に際する条件が変わってきます。 

 簡単にいえば、たとえ梯子が有っても、屋根の上(特に軒先き)は危険ですし、瓦を踏み割ったら本末転倒になるし‥‥‥‥ 

 そこで、大きな不具合が有るのか無いのか、或は、それを少しでも未然に防ぐ(自己満足かも)といったような程度の‥‥‥‥ 

 今すぐにも出来る簡単な点検をしてみましょう! 

 あっ!そうそう、今すぐですけど、雨が降っている時に点検するのが大切なんです〜! 
 

 
 
 まずは、全体の様子(流れ)を知る事です!
 
 点検の第一歩は、建物の屋根に降った雨がどのように排水されるかを把握する事です。 
 屋根から道路の側溝までを目で追ってみましょう!

 例えば、2階の屋根は、北の面が1本の軒どゆに受けられ、両端のじょうご(集水枡)から呼びどゆをへて竪(たて)どゆで地面へ。 
 南の屋根は、同じく両端のじょうごから竪どゆで2階の外壁を降り、1階屋根上を走りどゆで軒先きまで、そこで軒どゆに合わさり、1階の屋根の水と共に両端のじょうごからたてどゆへ。
 たてどゆは、排水管へ接続され会所枡に流れ込みます。
 それぞれ2ケ所の会所枡は、排水管で結ばれ、最後は側溝へ流れ出します。
 こういった事を、屋根のすべての部分について、抜かりなく把握するわけです。
 その上で、いざ雨の日にそのとおり機能しているかを目で見て、音を聞いて点検してみましょう!
 
 

  
 切り妻の急な勾配屋根にドーマー風の小屋根 
 小屋根と大屋根の境には、小さいけれど谷どゆ付き! 
 谷どゆは、カラー鉄板や銅板を谷状に曲げて瓦の下に敷き込まれています。 
 小屋根で3分割された軒どゆには、それぞれじょうごとそれに続く竪(たて)どゆがあります。 
 向かって左の2本は、途中で合わせ枡で1本にまとめられています。 
 また、竪どゆは、1階のデザイン的な小庇によって、クランク状に曲げられています。 
 大きな雨では、軒どゆを越えてしまいそう? 
 谷どゆの傷み、竪どゆの詰まり、軒どゆの下がりに注意? 
 谷どゆの傷みは、雨漏れに直結しますので特に注意です。
 
  
 この家の場合は、寄せ棟屋根ですから軒どゆがコーナー継ぎ手(軒曲り)で連結されています。 
 特徴としては、向かって左の竪どゆにベランダ排水が合流している事。 
 また、向かって右端の屋根隅が北側斜線カットにより変則的な形になっています。 
 その為、軒どゆに高低差がつきコーナー継ぎ手が使えず、それぞれの竪どゆを途中で1つにまとめて降ろしています。 
 竪どゆとベランダ排水穴の詰まりに、注意といったところでしょうか? 
 
 
 
  ポイントと注意点    写真と説明



 竪(たて)どゆからの排出
   

 たてどゆからの排出は2通りです。 
 そのまま地面に排出する場合と埋設された排水管に接続される場合です。 
 そのまま排出する場合は、エルボ(曲り材)を付けて、建物から水を遠ざけます。 
 ところが、左の写真のようにコンクリート土間で勾配をとってあっても、浸透して背後にまで水気がまわっています。 
 雨の吹き込みなら仕方ないですが、いくら基礎が高いといっても何とかしたくなりますね! 
 ところが、建物から遠ざける為に、地面にパイプを這わすと踏んで割れるのがおちでしょう。 
 そこで、右の写真のように、埋設した排水管に接続するとベターです。 
 同じ雨の軒下であっても、こんなに違ってくるわけです。 
 ただし、右の場合も弱点がないわけではありません! 
  
 ここで点検のポイントです。 
 それは、雨の量に応じて、ちゃんと流れ落ちてきているかどうかが、とゆ全体の点検において重要です。 
 ということで、右の場合の弱点は、流れがそのままではわからない事です。 
 すぐ側に会所枡が有れば、そのたてどゆからの流れ込みを確認出来ます。 
 また、簡単な方法は、たてどゆに耳を当てて音で確認する事です。 
 強い雨ならバシャバシャ、ゴーゴーと、弱い雨ならサラサラと。 

 多少の時間的なズレは有っても、変化が無くいつもサラサラという状態では、上の落ち口が詰まりかけている? 
 その結果、軒どゆに溜まったものが、少しずつ時間をかけて落ちているのかもしれません? 
 もし、たてどゆの外面を伝って流れ落ちているようでは、詰まってあふれている可能性が高いでしょう。 
 こんな場合は、逆に雨が止んでからもポタポタと落ち続けるものです。 
 もちろん、激しい雨にも弱々しく落ちていれば、即、疑わしいわけですが、他との比較でより判断がし易くなります。 
 この時に、最初に取り上げた全体の様子が重要になります。 
 それは、小さい屋根面積をまかなう物と大きな屋根面積をまかなう物とでは、流れに差が生じるのが当然だからです。 
  
 以上は当たり前のようですが、これを見逃して放置すると、溜まった水の重みで軒どゆがたわんで変形したり垂れ下がります。 
 そうなると雨がこぼれ落ちて、はねで基礎まで湿気させる事にもなります。 
 また、土やごみが残り易くなる為、苔や草が生えたりと屋根にとっても悪影響です。 
 たてどゆの外を雨水が伝う場合ならば、外壁も傷みます。 
 もちろん、とゆが傷むのは言うまでもありません! 
 




(補足)色んな工夫は?
   

 瓦を使って工夫したつもりの物が2例 
 左は、瓦で水を遠ざけようとしたものですが、バチャバチャと不規則に出てきますので、はね返ったりして狙い通りにはいけてないかも? 
   
 右もやはり瓦を使用しています。 
 柱元へのはねを防ぐ狙いのようですが、はねは無くとも水気は背中側にも全体に広がっています。 
 

   

 磨き御影石の束石は、コンクリートと違って水の吸い上げが有りません。 
 でも、苔が付いてくると苔によって水が吸い上げられ、上へ上へと上がってくる事も。 
 右は、土間への水の広がりを土手状のコンクリートで防いでいます。 
 パイプと違って踏み割れは防げますが、つまずかないように工夫は必要です。 
 




 軒どゆから竪どゆ
  

 足元の点検が出来て、特に異常がなければ終わったも同然です。 
  
 でも、念のためにちょっと上を見上げて下さい。 
 双眼鏡まで使わなくても、まずは、ざーっと全体的に〜 
  
 まずは、軒どゆから 
 雨が降っている時に点検すると、水の重みによって変形している状態も見つけられます。 
 普段は、問題なく緩やかな勾配で真直ぐにじょうごに向かっているのに、いざ、雨が降ると〜 
 重みでたわんで横に溢れさせていたり、継ぎ手止まり(エンドキャップ)から漏れて、ポタポタ落ちていたりします。 
 もしこういった事が起っていると、建物の外壁や基礎に水はねをかける事になります。 
 すぐにどうこうはないんですが、放置しても決して良くはなりません。 
 とりあえず忘れないように記録して、ついでとか何かのタイミングで修理が必要です。 
 じょうごの掃除で直るのか、軒どゆが劣化して弱くなっているのか、受け金具が弛んでいるのか? 
 軒どゆが腐食しているのではなくて変形だけであれば、受け金具を追加して矯正出来るかも? 
 また、忘れてならないのが、梯子掛けによっての変形です。 
 梯子に押されて、軒どゆが手前におじぎしてしまうのは仕方ない? 
 大事な事は、梯子の掛け方、場所を考えてもらうとか、その後の具合を大丈夫か気にしてもらう事です。 
 どうもだめって場合は、脚立とかで直しましょうか? 
 でも、脚立の天板には危ないですから立たないようにして下さいね! 
  
 軒どゆに取付けられているじょうごしぶき板については、次項で説明します。 
  
 次に、竪どゆは、じょうごとの接続部や曲がりの部分をよく点検します。 
 じょうごとの接続部には、エルボが差し込まれ、はめ込み式で回るように出来ています。 
 それによって、竪どゆを最適な外壁に配置する事が出来ます。 
 でも、その為に古くなると、接続部が破損しやすい面があります。 
 さらに、じょうごから斜につなぐ呼びどゆに、途中を支える金具が無い事も要因です。 
 じょうごから溢れていないか、接続部から漏れていないか? 
 竪どゆの接続部が外れたり、漏れたりしていないか? 
 また、ボール遊びや物を当てて、途中でも割れている場合があります。 
  
 竪どゆで直せる部分の場合は、とゆ補修テープを巻いたり、部分的に取替えたりします。 
 竪どゆの止め金具(つかみ金具、でんでん)は、引っ掛けや割ピンを外す事で口が開きます。 
 割れた部分を歯の細かいノコで切り取って、とゆつなぎを用いて新しいとゆと差替えます。 
 継ぎ目には、塩ビ用の接着剤を使用します。 
 とゆの購入については、メーカーを統一した方が無難です。 
 塩ビ製の場合は、主にタキロン、エスロン、ナショナル、三菱が使われています。 
  
 詰まりについては、梯子がないと難しいところですが、 
 理屈からいうと、下の出口にピッタリと掃除機をあてると取れるかもしれませんね? 
 




 しぶき板、じょうご
   
  
 しぶき板は、軒どゆからのはねが飛散するのを防いでいます。 
 でも、どこにでも付いているわけではありません。しぶき板が付くにはわけがあるのです。 
 その部分には、2階屋根からの竪どゆが合流しているんです! 

 まさに、そんな無茶な〜! といった感じの取り合いでしょう? 

 2階の屋根から降りたとゆが、1階屋根の瓦の上を軒先きまで横たわり(走りどゆ)、そして合流しているのです。 
 その1階部分の軒どゆも竪どゆも、その屋根面積以上の負担になっているわけです。 
 ですから、そういった目で、よく点検して下さい。 
 それと、当然ですが、はねが軒先きを濡らしたり、溢れたりしていないか? 
 もし、無理があるな〜って場合は、近くのじょうごで合流させます。
 その場合には、じょうごにしぶき板を取付けます。 
 また、じょうごの部分の軒どゆの落とし口も大きくしないといけません。
 近くになかったり、無理がある場合には、その付近にじょうごを追加し竪どゆも追加して降ろす事です。 
 
 じょうごは、それ自体が金具で支えられたりしていません。 
 軒どゆに引っ掛けて、針金で縛ってある程度です。 
 その為、台風などで外れかけていたり、一部が割れたりしている事もあります。 
 また、重みで下がっている事もあります。

  えっ! 下がってていいんじゃないの〜? 
 そうですね、軒どゆの水がスムーズに流れ込むように勾配が付けてはあります。 
  左右2ケ所のじょうごが付いておれば、軒どゆの中間が中央分水嶺? 
 そうですね、雨水の量に応じた配分がされているはずです。

 ところが、異常に下がると軒どゆの曲がりがきつくなる為、弓のようにたわみが他へも影響していく事もあるわけです。 
 それで、受け金具の間隔が広かったり取付が弱かったりすると、止りの方が下がってしまったり。 
 それに、じょうご付近の瓦と軒どゆの高さが広がる為、大きい雨では飛び越してしまうようになります。 
 こういう状態が見つかれば、何が原因かを調べて対策をします。 
 ごみが詰まって水の重みで下がるのであれば、掃除も必要です。 
 よく詰まるのであれば、軒どゆの掃除や、じょうごへの落とし口を広げないといけないかもしれません。 
 受け金具が緩んでおれば打ち直しや付け替え、さらに追加出来れば効果的です。 
 また、竪どゆがずり下がっておれば、それも直しておかないと、じょうごをきちんと上へ戻せません。 
 もちろん、つかみ金具が緩いようであれば調整しないと、またなるかもしれません。 
 




 会所枡、地面
   

 会所枡は、雨水を敷地外へ排水する排水管の途中に設けられています。 
 敷地の中で、上流から下流へと数カ所あるのではないでしょうか? 
  
 まず、第一に点検するのは蓋の穴! 
 蓋の穴は、開ける為だけにあるのではありませんね? 
 そうです、地表水を速やかに排水する役目があるんです。 
 建物の周りの湿気を少なくする為には、たとえ雨が降っている時であっても、どんどん排水させるのがいいでしょう? 
 という事で、周りに溜まった土や雑草を取り除き、穴はちゃんと掃除しておきます。 
 もし、まわりの地面の方が低い場合は、土を足して地表水の会所枡への排水を図ります。 
  
 そして次に、泥溜めとしての点検です。 
 右の写真は、蓋を開けたところです。 
 左側の小さな穴からとゆの水、そして、蓋からの地表水が流れ込みます。 
 水に混ざった土や砂は、枡に沈澱させられ、上澄みが上側の大きな排水管へ流れます。 
  
 その為、たまには泥掃除をしないと、地中の排水管が泥で埋まってしまいます。 
 パイプに泥がいったん溜まると、流れが緩やかになってますます溜まりだします。 
 泥は、たまに掃除をしている場合は、綺麗な砂状でどぶ臭くなりません。 
 すくって、花壇や植込みの低い所に入れる事が出来ます。 
 




 床下換気口、基礎
  
  
 床下換気口の周りには、植木鉢や収納ボックス等を置かず、風通し良くします。 
 もし、他に置く場所がない場合は、台を用いる等して風の道を塞がないように。 

 換気口のメッシュには、クモの巣や落ち葉などが付着していますので掃除します。 
 写真の場合は、開口もメッシュの目も大きく、いかにも風通しが良さそうです。 
 メッシュの目が細かい場合には、ライトで照らしてみると中まで綺麗か点検出来ます。 

 床下換気口が設けられている建物の基礎には、家の土台が取付けられています。 
 その為、基礎を濡らすと、土台へ直接的に水気が及ぶ事もあるわけです。 
 最近の建物では、基礎が高く、地面の水気が基礎まで浸透する事はないでしょう。 
 でも逆に、最近の建物は軒が浅くなっている事や、2階屋根だけで下屋がない事もよくあります。 
 こうなると、外壁や基礎を直接的に雨でたたかれる事も増えるわけです。 
 吹き降り等で外壁に雨がかかっている時に、外壁の下端の水切れを点検します。 
 1段奥まった基礎には伝わらず、地面へポタポタ落ちていれば良い状態です。 
 写真では、上の白い壁からポタポタと直接地面に落ちればOKということです。 
 外壁と基礎の段差が少ない場合には、水切れを良くする為に、水切り金物が取付けられています。 
 基礎の一部だけが濡れている場合は、その部分の水切れが悪い証拠です。 
 金物の継ぎ目のコーキング不良や物をぶつけて凹んでいないか? 

 また、建物の周囲の物によって雨水が跳ね返り、折角の水切りが無意味になっている事もあります。 
  
 建物を濡らすような物については、対策を講じたほうがいいでしょう。 
 そんなの無理〜!  う〜ん、せめてこの時期だけでも〜って事です。 
 たとえ、それが外壁であっても、余分に濡らさない方がいいにきまっています。 
 素敵なウッドデッキもそういった面では、要注意って事になりますね!? 
 




 側溝と会所枡
  

 家の前の側溝は、敷地内の雨水が最後に流れ込む所です。 
 大きな事は、一斉清掃日までは出来ないかもしれませんが、出来る事は内外分け隔てなくやりましょう! 
 もし、側溝が溢れると道路だけではなく、敷地内の排水も出来なくなる訳です。 
 会所枡のごみ取りの様子や、全体の流れの様子を点検する程度であれば簡単な事です。 
 




 その他
  
  
 ガーデンウッズにとっても、この梅雨は大変な時期です。 
 アウトドアステインをしっかりと塗り直して備えます。 
 写真のようになっていれば、安心ですね! 
  
 家の中の湿気対策も色々されていますか? 
 ここでは取り上げませんが、特に湿気で困るお風呂場について、ちょっと 
 換気扇があるから大丈夫って、簡単に決めずに点検しましょう! 
 カバーが目詰まりしていないか、ファンが勢いよく回っているのか? 
 クモの巣や繊維埃などですっかり詰まっていたり、錆び付いて羽根が見える程にしか回っていない事もあります。 
 
 
 建物の寿命を大きく縮める要因としては、腐朽しろありの食害がまずあげられます。
 どちらも、水気、湿気と強い関連があります。
 室内のカビと同様に、外回りの環境についても意識して改善していきましょう!
 まわりの環境が、当然建物内部にも、人の健康にさえ、大きく影響しています。
 エアコンで部屋は快適に出来ても、ドレーン(エアコンのつゆの排水)が基礎を水浸しにしていたら?
 
 ねっ! 外回りにも目を向けてみましょうよ!
 
 
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2003.08.05

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