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 自然な巣箱作り
小鳥の巣箱ってよく言うんだけど、巣箱を利用してくれる鳥の種類は限られています。
町中の学校や住宅でなら、スズメ、ムクドリ、そして、シジュウカラ程度。
でも、シジュウカラってとっても可愛い小鳥だから、それでも充分!
願わくば、シジュウカラが利用してくれる事を期待して、巣箱を作ってみよう!

小鳥の巣箱というと、公園などでたまに見かけるけど、大抵は傾いたり壊れたり。
板を切って組み立てている場合がほとんどだけど、耐久性が今ひとつ〜?
その後の手入れも含めて、実際に小鳥が喜んで利用してくれるように‥‥‥
でも、これからの事例は、決して教科書のような物ではありません。
以前なら特殊な材料、道具を使った特殊な巣箱、そうです山里バージョン!?
ところが、現在なら、ホームセンターで丸太の端材も道具も揃う〜!
むしろ、教科書にあるような杉板なんて方が手に入らないのでは?
昭和の頃なら、外壁や塀の材料として良く使われていたんだけど‥‥‥

ところで、お住まいを提供するかぎりは、責任が伴う!
家主を信じて住んだが為に、危険な目に遭ったって事なら、何もしない方がまし〜!
商売抜きで、極上の住環境を提供したい〜!
って、デザイン、快適性、メンテナンス性、セキュリティーetc.
現在、考えられる最善の素材と技術を投入して作られる‥‥‥

待てよ、たいそうに書いてしまったけど、この文言が住宅の検索で引っ掛かったら?
それも何かのご縁ですから、暫し、気分転換でもして下さいね〜♪
 

これが材料

ちなみに、こんな材は、山には無尽蔵にある〜
立ち木の事ではなくて、間伐材や風倒木ですよ
もちろん、山の持ち主の物ですが‥‥‥
 
数年前の台風で倒れたブルーバードの木です。
伐採されて庭の隅に積まれていました。
このまま腐らせたら、「もったいない」し〜って、ずっと思っていたんです。

ベンチとか、その気になれば作れたんですけどね〜
何せ、無理矢理に物を増やすのは嫌いなもんで!

ところが、そう言ってるうちに斜めの木口が緑色になってきたからヤバイって。
と思うと同時に、その部分が屋根勾配に見えたってわけ。
もちろん、巣箱の〜♪

 

テーブルノコで
では、早速、巣箱の製作開始!
上に積んである分が、手頃なサイズってわけで、巣箱に生まれ変わる事になりました〜
木口が斜めに切られている分です。
でもこの木は、ミースケが爪研ぎに利用してたみたいですね!
ネコの匂いで、小鳥が寄り付かなかったりして?
鳥は、匂いにどうなんでしょう?
 

裏返して
テーブルノコって言ったって、三相モーターからVベルトで刃を回しているだけの大雑把な自家製ノコです。
普段は、廃材の処理とかで活用しています。
それで、こんな作業にはピッタリ!
軽くて柔かい材なので、縦挽きの歯のままでブイ〜ン!
煙も出ずに、頑張って切ってくれました。
裏返したこの面が凹んでいるので、これを背中にすれば、幹と良く馴染むはず〜
 

縦割りに
適当な長さに切った丸太を続けて縦割りに切断。
これも、一度では無理!

真っ二つ!
分厚い歯は、節とか芯にも負ける事なく、綺麗に真っ二つに

楽しいツール
ここからが、巣箱作りのハイライト!

真っ二つに割った丸太の中をえぐり取ります。
その為に、ちょっと珍しい道具の登場で〜す。

右がエグリカッターで左がボアビットです。
 

エグリカッター
エグリカッターは、スターエム社製で、道の駅「三木」の2F金物展示場で購入。
最近になってホームセンターでも見かけるようになってきました。
でも、5000円程で販売されていますから、切断砥石等とは大違い!
ダイヤモンドカッターでも980円のがある時代ですから、本体が脇役になってしまう程の代物なわけです。
 

凄いパワー!

ここまでは、チェーンソーワークでも出来る〜!
森林ボランティアの方、イベントや息抜きにDo?
 
それでは、適当に書いたマジックのラインどおりに彫り込んでみます。

力のあるディスクグラインダーは、木の抵抗をものともせずにブイ〜ンと削ります。
この力の凄まじい事!
エグリカッターの切削力は、半端ではありません!
この写真のような横着な作業をしたなら、間違いなく肝を冷やす目に遭う〜

普通は、反力を押さえ込むって感じですが、こいつの場合は、逆目とか硬さが変わると、一瞬でグイッと食い込んで持って行かれる〜
自分でいうのも何ですが、相当な経験をしてきたつもりの自分でさえ、何とか押さえきれたって感じでした。(当然、両手でしっかりと持って)
 

必需品です!

左が日立用で右がマキタ用
それぞれ、取付ネジ径が異なる専用品
リョービ他については、わかりませんが、
本体のメーカーを調べて注文するのが無難
 
そこで、エグリカッター使用時に注意すべき点として、
使用するディスクグラインダーには、必ずサイドグリップを取り付けましょう!
本体に元々、付属していない機種の場合なら、オプションとして取寄せてもらえます。
価格は、数百円といったところですから是非とも!

そもそも、何故、売場に並べていないんだ!?
ホームセンター、問屋、メーカー、もっと、安全作業について留意すべし!!
 

出入口の穴あけ
内側の彫り込みが出来たら、次は出入り口の穴あけ。
ボアビットは、DIY用品でお馴染みの藤原産業が発売元です。
サイズは、小鳥の出入り口にピッタリな30ミリ径を使用します。
ドリルへの取付部は、六角軸になっているから、そのままACインパクトでバリバリ…
軸を傾ければ、途中から斜めに彫る事も可能。
 

内部の様子

底には、水抜き穴として溝切りをしています。
この写真を見ると、左右に割ったように見えますね〜
でも、実際は、前後。
左の穴が開いてるのが、前半分です。
ちょっと、えぐりが少なくて窮屈そうだけど、頑丈第一。
出入り口周りも、カラスやイタチの攻撃で広がらないように厚みを残してあります。

ところで、巣箱作りのきっかけとなった斜めの木口は、もったいないので切り直していません。

その結果は〜?
 

合わせると?
両方を合わせると、削った部分がピッタリ!
そして、部屋の床面積や容積もいい感じ〜
でも、実際、どうなんでしょ?
木箱よりは、ちょっと狭いけど、自然的だから文句は言わないだろうし?

でも、文句を言う以前に、ご入居されないんじゃ〜(汗)
 

固定バンド取付
この巣箱の構造は、いたって簡単!
これを張り合わせて、木に取り付ければ終わり〜

でも、巣箱が自然風味っていうのは、良い事だろうけど、それだけでは不十分!
巣箱には、耐久性とか頑丈さに加えて、取付け易さ、以後の手入れのし易さとか等、考慮すべき点がいっぱい!
さらにアイデアが必要なんです〜

そこで、取付け方法は、紐や針金で縛るのではなく、電線の平行コード(Fコード)に!
これなら、中に単芯の銅線が入っているから丈夫だし、耐候性も当〜然!
分厚いビニール被覆で木にも優しいってきてる〜♪
それをでかい又釘で後側に打ち付けただけ。
 

ネジで合体

又釘を側面寄りで打つと幹を釘で傷付けない
又、縛ったコードと幹の間にゆとりも作れる
同様の意味で、ネジ頭は少し沈めて
 
前後の合体は、コーススレッドビスをバリバリ。
前後それぞれの部分が頑丈だから、四隅に4本だけ。
当然だけど、部屋の部分を避けています。
ネジ止めなら確実だし、簡単に外す事も可能。

将来、内部の掃除もしないといけないからね〜

ところで、前からネジ止めすれば、木に取付けたままで分解して掃除出来るとも思ったんですけど‥‥‥
そんな作業を梯子の上でやるのは危険だから、したくても出来ないように後から前向きにネジを打ちました。
 
もし、分解したらヘビが〜!
ってなったら、多分転落死〜

 

巣箱出来上がり
巣箱作りも、いよいよ最終段階!
左右に傾いた屋根には、樹皮を傘釘で貼りました。
これも残りの材から剥がして調達!
これで、木材の弱点である切り口をカバー出来ました。
釘打ちは、前半分にしているから、屋根はこのままで分解して掃除出来ます。
そして、最後に本体の樹皮がめくれないように上下を銅線で縛って完成〜!

屋根が前後だけではなく、左右に傾斜しているから楽しい!
 

本気な設置場所
 
作業は、梯子をロープでしっかり固定してから
 
ところで、最も大切な事〜
それは、本気モードって事!
庭の飾りを作っているわけではありませ〜ん。

樹高10メートル近いケヤキの幹に取り付けます。
普段、シジュウカラが良く遊んでいる電線ぐらいの高さです。
ちょうど、庭や部屋からも見える場所があります。
ただ、方位的には北東なんで、良くはありません。
でも、南や東にして道路に向けるのも‥‥
何より、出入りしている姿が見えないとね!

とはいえ、かなりのところまで本気って‥‥‥
丸い幹に2連梯子を掛けてるのを見ても、伝わるでしょ?
危ないんだから〜
 

取付け完了
 
入口の厚みがわかるアングルです
 
巣箱の背中に凹が有るおかげでしっくり落着きました。
これが、もし丸くてコロコロしていたら、梯子の上では大変かも?
片手で巣箱を押さえつけながら自分の体を支えて、残る片手でコードを仮に縛ります。
やっぱり、柔かくて摩擦のある電線にしておいて良かった〜!
ひもなら片手では難しいし、針金なら幹に優しくない。
 

しっかり縛る

太い電気コードは、しっかり縛っても
針金のようにきつくは締まりません。
仮に取り付けが出来たら、片方づつ両手を使ってきっちりと縛り直し。
電線のコードは、先端部分の被覆を剥いて束を解しています。
その取付け要領は、
まず、コードのままで縛って巣箱を安定させますが、太いコードのままではほどける恐れがあります。
そこで次に、細い電線を利用してしっかりと縛ります。
(太いコードに絡めてしっかり捻っています)
こうして2段階で取り付けると、全体的には柔かい取付けとなります。
その結果、木の成長につれ、コードは滑りながら追随出来る。
かといって、台風でも取れないように細いコードはしっかりと縛ってあります。

巣箱の本体は表面が樹皮ですし、コードも柔かくしかもゆとりもあります。
だから、緩衝材なども不要となって、とにかく取付けまで簡単ってわけ!
 

遠景です
手前の木々の向こうにケヤキはあります。
画面中央の葉陰になった部分が、巣箱のあるところ。
人の生活とは、まずまずの距離が確保出来ていると思います。
 
しかも、緑の葉が茂っている内に、さりげな〜く取り付け完了!
来春までには、小鳥も見慣れてくれるハズ〜
イベント的には、愛鳥週間の作業がいいだろうけど、
 

完成

今にも、親鳥が出てきそうな雰囲気があります〜

実際に、営巣してくれるかは、難しい面があります。
でも、こうやって巣箱が目に入ってくるだけでも癒される。
  
 

(^^) 巣箱のその後〜♪


巣箱の左でぼやけているのは、飛び立った親鳥です
もちろん、事故無く無事に巣立ってますよ〜 !(^^)!
自然な巣箱が朽ち果てる前に、ちゃんと我が家のスズメは、賢く利用してくれました〜!
可愛い子育てぶりに、滑り止めで穴を大きくしておいて良かった〜なんて言えません〜♪
冬には、シジュウカラも見てくれているんですが、毎春、スズメの入居が早いんです〜 ^^;
ちょっと、餌獲りの心配が有るけど、また機会があれば、巣箱を増やしますか〜〜!?

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