FCRキャブレターのセッティング
 
  
キャブレ−タ−のセッティングは、アイドリング時から最高出力時までの過渡期を含めるすべての運転状況において、最適な燃焼が常に得られる様に、空燃比をコントロールするデバイスを調整する事を言います。  
ポカーン(^ ^")  

ただし、ここで実施するセッティングは、アイドリングから低速域に影響するスロー(パイロット)系についてです。  
もちろん、中高速からフルパワーのセッティングもあるわけですが、日常的ではありませんので、この場では書きません。  

アイドリングから低速域にかけての領域は、日常の使用において大変重要かつ、感性に強く影響する部分です。  
信号待ちや発進時にエンスト、Uターン時にエンスト。  
これでは、立ちごけはもちろん、事故にもつながりかねません。  
もちろん、燃費悪化やプラグ、オイル汚損、エンジン音、排気音、アクセルワークと影響は広範囲です。  

では、そうそう調整をしないといけないのでしょうか?  

いえ、外気温が氷点下から40度を超えるに至るまで、同一セッティングでうまくいくはずがないのです。  

では、いつするかという点については、季節の変化に加えて、エンジンフィーリングの変化で考えます。  

一般的に、標準セッティングに、極寒用と酷暑用を加えた3通りの年4回セッティングでよいと思います。 
 
 
 
 

 
 

標準セッティングで夏になり、アイドリングの乱れをスロットルストップスクリューで回転を上げて済ませていました。  
しかし、さすがに連日気温が35℃を超えるとなると、放ってはおけない状況に‥‥。  

スムーズに燃焼しているかどうかは、テールパイプに紙片をあてがってみてもある程度わかります。  
燃焼ガスの脈流もテールパイプ部では、整流されてきて連続的な流れとなります。  
ところが、燃焼にムラがあると排気流が乱れ、紙片が暴れます。  
点火ミスがある場合には、逆に吸込まれる程です。 
 

FCRキャブでもストリートを走るのですから、エアクリーナーは、性能の良いものを取付けています。 
また、キャブレターとシリンダーの間には、カーボンシートのヒートガードを 取付けています。 
ヒートガードは、一方でシリンダー冷却の妨げになりますので、大きさと形状には注意します。 
サイドカバーは、Z2タイプ、フィルターカバーは、雨でも走れる程度にワンオフしてあります。 
 
ラムエアーは、エアファンネルに簡単に取付け出来るフィルターです。   
吸気抵抗が小さいうえに、内部に若干の空気容量があるため、一瞬のツキにも効果的です。   
ただし、専用のオイルで濾過性能を高めてあるため、カバーリングをしないとズボンが汚れます。 

ラムエアーは、2気筒分で1個、4気筒では2個使用です。 
  

   フィルターの効果は?

フィルターを取り外して、エアファンネルだけの状態になったFCRキャブです。  

スロー系を調整するエアスクリューは、エアファンネルの外側下に各キャブ毎に有ります。  

特に、空冷式エンジンでは、シリンダー毎の温度差が大きく、それに伴い空燃比も変化させます。  
両外に比べて、内側2気筒が冷え難いのです。  

結果的には、内外でスクリュー1/2回転の差が有りました。  
 
 

最初の写真と全く同様に写したものです。  
紙片の動きが吹き流しのように安定しました。  
スロットルストップスクリューも戻して、アイドリング回転もずいぶん低く出来ました。  
2000rpm付近までのツキもまったくスムーズそのもの 。  
ちょっとの手間で断然乗り易くなりました。  
でも、普段からその他のメンテナンスを含めて、しっかりと手入れをしていないと、この様にはいきません。  

さらに、何と言っても、知識と経験がないと、時間をさいてもゴールに辿り着きません。  

注)紙片は、写真で分り易くする為に使用しており、これでセッティングするものではありません。 
 

 
 
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