ワンポイントコラム

 

 
汚れというのは、この世の中に物が存在する以上、必ず生じる事であるのは言うまでもありませんね。
ところで、「汚れ」と「汚らしい」というのには、違いがあると意識したことあります?
その物自体が劣化して「汚く見える」のと「汚れ」とでは、区別する必要があるという事です。
だから、そこに、手入れの差もあるわけですね!
「洗う」と「磨く」、作業のどこかで、その一線を越えているはずです。
人(オヤジ?)に例えるなら、無駄毛手入れは、磨きの段階に入っていると‥‥‥

では、話を「汚れ」に戻しましょう!
「汚れ」は、生活のあらゆる場面で避けては通れない現象。
そして、それは多くの場合、汚い、見苦しい、不潔といった良くない状態として扱われます。
その為、汚れを綺麗にする事が手入れの第一歩のように考えられていますね。

確かにその為の道具やケミカル類は数限りなく販売されております。
そうやって、汚れをネタにどれほどの産業が成り立っているのか、見当もつきません!
汚れるから綺麗にする!
しかし、本当にそれだけでいいのでしょうか?
本当に大切な事は、汚れを落す前に「なぜそのように汚れたか?」
と、汚れを観察し、原因を推察することではないでしょうか?

それでは、汚れについて少し考えてみましょう!
生活の周りで、目に付く汚れにも色んな種類があります。
窓ガラスについた雨の痕、外壁の目地の汚れ、スイッチ周りのクロスの手垢、ガスレンジ台の油汚れ、お風呂のタイル目地の汚れ。
自動車の泥はねの痕、ボンネットの鳥の糞、バイクのチェーン周りの汚れ‥‥‥etc.
今、見ているパソコンのモニタースクリーンやキーボードも汚れているのかも?

それらは、それぞれに個有の原因があると思われます。
窓ガラスの場合なら、黄砂混じりの吹き降りで止むを得ない場合もあるでしょうし、単に庇が短い場合もあります。
外壁の目地では、シリコンシーリング材による汚損が原因の場合もあれば、モルタル壁の誘発目地が細かなクラックを生じた事が原因の場合もあります。
ガスレンジであっても、天ぷら鍋の形や調理の仕方などによって差が有るかもしれません。
ガラストップなら、日頃の手入れがし易いのに〜って、いきなりレンジ原因説にしてません?
さらに、どうしようもないような鳥の糞でさえ、もしかすれば、駐車場の上にちょうど良い止まり木があるのかもしれません!

このように、身近な部分であれば、ある程度の推察「汚れについて知る事」は出来るのではないでしょうか?
一旦は、汚れを綺麗にするとはしても、この次は、手入れが楽になるような〜
しかし、汚れを知ったとして、汚れの原因を取り除けば良いといった簡単な事ではありません。
それは、取り除きようがない、即ち、一見止むを得ない汚れっていうのも沢山あるに違いないからです。
しかし、だからといって簡単にあきらめるのでは進歩がありません。
単に汚れを無くす、防ぐという考えではなく、「汚れとの付き合い方」とでも言うか‥‥‥

じゃあ、汚れと仲良し(気にしない)になれっていう事?
い〜え、そうではありません。もう少し、柔軟に、幅をもってお付き合いしませんか?と言いたいわけです。

汚れを防ぐという事でも、簡単に「無理!」ってせずに段階的に〜
これでだめなら、これがあるって感じで考えて。
汚れの元を作らない、汚れの元が付き難い、汚れても目立たない、汚れても落し易い。
この汚れを防ぐステップは、大抵の汚れについて活用出来ると思います。
汚れの元とは、外壁の泥はねであれば、庭の土であったり、トユから溢れた雨垂れかもしれません。
そして、同じ凸凹した吹き付けの外壁仕上げであっても、スタッコよりもボンタイルなら付着し難いでしょう。
それに加えて、白い外壁よりもグレーやベージュ系統の色が目立たず、さらに、滑らかなサイディングやタイルなら汚れを落す事も容易です。
この例であれば、地面の工夫(芝生や砂利)やトユの修理で解決しそうです。
しかし、例えばこれが、道際の塀であったとしたら?
車のハネは、無くせない事かもしれません。
だけど、2段階、3段階の対策によって、汚れは、大した問題とならずにすむかもしれません。

汚れは、多くの場合は、その汚れ方に差(ムラ)があるから問題となります。
例えば、同じ車の中では、給油口の下に汚れの筋があるとか、マフラーテールパイプの周りが黒ずんでいるとか。
そして、車全体としては、他の車との差によって問題になるかもしれません。

しかし、その汚れは、色んな原因を示唆する貴重な情報です。
メンテナンスにおいては、使用環境やコンディションを把握する為の生き証人。
大切な宝物です!
だからって、使いっぱなしの汚れっぱなしが、貴重なデータ作りって喜んでいても何も始まらないからね〜(不具合は起きるかも?)
汚れを生かすも殺すも使う人次第!

最後に、汚れについて、「落す」「防ぐ」以外で知っておきたいこと。
汚れたら取り替える?
汚れを自然と分解する!
汚れを良しとする考え!?

汚れたら取り替えるというのは、モッタイナイの一言に尽きます。
ガスレンジや換気扇等は、既にそれが当り前のようになってる〜
今後、ガラストップがそうならない事を祈るばかりです。
一方では、ハイドロテクトのように汚れを付き難くする技術、さらに光触媒のように汚れを分解してしまう技術まで進歩しています。
もし、汚れという現象が色んな場面で無くなってしまえば‥‥‥
物の形も、いーえ、産業レベルまで、世の中がどれ程変化するのか、想像も出来ません!
また、逆に世の中には、灯篭や庭石のように風合いを出す為に苦労して汚す?物まであります。
余談ですが、あるテーマパークでわざと付けた黒い汚れの演出の上に、本当の白っぽい汚れがやけに目立っていたのを思い出します。
汚れを落したり防ぐのも大変だけど、汚れを作るのも大変なんですね〜

ここまで、「汚れ」について長々と読んで頂く中で、何かしら意識が変わりましたでしょうか?
汚れについて、「汚い!」っていう感情だけで接していると、つまるところは、綺麗いであれば、見えなくなればって事になるでしょう?
汚れを落す事は、裏返せば多くの場合、地球を汚しているという可能性があることを意識しておきたいものです。
単に「汚れは落す」という考えから、「汚れを防ぐ」という事も意識し、さらには「汚れとの付き合い方」という真理を究める見地へと。
「汚れ」についてご理解頂けましたら、画面を汚した値打ちもあろうかというものです。
 
 戻る
ホーム