写真に秘められたコンビネーションの事実を紹介する


メーター及びトップブリッジ周りの雰囲気は、ライダーにとっては最も大切な部分かもしれない。
走行中には、他者から見えないこの部分が、逆に、ライダーにとっては、唯一見えるマシンの姿となる。
まさにライダー視線で見た写真からは、カワサキのスーパースポーツらしいマニアックな雰囲気が伝わってくる。
ZX−XRに跨りグリップを握った瞬間、誰もが主役になれそうな‥‥‥
果たして、その気にさせるコクピットに秘められた事実とは?

一見では、「以前どこかでお会いしましたか?」といった感じの印象なのだが‥‥‥
それもそのはず、メーターは9R-C型で、トップブリッジは12R、カウル周りは7Rとニンジャファンなら承知のものばかり。
だから、あまりお目にかからない7Rの最終型?とか、普通に受け入れられてしまうかもしれない。
ましてや、9Rすら珍しい現実では、ZX-XRの所以など到底理解不能〜!
しかし、それを承知の上で、写真に秘められたニンジャの化身たる事実を公開している。

そこで、紹介するのは、<アッパーカウルマウント>!
完成状態では、ほとんど見えなくなってしまう縁の下の力持ち的存在のパーツ。
しかし、そこはCOMBINATIONの要となるだけあって、スペシャル中のスペシャルな仕様となっている。
 
ZX-7Rのヘッドライトユニットは、複眼タイプで、左が、特徴的なプロジェクター式ロービーム。
ライト取付ブラケットは、ノーマルではなくワンオフで製作し、上部の2ヶ所をアッパーカウルマウントに固定する形状
3ミリ厚のアルミ板によるフレームは、ブスバー(電極板)としてケーブルでバッテリーに直結され、アースポイントを兼ねる。
9R用ノーマルのアッパーカウルマウントを加工し、アッパーカウル全体をフレームに仮組み。
さらに、メーターを取付けると不具合発生〜!ハンドルを左右一杯に切るとクラッチレバーやラジアルポンプがメーターに干渉!

少し計算違いのようだが、これは、想定内の出来事!
基本的な部分は、足回りや光軸等の各ジオメトリーの条件からピンポイントで確定しており、前進あるのみ!
出てきた問題を順番に対処、適応させていくしかないのだ〜!
アッパーカウルマウント単品にメーターを取付けた状態(裏側)
写真下側がフレーム側でV字に開いた先端にヘッドライト部が付く
干渉を避ける為に、より前方に且つ起こす方向で位置を探す
そこで、アッパーカウルマウントからメーター取付部だけを分離
仮付けで色々試してみるが、ノーマル形状ベースでは結局解決出来ず
異なる問題発生もあり、V字の部分を作り直し、マージンアップさせる事に
アルミ丸棒をダブルに組合わせ、充分な強度を確保
すべてTIG溶接だが、基本形状が狂わないように接合する
結局、メーター取付部もノーマルベースではなくアルミ板で製作
メーターユニットをテープで仮付けし、改めて検討する事に
回避出来るレイアウトを見つけ、メーター取付部をマウントに溶接
出来上がったマウントは、クリーニングを実施後に、塗装仕上げを実施
これは、メーターユニットへの差込カプラだが、ハーネスはE型用
C型のメーターとは、形状が同じでも各回路配線の配列が異なる
カプラから端子を抜き取り、配列をC型メーター用に変更
E型のメーターも配線図も無い中で、まさしく地力で勝負!
イグニッションキーを捻り、クラッチレバーをおもむろに握る。
続けてシフトペダルを操作すると、ニュートラルランプのグリーンが鮮やかに点灯する。
いよいよ、その時が来た‥‥‥次の瞬間
イルミネーションで赤く色付くメーター内で、タコメーターが激しく上下し始める。
難問を解決し、COMBINATIONもクライマックス、今、ZX-XRのコクピットが COMPLETE!  サウンドファイル

一目見た瞬間から、ライダーを惹きつける何かがある‥‥‥
それは最新のバイクでも、最新のパーツを身にまとったバイクでもない。
しかし、MI(ミッションインポッシブル)と言えるプロジェクトの中で持てる力(パーツ)を結集。
生まれたバイクはNinjaの化身となった。 ZXーXR‥‥その存在こそが、エモーショナル!


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