ワンポイントコラム

 

 

 
根というのは、植物の根の事ですが、これが中々根が深いテーマです。
子供に、木の根を書いてみなさいって尋ねたら?
恐らく、根元から沢山ひげの様に線を引くのではないかと思います。
まさか、ダイコンのような絵を書く人はいないでしょう。
それは、ヒヤシンスやチューリップなどの球根から、そんな根が沢山出ているのを知っているから?
校庭や公園の草引きをしたら、ひげのような根に土がいっぱい付いてきた事を知っているから?
でも、木の根って本当にそうなのでしょうか?

確かに、公園の桜の木は、根元から沢山の根を四方に伸ばしています。
でも、その根は、中には枝よりも太いほどの盛り上がりを見せているものもあります。
実際、根というのは、見えない地中で、想像以上に太く長く、そして大きく広がっているのです。
もし、そうでないなら‥‥‥
それは、むしろ、根に何らかの障害があると思った方が良いかもしれません。
地上の見えるところでは、枝葉が光を求めて広がるように。
根は、地中の見えないところで、水を求めてグングン伸ばしている〜
その結果、枝のように太く長く成長するわけです。

ところが、これがやっかいな事を起こします。
庭の木は、住まいに季節感や潤いを与えてくれます。
かといって、そのままにしておくと、気が付けば薮のようになってしまいます。
そこで、枝葉を剪定したり、間引いたりする事にもなるのですが、その時、根はどうでしょう?
同時に根を切り詰める事は、まずしないでしょう?
伸び過ぎや茂り過ぎた枝葉は管理されても、根は無罪放免なんです。
根の力で植木鉢が割れたり、底の穴から根付いて動かせなくなるなんてのは、ほんの序章です。
地植えされた木の根の力は、そんなものではありません!
四方に伸びた根の一部が、たまたま辿り着いた隙間。
わずかな隙間に入り込んだ根は、そこで水や養分がもらえるとなると、そこでどんどん分化し太くなっていきます。
これが山野で起これば、岩をも砕くって事でしょう。
それが、庭の会所枡や排水管の継ぎ目であれば、コンクリート土間の下であろうがおかまいなしに詰まってしまうわけです。
また、花壇のブロックやテラスポーチの下であれば、持ち上げて割ってしまいます。
ひどい場合なら、建物の基礎コンクリートが換気孔部で割れる事すらあります。
また、傾斜地であれば、擁壁の排水口が詰まると大変危険です。
古い間知ブロックや石積みの擁壁ならなおさらです。
擁壁の近くには、大きくなる木は植えないほうが無難です。

最近の住宅や住宅地は。基本性能が優れています。
庭木で防風や根張りで地震から守ってもらう等とは考えないほうが良いでしょう。
また、最近多いのが庭木の目隠し利用です。
玄関先やお風呂の窓前など、建物に接近して植える事がよくあります。
土壌改良も程ほどで分譲地に植えた場合では、10年程は、生きるか枯れるかって感じなもの。
ところが、急に元気に勢いづく事があります。
植木も見えないところで必死ですから‥‥‥
その時、ある一線、それまでのバランスを越えたと。
例えば、たまたま狭い隙間に辿り着いたとか〜

根の問題と言えば、竹と思う方があるかもしれませんが、あれは地下茎です。
しかも、竹の子が出る事でその存在に気付く事も出来ます。
しばしば、廃屋が竹に埋もれているのを見かけますが、それだって、竹の子さえ切っておけば防げます。
今の家なら、畳が持ち上げられるような事もないでしょう?
とはいえ、竹を庭に植える人は、余程の心得がある場合を除いてはいないと思いますが。

それと、大きくなった木を持て余すって事で、伐採しても根はそのまま?
そこにシロアリが発生する事まであるから、木の取り扱いは慎重に〜
人間の勝手で植えた木は、思惑を超えて一生懸命に環境と闘い生きている事を忘れてはいけませんね!
だから、厳しい条件で植えられたもの程、後々、あっと驚く事をしてくれるのではないでしょうか?
屋上緑化の木の根を伝って、火事から脱出!ってのも起きるかも?
いや、その前に排水孔が詰まったり防水層を破ったりで問題化する〜!
しかし、「天空の城ラピュタ」は、根の力強さをよく表していたね〜
 
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