シート(タンデム)編

 
  
   修理しようと思いつつ、他に影響が無いんで後回し(放ったらかし)になってしまいました。 
  
   最後の最後にちょこちょこ残っているのを仕上げるのは、結構、精神力がいるんですよね~! 

   でも、そこをちゃんと手を抜かずに、クオリティーを維持し続けれるかどうか? 

   その事が、全体の成果を左右しかねないってもんです。 

   って事は、黒いコーキングで直すなんて‥‥‥ダメって事ですね~!? やっぱり 
 


 
  
 タンデムシートは分割式で、小物入れのふたを兼ねています。 
 キーで取外しが出来る為、こうやって外してしまうとシートと言うよりも、フタ! 

 でも、お決まりのベルトは付いています。  

  
 取外し式があだになったんでしょうか? 
 角が破れてウレタンもちぎれ、ベースがむき出しになっています。 
  
 全体に劣化して、どこが破れてもおかしくない状態です。 
 
  
 部分的に修理しても、いたちごっことなるので、修理するとなると、全体の張替えしかありません。 
 表皮は、裏側の折り返し部でタッカー止めされています。 
 スクーターだったら、丸ごと上から被せるカバーが売られているんですけど。 
 
  
 表皮の取外しは、まずベルトを外し、周囲のタッカーをニッパでつまんで引き抜きます。 
 30本余りを抜き取るとパラッと、 
 きれいなウレタンが出てきました。 
  
 ‥‥‥ぴかっ!! 
 悪い病気が出ちゃいました~! 
 表皮は合皮じゃなくて、FRPにしよう! 

 元々、タンデムステップは取外されているし、この先タンデムなんてするはずがない。 
 だったら、シングルシート風にしちゃおうって! 
 

  
 で、どうせだったら発泡ウレタンを使ってラインも変えてしまおうか? 
 でも、あのボリューム満点のシートカウルはエッジもきいて、仮に、一体感を出したとしても‥‥‥? 
 だったら、オリジナルのラインを守りましょうか。 
 しかも、それなら、このウレタンも活用出来ないかという訳です。 

 ただこのウレタンは、シートクッションですから、発泡ウレタンと違ってとても柔軟です。 
 そこで、ウレタンをくり抜いて、数カ所にシリコーンシーラントで支えを設けています。
 

   
 樹脂を塗って繊維を押さえ込んで、さらに樹脂を塗り込む。 
 これを3~4回繰返してFRPパネルが出来ます。 
 ところが、このマットは、ウールより強く補修時の解説では、2層でOKとなっています。 
 でも、こんな使い方をすると1層分で材料は終わりです。

 足らずは又違う方法で補いましょう。 

 

  
 樹脂をしっかりと擦り込んでいます。 

 先に塗った樹脂と上に塗った樹脂の間の空気を押し出します。 
 その結果、繊維と樹脂が一体となるとともに、型になじみます。 
 

  
 これが使用したFRAP補修キットです。 

 缶入りの樹脂の主剤とチューブ入りの硬化剤、パテを作る時に混ぜるパウダーとグラスマットのセットです。 
 エポキシのチューブ入り補修剤よりは、量的に余裕がありますので、こういった事にも使えるわけです。 
 

  
  さらに柔軟さと強度を持たせる為に、エポキシタイプで2層重ねます。 

 これの良いところは、粘度が低くて表面を均しやすい点です。 

 とは言っても、マットの重ね目とか結構な凸凹が残りますので、硬化後に耐水ペーパーで研いでおきます。 
 次に、ポリパテで修整しますので、それをし易くする為に、#120ぐらいの粗い分でザーッと凸を落としておきます。 
 粗めは、目詰まりしにくくていいんですが、削れるのが早いので注意が必要です。 
 マットが出てしまうと折角のFRPが台無しです。 
 

  
 塗装の下地作りは、ポリパテで行います。   
 ポリパテは、硬化時間が短い為、大きなヘラで手際よく練り合わせるのがポイント。 
 全面に塗りますので、沢山作ってから、一気に塗り広げます。 
 硬化後でも簡単に削り落とせるので、細かい事に構わず塗り広げます。 
 一塗りしては、ゴソゴソしていると、手元で何倍もの量のパテを捨てる事になります。 
 とにかく、全部を時間内に塗り終わらないともったいないです。 
 それで、塗ってる時の注意点は、凹みを作らない事と空気をかまさない事。 
 凸は、削ればすみますが、凹は、再度パテを塗る事になって作業が前進しません。 
 しっかりと押し付けながら、考えている厚みより割り込まないようにします。 
 
  
 ポリパテをサンディングブロックを用いて、削ってラインと面を出します。 
 耐水ペーパーの#4~600ぐらいが、適当です。 
 凹みやラインの違いが有れば、再度ポリパテを盛って修整します。 
 以上を納得いくまで繰返して、形が出来上がれば仕上げです。 
 ピンホールや研ぎキズ等を薄付けパテで埋め潰します。 
 今回は、ちょこちょこピンホールが有った為、薄付けパテを全面にぬってから、研ぎ出しています。 
  
  
 
  
 下地が出来たら、他のパーツと同様に塗装していきます。 
 プラスチック用サフェーサーを吹いては、#1000で水研ぎ。 
 これを2回繰返し、中塗りとしてブルーの塗装。 
 やはり#1000で水研ぎし、極々僅かなピンホールや荒れを薄付けパテで最終修整です。 
 ピンホールは、いくら上から吹いても埋まりませんので、仕方ないですが、出来るだけ少なくします。 
 ペイントの上からパテを塗ると、僅かな部分を直しているつもりが、下のペイントを溶かして余計に荒らしてしまうからです。 
 って言いながら、結構な量の写真です。 
 慣れればいいです。 
 慣れるまでは、出来るだけ研いで修整していくようにします。 
 この後は、再度中塗りをして、仕上げのカラーとクリア塗装を残すのみです。 
 

 
         
どうにか予定通りの形で出来上がりました!

これこそ、まさしくDIYカスタマイズでしょう!?

もしも、市販シングルシートカウルなんかにしたなら‥‥

ガンマ復活プロジェクト~! なんて語れない~!!

レプリカらしくないゴージャスヒップのナイスバディー

そして、小物入れも便利に使えるオリジナルのスタイル

でも、いかにもレプリカ的(とって付けたような)タンデムではない!
  


 
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