写真に秘められたコンビネーションの事実を紹介する


このアングルは、9Rらしさが現われている部分であるのだが‥‥‥
ライムグリーンのカウルは、ZX−7Rのサイドカウル!
一見、普通にマッチング出来たように思えるが、実は、そう簡単な作業ではない。
その難しさの要因は、一番に7Rと9Rとのエンジンレイアウトの違いが挙げられる。
写真左下に見えるジェネレーターは、9Rでは当り前の景色。
ところが、7Rでは、エンジン背面に別軸で配置され、クランクエンドに飛び出る物は無い。
それは、レーサーとしてバンク角を確保する為であり、全面投影面積も当然小さくなる。
そんなスリムな7Rのカウルを装着させる為に、ジェネレーター部分は大きくカットされている。
ちなみに、エンジン本体はE型であるが、ジェネレーターのローターが無く(これが高額品)
余っていたC型のジェネレーターを組付けている。(C型の方が厚みが有り張り出しが大きい)

もちろん、カウル取付部の構造も違って当り前、取付位置すら決まっていない状態から始まる。
その為、全体の整合性を維持しつつ、各部の障害を取除くなり逃がすなりしなければならないわけだ。
しかも、それに加えて、エンジンマウント部にスライダーを取付けよう等とおまけ作業が加わる。
まあ、どっちみち設計図の無い一品料理であるから、手間を惜しんでは何も始まらない!

そこで、紹介するのが<改造サブタンク>と<ワンオフブラケット>の2点。
どちらも、決して困難な作業ではないが、この仕様に至るプロセスが COMBINATION の本当の難しさかも?
 
<改造サブタンク>
9RC型のサブタンク外観(写真左が車両前方)
上部にオーバーフローホース取付部がある
同裏側は、容量を稼ぐ為に複雑な形状
フレームへの2ヶ所の取付穴がよくわかる
移設場所に合わせて不要部を切除
容量は、小さくなるが小まめな点検補充でOK
タンクの切り口を塞ぐ板を不要部から切り出す
手に持つのが、切り口の見えるタンクと切り出した板
電気ゴテを使用ししっかりと溶着させる
重要な点は、均す前に断面を溶かし合わせる事
不要部からオーバーフロー取出口を移植
さらに、取付用の穴部を切り出しているところ
加工の終わった改造サブタンクの外観
写真左が上部で、取付け穴は上下方向に並ぶ
同裏側の様子、白く見える部分は、溶かした部分
コテでの均しは、肉厚を調整する為に広目となる
同加工部分(隠れて見え難くなる側)の写真
加えて、塗装すると目立たなくなり上出来〜
 
<ワンオフブラケット>
7Rカウルと9Rフレームのオリジナルの取付穴を活用し、現物合わせで仮ブラケットを製作 仮ブラケットは、アルミバー、プレート、ポップナットによるオールアルミの溶接接合品 仮ブラケットにサブタンクブラケットを追加
フレーム側を2点支持に(タンク取付穴を利用)
本来の取付部であるフレームスライダー部分から、ジェネレーター背面に移設し
無事、カウル内へコンパクトに収まり、つま先や膝との干渉もセーフ!
レベル確認や給水作業といったメンテナンスも容易なベストレイアウトで ‥‥‥ COMPLETE!

一目見た瞬間から、ライダーを惹きつける何かがある‥‥‥
それは最新のバイクでも、最新のパーツを身にまとったバイクでもない。
しかし、MI(ミッションインポッシブル)と言えるプロジェクトの中で持てる力(パーツ)を結集。
生まれたバイクはNinjaの化身となった。 ZXーXR‥‥その存在こそが、エモーショナル!


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